コレステロールは食事で変わる?基本からわかる対策
血液の中にあるコレステロールは、体に必要な働きをしながらも、増えすぎると血管に負担をかけるやっかいな存在です。とくに悪玉と善玉のバランスが崩れると、気づかないうちに動脈硬化が進むこともあります。『あしたが変わるトリセツショー「コレステロール」食事編(2026年5月6日放送)』でも取り上げられ注目されています 。食べ方を少し変えるだけで、体の中は大きく変わります。
【この記事でわかること】
・コレステロールの正しい仕組みと役割
・食事で数値が変わる理由
・悪玉を減らし善玉を活かす考え方
・続けやすい食事改善のコツ
【トリセツショー】健康診断オールAへの近道!内臓脂肪を減らす3%ダイエットと100キロカロリーカードで数値改善する方法
コレステロールの基本と悪玉・善玉の違い
コレステロールと聞くと、「体に悪いもの」と思われがちですが、実はそれだけではありません。
コレステロールは、体の細胞を作ったり、ホルモンや胆汁酸の材料になったりする大切な成分です。つまり、まったく無くなればよいものではなく、多すぎることやバランスが崩れることが問題になります。
よく聞く悪玉コレステロールは、正式にはLDLコレステロールと呼ばれます。LDLは、肝臓で作られたコレステロールを血液にのせて体中へ運ぶ役割があります。ただし、LDLが多くなりすぎると、余ったコレステロールが血管の壁に入り込みやすくなります。これが積み重なると血管が硬く、狭くなり、動脈硬化につながります。
一方、善玉コレステロールはHDLコレステロールです。HDLは、血管などに余ったコレステロールを回収して肝臓へ戻す役割があります。いわば、体の中の「片づけ係」のような存在です。
大切なのは、「悪玉=完全な悪者」「善玉=多ければ多いほどよい」と単純に考えないことです。LDLも体に必要な働きをしていますが、増えすぎると危険が高まります。HDLも大切ですが、数値だけを見て安心するのではなく、食事・運動・体重・血圧・血糖などを合わせて考える必要があります。
特に注意したいのは、LDLコレステロールが高い状態は自覚症状が出にくいことです。血管の中で変化が進んでも、痛みや違和感がないまま進むことがあります。そのため、健康診断で数値を見て初めて気づく人も少なくありません。
コレステロールの話が注目されるのは、単なる美容やダイエットの問題ではなく、将来の心筋梗塞や脳卒中に関わるからです。血管が詰まったり破れたりすると、命に関わる病気につながることがあります。だからこそ、「少し高いだけだから大丈夫」と放っておかず、早めに生活を見直すことが大切です。
なぜ食事でコレステロールは変わるのか
コレステロールは、食べ物から入ってくる分だけで決まるわけではありません。実は、体内のコレステロールの多くは肝臓などで作られています。
ここが少しややこしいところです。
「コレステロールが高いなら、コレステロールを含む食品だけを減らせばいい」と考えがちですが、実際にはそれだけでは足りません。体の中でコレステロールが作られる量、腸から吸収される量、便として出ていく量などが関係しています。
特に大きいのが、飽和脂肪酸です。これは肉の脂身、バター、生クリーム、ラード、加工肉、洋菓子などに多く含まれる脂です。飽和脂肪酸をとりすぎると、LDLコレステロールが上がりやすくなるとされています。
反対に、魚、大豆、野菜、海藻、きのこ、こんにゃく、雑穀などを増やす食べ方は、コレステロール対策に役立つと考えられています。これは単に「和食っぽいから体によい」という話ではありません。脂の種類、食物繊維、たんぱく質の選び方、主食の質などが関わっているからです。
たとえば、肉中心の食事を魚や大豆製品に少し置き換えると、飽和脂肪酸を減らしやすくなります。白米だけの主食に麦や雑穀を加えると、食物繊維を増やしやすくなります。野菜や海藻、きのこを増やすと、食事全体のかさが増え、食べすぎも防ぎやすくなります。
ここで大切なのは、「食べてはいけないもの探し」ではなく、食べ方全体の組み立てです。
卵を食べたら必ず悪い、肉を食べたら必ず悪い、という単純な話ではありません。量、頻度、調理法、ほかの食材との組み合わせが大きく関係します。たとえば、肉を食べる場合でも、脂身の多いバラ肉や加工肉ばかりではなく、赤身肉や鶏むね肉を選び、野菜や海藻を一緒にとるだけでも食事の質は変わります。
また、甘い飲み物やお菓子、アルコールのとりすぎも見逃せません。これらは直接コレステロールだけを見ると関係が薄く見えることもありますが、体重増加や中性脂肪、血糖の乱れにつながり、結果として血管への負担を大きくします。
だから、コレステロール対策の食事は「特別な健康食を一品足す」よりも、毎日の食事の中で、脂の質を変える・食物繊維を増やす・食べすぎを防ぐことが中心になります。
