増える墓じまいと変わる供養のかたち
このページでは『みみより!解説(広がる“墓じまい” 変わる供養のかたち)(2026年3月18日)』の内容を分かりやすくまとめています。
高齢化や家族のかたちの変化により、今「墓じまい」を選ぶ人が増えています。お墓を守る人がいない、管理が難しいといった現実の中で、供養のあり方も大きく変わってきました。
本記事では、墓じまいが広がる理由や流れ、さらに永代供養や樹木葬など新しい選択肢について、やさしく整理していきます。
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墓じまいが増える理由と現代の家族事情
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近年、墓じまいは一部の人の特別な選択ではなく、多くの家庭で現実的な判断として広がっています。実際、改葬件数は年々増え、2023年度には約16万件と過去最多を記録するなど、社会全体で大きな動きとなっています。
少子高齢化と後継者不足
最も大きな理由は、少子高齢化と核家族化です。子どもの数が減り、さらに未婚化や別居が進んだことで、お墓を引き継ぐ人がいない家庭が増えています。
その結果、「代々守る」という前提が崩れ、そもそも継承できないという問題が現実化しています。
経済的・距離的な負担の増加
お墓は建てるだけでなく、管理費や法要費など継続的な費用がかかります。さらに地方にあるお墓を都市部から管理するケースでは、交通費や移動時間の負担も無視できません。
こうした負担が積み重なり、「維持が難しい」と感じる人が増えていることも、墓じまいが広がる大きな要因となっています。
価値観の変化と終活意識の高まり
近年は終活の意識が高まり、「子どもに負担を残したくない」と考える人も増えています。
そのため、自分の代でお墓を整理し、より負担の少ない供養へ切り替えるという考え方が広がっています。
このように、墓じまいの増加は単なる流行ではなく、社会構造と価値観の変化が重なった結果だといえます。
お墓を守れない時代に起きている変化
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従来の「家で代々守るお墓」という考え方は、現代では大きく変わりつつあります。社会の変化により、これまで当たり前だった前提が成り立たなくなり、供養のあり方そのものが見直されています。
家族の形の変化
現在の日本では、核家族化や単身世帯の増加が進み、家族のつながり方が大きく変わっています。単身世帯は全体の3割以上を占めるなど、従来の大家族の形は少なくなっています。
また、子どもがいない家庭や、親と離れて暮らすケースも増えており、「お墓を継ぐ人がいる」という前提が崩れているのが現状です。
さらに、地方から都市へ人が移動する流れも続いており、実家のお墓が遠くて管理できないという問題も深刻になっています。
供養の価値観の多様化
もう一つ大きな変化が、供養に対する価値観の多様化です。
昔は「先祖代々のお墓を守ること」が当たり前でしたが、現在は「自分らしい供養」を選びたいと考える人が増えています。
実際に若い世代では「お墓は必要ない」と考える人も増えており、宗教や形式にこだわらない供養が広がっています。
その結果、樹木葬・散骨・永代供養など、お墓を持たない選択肢も一般的になりつつあります。
このように、今は「家で守る供養」から「個人に合わせた供養」へと大きく変わる転換期にあるといえます。
墓じまいの流れと実際の手続きとは
墓じまいは思いつきでできるものではなく、行政手続き・寺院との調整・工事など、いくつもの段階を順番に進める必要があります。一般的には完了まで1〜3か月程度かかることもあり、計画的に進めることが大切です。
基本的な流れ
まず最初に行うのは、親族の同意を得ることです。後からトラブルにならないよう、事前の話し合いがとても重要です。
その後、遺骨を移す先(納骨堂や永代供養墓など)を決め、現在のお墓の管理者や寺院へ墓じまいの意向を伝えます。
次に行うのが、最も重要な手続きである改葬許可申請です。
・改葬許可申請書
・埋葬証明書
・受入証明書
などを役所に提出し、改葬許可証を取得します。
許可証を受け取った後、遺骨を取り出し、墓石を撤去して更地に戻し、新しい供養先へ納骨するという流れになります。
手続きのポイント
墓じまいで特に重要なのは、改葬許可証がなければ遺骨を移せないという点です。法律で定められているため、必ず役所の手続きを行う必要があります。
また、寺院墓地の場合は「離檀(檀家をやめる)」が必要になることもあり、丁寧な説明や調整が求められます。
さらに、石材店への依頼や閉眼供養(魂抜き)なども必要になるため、想像以上に手間と準備がかかるのが実情です。
このように墓じまいは、単なる撤去ではなく、供養の引っ越し=改葬という重要な手続きであり、事前準備と段取りが成功のカギになります。
お墓を持たない新しい供養のかたち
近年は「お墓を持たない」という選択が広がり、供養の方法も大きく多様化しています。背景には、後継者不足や費用負担、そして価値観の変化があり、従来の墓石中心の供養から、より柔軟な形へと移行しています。
永代供養という仕組み
永代供養とは、家族の代わりに寺院や霊園が遺骨の管理と供養を行う方法です。継承者がいなくても供養が続くため、現代の家族事情に合った仕組みとして注目されています。
また、管理費がかからないケースも多く、遠方に住んでいる人や子どもに負担をかけたくない人に選ばれています。さらに、無縁墓を防ぐ手段としても重要な役割を持っています。
合祀墓や納骨堂の広がり
合祀墓は、複数の遺骨を一つの場所にまとめて供養する方法で、費用を抑えられる点が特徴です。納骨後は取り出せない場合が多いものの、合同供養が行われるため安心感があります。
一方、納骨堂は屋内に設置された施設で、ロッカー型や自動搬送型など多様な形式があります。天候に左右されず、都市部でも利用しやすい点が人気の理由です。
さらに、これらに加えて樹木葬や散骨なども含め、供養方法は年々増えています。現在では、約8割以上の人が永代供養型の墓を検討しているというデータもあり、主流が変わりつつあります。
このように、お墓を持たない供養は特別なものではなくなり、自分や家族に合った形を選ぶ時代へと進んでいます。
これからの供養は「負担を減らす」がキーワード
これからの供養は、「守ること」よりも無理なく続けられることが重視される時代へと変わっています。実際の調査でも、供養の形は「家で代々引き継ぐもの」から、管理の負担を減らす方向へシフトしていることが明らかになっています。
家族に負担を残さない選択
現在、墓じまいや永代供養が選ばれる最大の理由は、子どもや家族への負担軽減です。
調査では、墓じまいを検討する人の約半数が「家族に負担をかけたくない」と考えていることが分かっています。
従来のお墓は、管理費や掃除、法要の準備など、長く続く責任が必要でした。
そのため、自分の代で整理し、負担を残さないという考え方が広がっています。
自分に合った供養を選ぶ時代
もう一つの大きな変化は、供養が「自由に選べるもの」になったことです。
かつては「家のお墓に入る」が当たり前でしたが、現在は
・永代供養
・樹木葬
・納骨堂
・散骨
など、さまざまな選択肢が用意されています。
こうした変化の背景には、「家」よりも「個人」を重視する価値観の広がりがあります。
これから重視される供養の考え方
これからの供養で大切にされるのは、「形式」ではなく気持ちや納得感です。
お墓があるかどうかよりも、
・きちんと想いを伝えられるか
・無理なく続けられるか
・家族が安心できるか
といった点が重要になっています。
このように、供養は「守るもの」から「選ぶもの」へと変化し、
負担を減らしながら大切に想うことが、これからのスタンダードになっていきます。
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