池田エライザが語る“表現者の素顔”とは?プレミアムトーク&浮世絵の花の世界も紹介
2025年5月16日放送の『あさイチ』(NHK総合)では、プレミアムトークに俳優・歌手・映画監督として活躍中の池田エライザさんが登場しました。福岡出身で、今田美桜さんとは同世代かつ同郷、共通の美容師を通じてつながりを感じていると語った池田さん。その活動の幅広さと、表現に対する誠実な姿勢が印象的な内容でした。
表現者としての原点と成長
池田エライザさんが芸能界入りしたのは13歳のときです。人気ファッション雑誌のオーディションでグランプリを受賞し、モデルとして活動をスタートさせました。その後は演技の世界にも挑戦し、映画やドラマで存在感を発揮。役柄に応じて自然に溶け込む演技が注目されるようになりました。
・近年ではNHKドラマ『海に眠るダイヤモンド』に出演。表情を抑えながらも内側に秘めた思いを丁寧に表現する演技で、多くの視聴者の心をつかみました。静かな場面でも存在感を失わない演技は、池田さんの経験と感性の深さを物語っています。
・音楽の分野でも活動の幅を広げています。NHKの音楽番組『The Covers』ではMCを務めながら、自ら歌声を披露。番組内でリリー・フランキーさんのすすめにより「異邦人」を歌唱したことが大きな話題となりました。池田さんにとって歌は子どもの頃から大好きな表現手段であり、その姿勢が多くの人に感動を与えました。
・さらに、作詞家の松本隆さんの前で「SWEET MEMORIES」を歌うという貴重な経験もしています。このパフォーマンスでは、演奏スタイルや構成まですべて自身で考え、エレキギターを手にした演出も含めて披露されました。自らの感性で舞台を作り上げる姿勢が印象的でした。
・池田さんの表現に対する信念は、周囲の表現者たちからも高く評価されています。リリー・フランキーさんは「彼女は本当に好きなことしか続けない人」と評し、「自分がかっこいい、美しいと思うものを信じて行動している」と述べています。そうした内面の芯の強さが、表現に深みを与えているのです。
池田さんの活動には、モデルや俳優、歌手、監督などジャンルの枠を超えて自分の表現を探求し続ける姿があります。その根底にあるのは、幼いころから育まれた“好き”という気持ちを大切にし、それを形にすることへの情熱。まさに、“好きなものに真っ直ぐな表現者”としての成長が、現在の池田さんの魅力につながっているのです。
映画「リライト」での挑戦
池田エライザさんが主演を務める映画『リライト』は、彼女のこれまでの表現活動の集大成ともいえる作品です。今回池田さんが演じるのは、物語を紡ぐことに人生を捧げる小説家の女性。池田さん自身が「ずっと演じてみたかった役」と語っていたように、内に秘めた情熱を言葉に変える人物を丁寧に演じています。
・この作品では、小説を書くという行為そのものが、自分自身を見つめ直す時間として描かれています。登場人物は、創作に悩みながらも、書くことで自分の中にある想いや記憶、誰かへの気持ちに気づいていきます。池田さんは、そうした繊細な心の動きを、表情や呼吸、仕草ひとつひとつに意識を向けて表現しています。
・本作には、大林宣彦監督の名作『時をかける少女』へのオマージュも込められています。幻想的な時間の流れや、ノスタルジーを感じさせる映像美が特徴で、池田さんもまた、映像を通じて感情を伝える力にこだわりをもって演じたことがうかがえます。劇中には、静けさの中に強いメッセージが漂う場面が多く、“言葉”と“映像”の融合が際立つ内容です。
・撮影は、福岡県田川市で行われました。この地は、池田さんにとって特別な思い入れのある場所でもあり、市内には彼女の姿が写ったポスターも掲示され、地元の人々からも応援の声が多く寄せられています。かつてバカリズムさんや小峠英二さんらも育った地域で、表現者の才能が育まれる土壌があると池田さん自身も感じているそうです。
『リライト』は、単なるストーリーの展開を追う作品ではなく、“書く”という行為を通して、自分自身と対話し、人とつながる意味を見つけていく作品です。池田さんの穏やかながら芯のある演技が、観る人に静かに響き渡ります。表現者としての挑戦が、ひとつの形になったこの映画は、池田エライザという人物の現在地を知るうえで重要な一本です。
ドラマ「舟を編む」で言葉に向き合う
池田エライザさんが主演を務めたNHKドラマ『舟を編む〜私、辞書つくります〜』は、辞書編集部という地味でありながらも重要な現場を舞台に、言葉と向き合う人々の姿を描いた作品です。池田さんは、主人公・岸辺みどりを演じ、言葉の奥深さや辞書づくりの繊細な世界に挑戦しました。
