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NHK【チコちゃんに叱られる!】なぜ月は見える位置によって大きさが変わる?脳がつくる“月の錯覚”の科学|2025年10月31日★

チコちゃんに叱られる!

なぜ月の大きさが変わって見えるの?人間の脳がつくる“月の錯覚”のふしぎ

夜空に浮かぶ月を見上げて、「あれ?今日は月がいつもより大きい気がする」と思ったこと、ありませんか?
地平線近くの月がやけに大きく、迫力ある姿で昇ってくるのに、時間が経って真上に上がると小さくなったように感じる――。多くの人が同じように感じていますが、実はあれは月が大きさを変えているのではなく、私たちの“脳がだまされている”のです。
この記事では、NASAやScientific American
が紹介する科学的な研究をもとに、月が大きく見える理由をわかりやすく解説します。

月の大きさは変わっていない?

まず最初に伝えておきたいのは、月の大きさも距離も、実際にはほとんど変わらないということです。
地球から見た月の“角直径”(見た目の大きさ)は平均で約0.5度ほど。これは、親指を腕いっぱいに伸ばして立てたとき、その幅にすっぽり収まるほどのサイズです。
科学的に測定してみても、地平線近くにあるときと、空の高い位置にあるときで、ほとんど差がありません。
つまり、「地平線の月が大きい」「真上の月が小さい」と感じるのは、私たちの感覚がつくり出す“錯覚”なのです。

錯視(さくし)とは?

“錯視”とは、実際とは異なる見え方をしてしまう視覚現象のこと。代表的なものでは、『ミュラー=リヤー錯視』(矢印の形によって線の長さが違って見える)や、『ポンゾ錯視』(遠近の線の上では同じ長さのものが異なって見える)などがあります。
月の錯視もこの一種で、脳が距離や背景をもとに“大きさ”を勝手に補正してしまうため、見え方が変わるのです。

錯視が起きる3つの理由

1.月の実際の大きさと距離はほぼ一定

月は地球のまわりを約27.3日で一周していますが、その軌道は少し楕円形です。地球に最も近づくと約35万7000キロ、最も遠ざかると約40万6000キロ。
確かにわずかな距離の違いはありますが、その差でも見た目の大きさは最大で14%程度しか変わりません。しかも、1日のうちでの変化はほとんどゼロに近いのです。
それでも、地平線近くではあんなに大きく感じる――。この“感覚の差”こそが、錯視の始まりです。

2.脳が“遠くのものほど大きい”と誤認する

地平線近くの月を見たとき、視界の中には山やビル、樹木などさまざまな対象物があります。
脳はこれらを「距離の手がかり」として判断し、「あの月は遠くにある」と感じます。
そして、人間の脳には「遠くにあるのにこれだけ大きいなら、実際はもっと大きいはずだ」という思い込みが働くため、同じ月でも大きく見えるのです。
これは「ポンゾ錯視」と同じ原理で、線路が遠くで交わるように見える図を使った実験でも確認されています。

一方、月が空高く昇ると、周囲に比較対象がなくなります。背景はただの広い夜空。
脳は「近い位置にある」と錯覚し、結果として小さく見えるのです。

3.大気の影響ではない

「地平線近くの月が大きく見えるのは、大気の屈折やレンズ効果のせいでは?」という説を聞いたことがあるかもしれません。
しかしNASA ScienceScientific Americanによると、それは誤りです。
大気による光の屈折は、月をわずかにゆがめることはあっても、角直径を拡大するほどの影響はありません。
つまり、月が赤っぽく見えたりぼんやりして見えたりするのは大気の影響ですが、「大きく見える」のはあくまで脳がつくる錯覚なのです。

簡単にできる“月の錯覚”の確かめ方

この現象は、誰でも簡単に体験できます。
① 月が昇る直後(地平線近くにあるとき)と、数時間後(空の高い位置)にあるとき、同じ設定でカメラ撮影してみましょう。
② 2枚の写真を比べると、ほとんど大きさが変わらないことがわかります。
③ さらに、自分の人差し指を伸ばして月にかざしてみてください。地平線近くでも、真上でも、指先の幅とほぼ同じ大きさに収まります。

実際の月は変わらないのに、私たちの脳だけが「大きい」と感じてしまう――。この事実こそ、人間の感覚の不思議さを物語っています。

月が本当に少しだけ大きくなるときもある

錯視とは別に、月が実際に大きく見える現象もあります。それが『スーパームーン』です。
月が地球に最も近づくタイミング(近地点)で満月となると、通常よりも約14%ほど大きく、約30%明るく見えるとされています。
これは錯覚ではなく、実際の天体の位置関係によるもの。とはいえ、私たちが感じる「地平線の巨大な月」の迫力とは比べものにならない程度の違いです。

“上空の月”が小さく感じる理由

地平線近くの月が大きく感じられる一方で、真上の月が小さく見えるのはなぜでしょうか。
それは、空の広がりにあります。上空の月を見るとき、背景は無限に広がる夜空しかありません。
脳は距離を感じ取る手がかりを失い、「近くにある」と錯覚してしまいます。結果、同じ月が小さく見えるのです。
つまり、私たちの“距離感”が夜空の中で混乱しているのです。

放送後追記予定:チコちゃんが明かす“月の大きさの真実”

2025年10月31日放送の『チコちゃんに叱られる!』では、この「なぜ月の大きさが変わって見えるの?」という疑問をテーマに放送されます。
番組では、錯視の実験映像や専門家による解説を通じて、私たちの脳がどんな仕組みで月を“大きく見せている”のかを、楽しくわかりやすく紹介してくれる予定です。
さらに、ゲストの郷ひろみさんや森七菜さんが、実際に月の見え方を体験しながら驚くシーンも登場するかもしれません。放送後には、チコちゃんの回答内容をもとにさらに詳しく追記します。

まとめ

この記事のポイントは以下の3つです。
・月が大きく見えるのは、実際の大きさが変わるからではなく「脳の錯覚」
・比較対象のある地平線近くでは“大きく”、広い空の中では“小さく”見える
・科学的にも角直径はほぼ変化せず、写真で見比べると同じ大きさ

この現象を知ると、夜空を見上げる楽しみが少し変わってくるはずです。
次に月が昇る夜、ぜひ指をかざして確かめてみてください。見上げる角度が変わるだけで、脳がどんな錯覚を生むのか――。それは、科学と感覚が交わる、美しい“夜のトリックアート”です。

放送:NHK総合『チコちゃんに叱られる!』2025年10月31日(金)19:57〜20:42


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