視野のゆがみや暗がりに注意!網膜剥離・加齢黄斑変性の治療法まとめ
2025年6月1日(日)19時からNHK Eテレで放送される『チョイス@病気になったとき』では、目の病気の中でも見逃せない「網膜剥離」「黄斑円孔」「加齢黄斑変性」について特集されます。いずれも視野に異常が出る病気で、放置すると失明のリスクがある重要なテーマです。今回は、番組放送前に押さえておきたいポイントをわかりやすくまとめました。
網膜剥離とは?黒いカーテンのような影が出たらすぐ受診
「網膜剥離(もうまくはくり)」は、目の奥にある“網膜”が内側からはがれてしまう病気です。網膜はカメラで言えばフィルムのような働きをする部分で、そこがはがれてしまうと視野に大きな異常が出ます。
特に気をつけたいのは以下のような症状です。
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黒い影やカーテンのようなものが見える
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光がチカチカする(光視症)
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急に視野の一部が見えなくなる
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飛蚊症(黒い点や糸くずのようなもの)が急に増える
近視の人や中高年、強い目の外傷を受けた人は特に注意が必要です。治療は「硝子体手術(しょうしたいしゅじゅつ)」という方法で、眼の中のゼリー状の液(硝子体)を取り除き、代わりにガスやシリコンオイルを入れて網膜を押さえつける手術が行われます。
術後はガスが自然に吸収されるまでの間、数日から1週間ほどうつ伏せで安静にする必要があることもあり、日常生活に制限が出る場合もあるのが特徴です。
黄斑円孔とは?ものの中心が見えにくくなったら要注意
「黄斑円孔(おうはんえんこう)」は、網膜の中心にある“黄斑(おうはん)”という場所に穴が開いてしまう病気です。黄斑は物を見るときに最も大切な部分で、そこに異常があると視力に大きな影響が出ます。
具体的な症状は次のとおりです。
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ものの中心がぼやける、見えにくい
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直線がゆがんで見える(変視症)
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中心が抜けて見える
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片目ずつ見たときに、左右で見え方が違う
この病気も硝子体手術で治療することが基本です。手術によって、開いた穴が閉じていくように促します。発見が早いほど治療効果が高く、視力が戻りやすくなります。見え方に違和感があるときは、すぐに眼科を受診することが勧められています。
加齢黄斑変性とは?高齢者の失明原因の上位にある病気
「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)」は、年齢を重ねることで網膜の黄斑部に異常な血管が生じ、視力に影響が出る病気です。今回の放送では、「新生血管型」と呼ばれるタイプに注目して解説が行われる予定です。
この新生血管型では、もろくて破れやすい血管(新生血管)ができてしまい、そこから出血や水分が漏れることで黄斑が腫れて、視野がゆがんだり暗くなったりします。
主な症状は以下のようなものです。
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ものがゆがんで見える
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視界の中心が暗くなる
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色が薄く見えたり、見えにくい場所ができる
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片目ずつ見たときに、片方だけ変に見える
治療法としては、「抗VEGF薬(こうブイイージーエフやく)」という薬を使った注射が主流です。これは、新生血管の成長を抑えて出血やむくみを防ぐもので、目の中(硝子体)に直接注射する治療が行われます。以前に比べて薬の種類が増え、患者さんの体質や症状に合わせて治療が選べるようになったため、継続もしやすくなっています。
定期的な注射が必要になることが多いので、通院のスケジュールや体への負担も重要なポイントです。
セルフチェックと早期発見が何より大切
これらの目の病気は放置すると視力が取り戻せなくなる可能性が高いため、日頃から自分で見え方を確認することがとても大切です。番組では、簡単にできるセルフケアの方法も紹介される予定です。
とくに重要とされるチェック方法は以下のとおりです。
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アムスラーチャートを使う:格子状の模様を片目ずつ見て、ゆがみや欠けがないか確認する
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片目ずつ見る習慣をつける:日常生活の中で片目ずつ本やスマホを見て、左右差を感じたらすぐ受診
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飛蚊症や光視症に注意する:急に増えた、明らかに違和感を覚えたときはすぐ専門医へ
このように早期発見ができれば、多くの目の病気は進行を食い止められるか、治療効果を得やすくなります。
出演者と医療解説陣も信頼の顔ぶれ
今回の放送では、八嶋智人さんと大和田美帆さんがキャスターとして番組を進行し、視聴者目線で分かりやすく丁寧に伝えてくれる構成になる予定です。
医療の専門家として出演するのは、東京女子医科大学病院眼科の飯田知弘教授です。また、解説として丸子一朗さん、長谷川泰司さんも登場し、それぞれの専門知識を活かして治療法や早期発見の重要性について深掘りしてくれる構成が期待されます。
おわりに|目の不調を感じたら、迷わず眼科へ
目の病気は、ある日突然症状が出ることもあり、「年齢のせいかも」「疲れ目かな」と見逃しやすいのが特徴です。でも、ちょっとした違和感でも早く気づいて専門医に相談すれば、大切な視力を守れる可能性は高くなります。
今回の『チョイス@病気になったとき』では、最新の治療法だけでなく、日常生活でできるチェック方法や、病気の早期発見のヒントも紹介される予定です。家族の目の健康も守るために、ぜひこの放送を見て知識を深めておくことをおすすめします。
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