体内でのコレステロール生産と排出の仕組み
コレステロール対策を理解するうえで、特に大事なのが「体の中で作られる」と「体の外へ出ていく」という2つの流れです。
コレステロールは肝臓で作られます。そして、体に必要な場所へ運ばれます。さらに肝臓では、コレステロールを材料にして胆汁酸が作られます。胆汁酸は、脂を消化するために腸へ出される成分です。
この胆汁酸は、腸で役目を果たしたあと、多くが再び体に吸収されて肝臓へ戻ります。つまり、体の中でリサイクルされています。
ここで働くのが食物繊維です。特に水溶性食物繊維は、腸の中で胆汁酸やコレステロールに関わり、体の外へ出す流れを助けると考えられています。胆汁酸が便として出ていくと、体は新しく胆汁酸を作るためにコレステロールを使います。その結果、血液中のコレステロールを減らす方向に働きやすくなります。
この仕組みを知ると、なぜ海藻、きのこ、こんにゃく、野菜、麦、雑穀、大豆製品がよくすすめられるのかが見えてきます。これらは、ただ低カロリーだからよいのではありません。腸からの排出という大事な道を支える食材だからです。
食物繊維が多い食材の例は、次のようなものです。
・麦ごはん、雑穀ごはん、玄米
・納豆、豆腐、おから、大豆製品
・わかめ、ひじき、昆布などの海藻
・しいたけ、しめじ、えのきなどのきのこ
・こんにゃく、しらたき
・野菜、特に緑黄色野菜や根菜類
ただし、ここでも「これだけ食べればよい」という考え方は危険です。たとえば、海藻を増やしても、同時に脂身の多い肉や菓子類をたくさん食べていれば、全体としては改善しにくくなります。
また、急に食物繊維を増やしすぎると、お腹が張ったり、便通が変わったりする人もいます。最初は、白米に麦を少し混ぜる、みそ汁にきのこを足す、肉料理に野菜を多めに添えるなど、無理のない形で始めるのが続けやすいです。
コレステロールの排出は、特別なサプリだけで起こすものではありません。毎日の食卓で、腸が働きやすい材料を少しずつ増やすことが、現実的で続けやすい対策になります。
世界が注目する最新の食事法とは
今回のテーマで中心になるのは、The Japan Dietという食事の考え方です。これは、昔ながらの日本食のよい部分を、現代の健康課題に合わせて整理した食事パターンです。
ただし、「和食なら何でもよい」という意味ではありません。
ラーメン、丼もの、揚げ物中心の定食、塩分の多い漬物や汁物ばかりでは、健康的な日本食とは言いにくいです。The Japan Dietで大切なのは、減塩を意識しながら、主食・主菜・副菜をそろえ、魚、大豆、野菜、海藻、きのこ、こんにゃく、未精製穀類を増やすことです。反対に、肉の脂身、動物脂、甘い飲み物、お菓子、アルコールなどは控えめにします。
ポイントをまとめると、次のようになります。
・肉の脂身やバターなどの飽和脂肪酸を減らす
・魚や大豆製品を増やす
・野菜、海藻、きのこ、こんにゃくを毎日の食事に入れる
・白米だけでなく、麦、雑穀、玄米なども取り入れる
・甘い飲み物や菓子、アルコールを控える
・塩分をとりすぎない
この食事法が注目される理由は、「日本人になじみやすい」ことです。海外の健康食のように、特別な食材をたくさん買いそろえる必要がありません。みそ汁、焼き魚、納豆、豆腐、海藻サラダ、きのこ炒め、麦ごはんなど、身近な料理に落とし込みやすいのが強みです。
さらに、脂質異常症の人を対象にした研究では、日本食パターンに沿った栄養教育によってLDLコレステロールの改善が検討されています。研究では6か月の変化などが調べられており、単なる流行ではなく、食事全体のパターンとして考えられている点が重要です。
ここで注意したいのは、「日本食=ヘルシー」と思い込みすぎないことです。
日本食には、魚、大豆、野菜、海藻などのよい面があります。一方で、しょうゆ、みそ、漬物、干物、麺類の汁などによって、塩分が多くなりやすい弱点もあります。血圧が高い人にとっては、塩分のとりすぎも血管に負担をかけます。
つまり、目指すのは「昔ながらの食事をそのまま戻す」ことではなく、減塩した現代型の日本食パターンです。
『あしたが変わるトリセツショー「コレステロール」食事編』で注目されたように、コレステロール対策は「我慢の食事」ではなく、食材の選び方と組み合わせを変えることで、続けられる形にできるのが大きなポイントです。
コレステロール値が下がった実例と理由
コレステロール値が下がる人がいると聞くと、「何を食べたのか」が気になります。しかし、本当に大事なのは、特定の一品ではなく、食事全体がどう変わったかです。
たとえば、次のような変化が重なると、LDLコレステロールが下がる方向に働きやすくなります。
