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NHK【チコちゃんに叱られる!】月が地平線で大きく見えるのはなぜ?立命館大学が解説する“月の錯視”の正体|2025年10月31日

チコちゃんに叱られる!
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月の大きさが変わるのは“人間の脳の錯覚”だった!不思議な月の見え方の秘密とは?

「地平線の近くにある月って、なんだか大きく見えませんか?」──誰もが一度はそう感じたことがあるはず。でも実際には、月が地平線にあるときも頭上にあるときも、地球との距離はほとんど変わらないのです。
2025年10月31日放送のNHK総合『チコちゃんに叱られる!』では、この“月の大きさの錯覚”の謎をテーマに、ゲストの森七菜さんと郷ひろみさんがチコちゃんの質問に挑みました。
「空気や蒸気的なもので大きく見える」と答えた森さんでしたが、チコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ!」とおなじみのツッコミ。正解は意外にも、「人間が勝手に修正しているから」でした。
今回はこの“月の錯視”について、番組で紹介された内容をもとに詳しく解説します。

人間の脳が勝手に補正していた?“月の錯視”の正体

この現象を解説したのは立命館大学の東山篤規名誉教授
地平線近くの月が大きく見えるのは、脳の錯覚が原因なのです。
実際の距離は約38万kmと変わらず、むしろ月が頭上にあるときの方が、地球の半径分(約6400km)だけ近くなっています。にもかかわらず、大きく見えるのは「脳が映像を修正している」ため。

人間の脳は、地平線近くの月を“遠くにある”と認識します。それなのに、実際の視覚情報としては“近くにあるように見える”。この矛盾を埋めるために、脳が自動的に「月を大きく見せる補正」をかけてしまうのです。これが「月の錯視」と呼ばれる現象です。

カメラでは再現できない“脳だけのズル”

この錯覚は、写真で撮ってみるとよくわかります。
肉眼では大きく見える月も、カメラで撮影すると「思ったより小さい」と感じた経験はありませんか?
それこそが、人間の脳だけが見ている幻の月
カメラはあくまで実際の距離とサイズをそのまま捉えるため、錯覚補正をしないのです。つまり、“カメラの月”は現実、“人間の目の月”は脳が描いた幻想と言えます。

また、視覚心理学ではこのような現象を「遠近錯視」と呼びます。月だけでなく、線路の先が狭く見える「ミュラー・リヤー錯視」なども同じ仕組みで、脳が“見た目”と“知識”の間で辻褄を合わせようとする働きから生まれます。

夜空を見上げたときに試したい「月の実験」

番組では、地平線の月と頭上の月の違いを確かめる簡単な方法も紹介されました。

  1. 両手を前に伸ばして、人差し指と親指で“月をつまむ”ように見る。

  2. 月が地平線にあるときと、夜遅くに高く昇ったときの大きさを比べてみる。
    実はこのとき、指の間隔はほとんど変わりません。つまり、本当の大きさは同じなのです。
    錯覚だとわかっていても、「地平線の月が大きく見える」と感じるのは、脳の補正がそれほど強力だという証拠です。

見上げる月に隠された“人間の心理”

この錯覚には、人間の心理的な要素も関係しているといわれます。
空高く昇った月は周囲に比較対象がなく、ただの光の球として見えるのに対し、地平線の月は建物や山、木々などと一緒に見えるため、“相対的に大きく感じる”のです。
さらに、夕焼けや地上の灯りなどとのコントラストが、月をより印象的に見せているともいわれます。
このように、「月の大きさの錯覚」は物理現象ではなく、心理現象。科学と感性の間にある、人間らしい視覚の不思議です。

この記事のまとめ

・月の大きさが変わって見えるのは、脳の錯覚(月の錯視)によるもの。
・地平線にあるときも頭上にあるときも、月と地球の距離はほぼ同じ。
・脳が“遠くにあるはずの月”を“近く見えるように補正”してしまう。
・カメラで撮ると小さく写るのは、脳が補正していないから。
・人間の感覚は、科学では測れないほど柔軟で不思議なもの。

チコちゃんが教えてくれた「月の錯覚」は、夜空を見上げるたびに思い出したくなる不思議な話でした。次に満月を見たとき、ぜひ「これは脳が見せてくれている幻の月なんだ」と思って眺めてみてください。

(出典:NHK『チコちゃんに叱られる!』2025年10月31日放送)

番組を見て思ったこと

夜空を見上げるたびに、そこに浮かぶはどこか特別な存在に感じる。満月の夜も、雲間からのぞく細い三日月の夜も、私たちはその美しさに見とれてしまう。でも、その月が“脳が勝手に修正した月”だと知ると、少しロマンチックで、同時に怖くも思える。

番組で紹介されたように、月が地平線にあるときに大きく見えるのは、実際の距離が変わるからではなく、人間の脳が錯覚を起こしているからだという。地球から月までの距離はおよそ38万キロメートル。つまり、頭上に浮かぶ月も、 horizon(地平線)に沈みかけた月も、ほとんど同じ距離にある。それでも、私たちの目には違って見える。

これは、脳が「遠くにあるはずのものが大きく見える」という不思議な補正をかけているため。まるで、目の前の風景にロマンチックな演出をしてくれているようにも感じる。だけどその正体が“錯覚”だとわかると、心のどこかでゾッとする。だって、私たちは本当の月の姿ではなく、脳が描き出した幻の月を見ているのだから。

立命館大学の東山篤規名誉教授によれば、この現象は「月の錯視」と呼ばれるもので、心理学や視覚研究の世界では古くから知られているという。写真やカメラでは再現できないのに、人間の目だけが“大きな月”を見てしまう。それは、私たちの脳が単なる映像ではなく、「世界をどう感じたいか」という心の働きまで映しているからかもしれない。

月の光を浴びながら、そんなことを考えると、自然の中にある“人間の不完全さ”が少し愛おしく思えてくる。見ている月が幻でも、それを美しいと思う気持ちだけは、本物だ。


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