なぜ人は“集めたくなる”のか?チコちゃんが教えてくれたコレクションの本能
お気に入りのキャラクターグッズ、旅先で買ったご当地キーホルダー、限定デザインの切手やフィギュア──気づけば棚いっぱいに並んでいませんか?どうして私たちは、そこまで「集めること」に夢中になるのでしょう。
2025年10月31日放送のNHK総合『チコちゃんに叱られる!』では、「なぜ人はコレクションをするの?」というテーマが登場。ゲストの岡村隆史さんが見事に正解を当てたことで、チコちゃんからおなじみの「つまんねーヤツだな〜」の一言が飛び出しました。
正解は、「木の実を集めると人気者になれたから」。その答えには、人間の本能に関わる深い理由が隠されていたのです。
コレクションのルーツは“木の実集め”だった
番組では、明星大学の藤井靖教授がこの謎を解説しました。
およそ250万年前の人類、つまりホモ属が誕生したころ、人々は狩りと採集を中心に生活していました。食料を効率的に集められる人は群れの中で信頼され、仲間から一目置かれる存在になっていたといいます。
特に木の実や肉などの貴重な食料をたくさん見つけてくる人は、「生きるために必要なものを提供できる=頼りになる人」として人気者になっていたのです。
やがてこの行動が長い年月をかけて“採集本能”として遺伝子に刻まれ、現代の私たちにも残りました。つまり、いまフィギュアや推しグッズを集めているのは、太古の昔に培われた「生き残るための本能」が形を変えて表れているというわけです。
「集める行為」は安心や誇りの象徴
面白いのは、コレクションの対象が変わっても、人間の感情の動きは変わらないという点。
当時の木の実が、今では“好きなもの”に置き換わっただけで、行動の根本には「集めることで安心感を得たい」「自分を認めてもらいたい」という心理が働いています。
推しのライブグッズを並べる、レア切手をアルバムに収納する、限定カードをコンプリートする──どれも、自分の中で“達成感”と“誇り”を得る瞬間。チコちゃんが紹介したように、コレクションは単なる趣味ではなく、人間の社会的なつながりを生み出す本能的な行動でもあるのです。
現代のコレクションがもたらすつながり
SNS時代の今、コレクションは“見せる”楽しみへと進化しました。
「同じものを集めている仲間」と出会うことで、そこに新しいコミュニティが生まれます。たとえば、推し活グッズの共有、レトロ玩具の展示会、切手コレクター同士の交流会など、コレクションを通して人との絆が広がっていく。
こうして“集めること”は、孤独を癒し、人との共感をつくる手段にもなっているのです。
この記事のまとめ
・人がコレクションをするのは、約250万年前の「採集本能」が残っているから。
・明星大学の藤井靖教授によると、木の実を多く集めた人が群れで人気者になっていた。
・現代のコレクションは、安心感・達成感・社会的つながりを生む行動へと進化している。
・推し活や限定グッズ収集なども、本能が導く“現代の採集”といえる。
モノを集めるという行為は、ただの趣味ではなく“人間らしさ”そのもの。
チコちゃんの言葉を借りるなら、「ボーっと生きてるようで、ちゃんと本能が働いてるのよ!」。
棚に並ぶあなたのコレクションにも、きっと遠い祖先から受け継いだ意味が隠れているはずです。
(出典:NHK『チコちゃんに叱られる!』2025年10月31日放送)
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