社長を名乗る影の一撃に備える
このページでは『みみより!解説(2026年1月26日)』の内容を分かりやすくまとめています。
会社を揺るがす社長なりすまし詐欺は、静かに近づき、一瞬で大切なお金を奪い去る危険な手口です。メール1通から始まる犯人の演出は、思わず信じてしまうほど巧妙で、日々忙しく働く私たちの隙を狙っています。
しかし、少しの注意と冷静な確認があれば、この影の一撃を跳ね返すことができます。日常の中にひそむリスクを知り、会社と仲間を守る一歩を一緒に踏み出しましょう。
社長をかたるオレオレ詐欺とは
企業を狙う社長なりすまし詐欺は、ビジネスメール詐欺として世界中で問題になっている手口です。犯人は実名の社長や会長になりすまし、もっともらしい文章で「至急の支払い」を依頼してきます。メールの見た目は普通の業務連絡そのもので、署名や会社情報まで巧妙に作り込まれているため、受け取った担当者が本物だと信じてしまいやすいのが特徴です。
この詐欺が恐ろしいのは、数百万円から数千万円規模の送金を一度に要求してくる点です。中小企業や学校法人、医療施設など幅広い組織で被害が広がっており、決して特別な企業だけが狙われているわけではありません。社長名義のメールに弱いという心理を巧みに利用し、日常の中に溶け込むようにして近づいてきます。
偽メールが届くまでの準備と標的選び
犯人は、ただ適当にメールを送っているわけではありません。まず会社の公式サイトやSNS、ニュース記事などから社長や役員の名前、担当部署、経理担当者の情報まで細かく収集します。商工会議所や業界団体の名簿からアドレスを拾うケースもあり、思いがけないところから情報が流出します。
集めた情報をもとに、もっとも効果的にだませそうな相手を決めます。多くは送金業務に関わる経理スタッフや総務担当が狙われます。さらに、「新しい連絡ツールに移行する」「LINEグループを作ってほしい」と誘導し、通常の社内フローから外れた場所に連れ出してからお金の話を切り出す手口も確認されています。こうした周到な準備こそが、この詐欺の成功率を高めているのです。
本物そっくりの社長メールの巧妙な手口
偽メールの特徴は、とにかく本物そっくりであることです。差出人名には社長の実名が表示され、署名も本物とほとんど見分けがつかないほど精巧です。メールアドレスも「co.jp」が「.com」になっていたり、似た文字を入れ替えたりと、ひと目では気づきにくい工夫がされています。
文面では「至急」「今日中」「極秘」などの言葉を連発し、こちらに冷静な判断をする余裕を与えません。通常とは違う手順で送金させようとしたり、「確認せず進めてほしい」と指示したりするのも典型的なパターンです。最近では、メール内からSNSへ誘導してやり取りを続けるケースも増えており、監視システムを避けるために巧妙化しています。
実際に起きている被害と企業が狙われる理由
世界中で、社長なりすまし詐欺により巨額の損害が発生しています。大企業だけでなく、地域の病院や教育機関、中小企業などでも被害が相次いでおり、社会全体の問題として広がっています。
企業が狙われる理由には、「社長からの依頼は断りにくい」という心理的な弱点があります。忙しい担当者ほど「急がなければ」と焦ってしまい、確認を怠る危険があります。また、承認フローが不十分な会社や、個人アドレスを業務で使っている企業は、特に攻撃されやすい傾向があります。
商工会議所や業界団体の名前が悪用される例もあり、地域全体で注意が必要な状況です。犯人は組織の構造を熟知しており、その隙を狙い抜く力を持っています。
すぐに始めるべき社内ルールとチェックポイント
被害を防ぐための最初の一歩は、「メールだけで送金を決定しない」ことです。送金・口座変更など金銭に関する依頼は、必ず電話や社内チャットなど別の手段で本人確認を行うルールを設定します。
効果的な対策として、以下のようなポイントがあります。
・新規口座への送金依頼は、正式な取引先に必ず電話確認する
・高額送金は複数人で承認する仕組みを導入する
・社長や役員からの急ぎの依頼は、必ず折り返し電話で確認する
さらに、社内の連絡手段を統一しておくことで、不審なメールが浮き上がり、見抜きやすくなります。怪しいメールの事例を共有し、社員教育を続けることも効果的です。日常の中で「おかしいかも」と気づける環境づくりが、被害防止につながります。
社員一人ひとりが身を守るための心構え
どれほど巧妙なメールであっても、最後に決断するのは人です。そこで大切なのは、「差出人が社長でも疑う」「急かされるほど落ち着く」という習慣を持つことです。
怪しいと感じたら、一人で判断しないことが重要です。すぐに上司や同僚に相談することで、組織全体で危険を察知できます。もし誤ってリンクをクリックしたり、添付ファイルを開いてしまった場合でも、隠さず早く共有することで被害の拡大を防げます。
社長なりすまし詐欺は、企業の規模に関係なく誰にでも起こり得る脅威です。しかし、日常の確認習慣とルールづくりがあれば、大切な資産を守る力は確実に高まります。会社全体で警戒し、チームとして未来を守る姿勢こそが、被害を遠ざける最大の武器になります。
まとめ
社長なりすまし詐欺は、企業の日常に静かに入り込み、大きな被害につながる危険な手口です。巧妙な偽メールに惑わされないためには、本人確認の徹底や複数人でのチェック、怪しいと思ったときにすぐ相談できる環境づくりが欠かせません。誰もが狙われる可能性があるからこそ、日ごろの小さな注意が会社を守る力になります。
本ページの内容は放送と異なる場合があります。放送後に新たな情報が分かりしだい追記します。
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