・池田さんは幼少期から読書家として知られており、赤川次郎の作品だけで200冊以上読破。年間では200冊以上の本を読むほどの本好きだったと明かしています。父親と一緒に本屋へ行く時間は、彼女にとってのかけがえのない学びの場であり、物語を通じて想像力を広げていった大切な記憶のひとつです。
・ドラマでは、言葉の定義や由来を調べることが日常業務。その中で、池田さんが演じるみどりは、ただ言葉の意味を調べるだけでなく、その言葉が生まれた背景や、誰かの思いが込められている可能性に気づいていきます。これまで何気なく使っていた言葉が、実は誰かの経験や感情から生まれたと知ることで、日本語への理解がさらに深まっていく過程が丁寧に描かれています。
・作中で特に印象的なのが、「右」という言葉をどう辞書に書くかを考えるシーンです。この場面では、実際の辞書に掲載されている定義を参考にしながら演技に取り組んでおり、池田さん自身も言葉をどのように説明するかという難しさと向き合っていたといいます。短い一文に、いかに正確で誤解のない意味を込めるかという作業は、まさに辞書づくりの核心を象徴しています。
・このドラマを通じて、池田さんは「言葉は誰かに何かを伝えたいという思いから生まれたもの」であると学んだと語っています。単なる記号ではなく、人の感情や体験が詰まっていることに気づき、それを丁寧に扱う姿勢が、演技にもにじみ出ていました。
『舟を編む』は、静かでありながらも深いメッセージを持った作品であり、池田エライザさんの言葉に対するまなざしの変化が、視聴者にも伝わってくる温かい物語です。表現者として“言葉”とどう向き合うか、その姿勢が演技を通してリアルに感じられる一作となっています。
プライベートの素顔と朝活への関心
番組では、池田エライザさんの日常の一面や最近の関心ごとについても紹介されました。そのひとつが「朝活」。池田さんは最近、朝の時間をもっと有意義に使いたいという思いを持つようになり、番組を通して視聴者からおすすめの朝活を募集しました。
・寄せられたアイデアには、「朝7時から夕食の仕込みをする」「軽いストレッチで体を目覚めさせる」「公園で朝ごはんを食べて気分をリセットする」といった、暮らしの中に取り入れやすい工夫が多く含まれていました。中でも池田さんが反応したのは「公園で朝ごはん」という提案で、「絶対やります」と即答する場面もあり、素直な感性が感じられる一幕でした。
・さらに池田さんは、最近“ギャル活”にハマっているとも話しました。これは、かわいいと思ったものを「かわいい」、楽しいと思ったことを「楽しい」と、自分の感情に素直に反応することを大切にする活動。年齢や環境を言い訳にせず、自分が本当に好きなものを心から肯定するという考え方は、池田さんの表現者としての姿勢にも通じています。感受性を大切にしながら、無理なく自然体であることを目指す生き方が、彼女の内面からにじみ出ていました。
・また、7月に開催予定のライブに向けて、「腹筋を割る!」という新たな目標を立てたことも明かされました。1ヶ月前からジムに通い始めたそうですが、これまでに5回程度しか行けていないとのこと。それでも、目標はしっかりと見据えていて、ライブでは“おへそを出す衣装”にチャレンジしたいという楽しげな展望も語られました。目標を立て、それに向かって努力する姿勢は、役づくりや音楽活動と同じく、池田さんのまっすぐな性格を象徴しています。
このように、今回の放送では池田エライザさんの飾らないプライベートの表情と、表現者としての芯の強さが同時に伝わってきました。どんなときも自分の気持ちを大切にし、やりたいことに向かって真剣に取り組む姿は、視聴者にとっても大きな励みとなるはずです。朝の時間の使い方や、感性との向き合い方など、日々の暮らしにヒントをくれる放送回でした。
特選エンタ「イチオシ書籍」ジェーン・スーさんおすすめの本たち
今回の「あさイチ」特選エンタでは、ジェーン・スーさんがセレクトしたおすすめ書籍が紹介されました。どれも、自分を見つめ直すきっかけや、日々の暮らしに力をくれる本ばかりで、幅広い世代にとって読み応えのあるラインナップです。
・まず紹介されたのは、伊藤亜和さんのデビュー作『存在の耐えられない愛おしさ』。この作品は、クリエイターが文章や画像を投稿できるプラットフォーム「note」で話題となり、多くの人の共感を集めた一冊です。静かで控えめな文章ながら、内側から湧き出るような熱量が感じられる作品で、読む人の心にじんわりと響く内容になっています。書き手の誠実さと感情のゆらぎが、読者の内面と深くつながるような感覚を覚える一冊です。