・脂身の多い肉を減らし、魚や大豆製品を増やした
・白米中心から、麦や雑穀を少し取り入れた
・野菜、海藻、きのこ、こんにゃくを毎日食べるようにした
・甘い飲み物やお菓子を減らした
・揚げ物や加工肉の回数を減らした
・食べすぎを防ぎ、体重が少し整った
ここで重要なのは、足し算と引き算の両方です。
体によい食材を足すだけでは、効果が出にくい場合があります。納豆や野菜を食べていても、肉の脂身、菓子、甘い飲み物、揚げ物が多いままだと、食事全体のバランスは変わりません。
反対に、減らすことばかり考えると、食事が楽しくなくなり、長続きしません。だからこそ、魚、大豆、きのこ、海藻、雑穀などを使って「満足感のある置き換え」をすることが大切です。
たとえば、ハンバーグなら肉の一部を大豆ミートや豆腐に置き換える。カレーなら肉を少なめにして、きのこや豆を足す。みそ汁にはわかめ、きのこ、豆腐を入れる。白米には麦を混ぜる。このように、いつもの料理の中で少し変えるだけでも、食事全体の方向が変わります。
番組関連のレシピでも、大豆ミートを使ったハンバーグのように、肉を完全にやめるのではなく、食べやすい形で大豆を取り入れる工夫が紹介されています。こうした料理は、コレステロール対策を「病院食のような味気ないもの」にしないために役立ちます。
なぜこのような変化で数値が動くのかというと、主に次の理由があります。
まず、肉の脂身や動物性脂肪を減らすことで、LDLコレステロールを上げやすい飽和脂肪酸を減らせます。
次に、魚や大豆を増やすことで、たんぱく質をとりながら脂の質を変えられます。
さらに、食物繊維を増やすことで、腸からコレステロールや胆汁酸を外へ出す流れを支えやすくなります。
そして、甘い飲み物や菓子を減らすことで、体重や中性脂肪の改善にもつながりやすくなります。
つまり、コレステロール値が下がる実例の背景には、単に「ある食材を食べたから」ではなく、血管に負担をかけにくい食事の流れに変わったという理由があります。
続けられる食事改善のコツとプロの工夫
コレステロール対策で一番むずかしいのは、知識を得ることではなく、続けることです。
健康診断の直後はやる気が出ても、1週間、1か月、半年と続けるのは簡単ではありません。だからこそ、最初から完璧を目指さないことが大切です。
まずおすすめなのは、毎食を大きく変えるのではなく、1日1つだけ変えることです。
たとえば、朝食に納豆を足す。昼食の丼ものにサラダを足す。夕食のみそ汁にきのこを入れる。白米に麦を混ぜる。揚げ物の日を週に1回減らす。こうした小さな変化でも、積み重なると食事全体が変わります。
続けやすい工夫としては、次のような考え方が役立ちます。
・肉を禁止せず、脂身の少ない部位を選ぶ
・魚を毎日でなく、週に数回から増やす
・納豆、豆腐、豆乳、おからなど、使いやすい大豆製品を常備する
・きのこや海藻は、汁物や副菜に入れて自然に増やす
・白米を急に玄米へ変えず、麦や雑穀を少量混ぜる
・味を薄くするだけでなく、だし、酢、香味野菜、スパイスを使う
特に大事なのは、満足感を残すことです。
食事が楽しくなくなると、長く続きません。コレステロール対策は、油を完全に抜くことではありません。脂の量と種類を見直し、食物繊維や大豆、魚を増やし、全体を整えることです。
たとえば、炒め物なら油を減らしつつ、きのこや野菜を増やす。肉料理なら大豆製品を混ぜる。味付けは塩だけに頼らず、しょうが、にんにく、酢、こしょう、カレー粉などを使う。こうすると、薄味でも物足りなさを感じにくくなります。
また、買い物の時点で決まることも多いです。冷蔵庫に脂身の多い肉や菓子ばかりがあれば、どうしてもそれを食べます。反対に、豆腐、納豆、きのこ、海藻、冷凍野菜、魚の缶詰などがあれば、自然と選びやすくなります。
忙しい人は、次のような形でも十分始められます。
朝は納豆ごはんにして、みそ汁にわかめを足す。
昼は麺だけで済ませず、野菜や豆腐の小鉢を足す。
夜は肉料理の日でも、きのこや野菜を多めにする。
間食は毎日ではなく、量と回数を決める。
甘い飲み物をお茶や水に変える。
これだけでも、食事の方向は変わります。
コレステロール対策は、短期間で一気に数値を変えるための苦しい作戦ではありません。血管を長く守るために、毎日の食事を少しずつ整える考え方です。
そして、すでにLDLコレステロールがかなり高い人、家族に心筋梗塞や脳卒中が多い人、糖尿病や高血圧がある人は、食事だけで判断せず、医師や管理栄養士に相談することも大切です。食事改善は強い味方になりますが、必要な場合は薬による治療も血管を守る大事な選択肢になります。
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