・次に紹介されたのは、ジェーン・スーさん自身の著書『へこたれてなんかいられない』。コロナ禍を経て、嫌なことも多かった時期に「負けへんで」という気持ちで前を向こうという思いを込めて執筆された本です。ユーモアを忘れず、誠実に、そして軽やかに生き抜くためのヒントがつまっています。日々に疲れたとき、ふと読み返したくなるような心の支えになる本です。
・続いては、アメリカで30万部を突破したベストセラー、グレース・ボニーさんの『自分で「始めた」女たち』。この本は、さまざまな分野で自らの手で仕事を始めた112人の女性へのインタビューをまとめたもので、「好き」を仕事に変えていくためのリアルなアドバイスやインスピレーションに満ちた一冊です。読むことで自分の進みたい方向が見えたり、背中を押してもらえるような力強さがあります。
・また、スタイリスト大草直子さんの『見て触って向き合って 自分らしく着る 生きる』も紹介されました。更年期を迎えた世代に向けて、年齢を重ねた自分の体と心に寄り添うファッションの楽しみ方を提案する内容で、「年をとってもおしゃれは自由でいいんだ」と感じさせてくれます。ライフステージが変化しても自分らしさを保ちたい女性にぴったりの一冊です。
・最後に紹介されたのが、美容家神崎恵さんの『一生ものの基礎知識 美容の教科書』。これまでの美容家人生で得た知見をもとに、日常の中で実践できる120の美容のコツを丁寧に解説しています。スキンケアやメイクだけでなく、内面からにじみ出る美しさをどう育てるかという視点があり、年齢や肌質を問わず誰もが取り入れやすい内容です。
今回の特選エンタでは、表現、暮らし、美容、仕事のすべてを自分らしく楽しむための本たちが並びました。どれも「今の自分を大切にしながら前を向きたい」という方に寄り添ってくれる本です。読書の秋に限らず、日々の暮らしに小さな灯をともしてくれるような一冊との出会いがあるかもしれません。
みんな!グリーンだよ「絵師が描いた園芸の世界〜浮世絵を彩る花々〜」
2025年5月16日放送の『あさイチ』では、「みんな!グリーンだよ」のコーナーで、江戸時代の浮世絵に描かれた草花をテーマに、当時の人々の園芸文化が紹介されました。花に親しんでいた江戸っ子たちの暮らしぶりが浮世絵の中から見えてきます。
・150年以上前に日本を訪れたイギリスの植物学者ロバート・フォーチュンは、日記の中で「日本人は誰もが花を好む」と書き残しています。身分に関係なく花を愛した文化は、当時のヨーロッパとは大きく異なる点だったそうです。庶民の暮らしに花が根づいていたことがうかがえます。
・番組で紹介された歌川広重の「東海道五十三次 丸子」には、中国から伝わったとされる長春バラが描かれており、江戸時代にもバラが身近だったことがわかります。また、広重の別の作品「四季の花園」には、スカシユリやクレマチスなどの花々が色鮮やかに描かれ、四季の移ろいを楽しむ心が表現されています。
・さらに、葛飾北斎の「山満多山」や歌川豊国の「四季花くらべの内 秋」にも多彩な草花が登場します。これらの浮世絵は、単なる美術品ではなく、当時の人々がどんな植物を好んで育て、どのように暮らしに取り入れていたかを映し出す文化的資料でもあります。
・スタジオでは、実際に長春バラやスカシユリが用意され、再現された江戸の竹製じょうろも登場。広重の絵に描かれたじょうろの形状を参考に作られたもので、当時の生活道具の工夫や美意識の高さが感じられるアイテムでした。
・江戸時代の植木鉢も特徴的で、縁に模様が施されたものが多く、見た目にも華やかさがありました。番組では、現代でも楽しめるように、好きな植物を江戸時代風の鉢に植え替えて楽しむ方法も紹介されました。鉢底にネットを敷き、草花用の培養土を入れて植えるだけで、簡単に雰囲気が出せるとのこと。畳や竹製の台に乗せ、衝立を背景に立てると、より一層江戸の園芸気分を味わえるそうです。
このコーナーでは、浮世絵を通して見る江戸の園芸文化と、現代に活かせる花の楽しみ方が紹介され、日本人が昔から自然と共に暮らし、季節を感じてきたことを改めて実感できる内容となりました。絵の中の花が語りかけてくるようなひとときでした。
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