「イマジン」の深層
2025年6月13日(金)よる10時30分からNHK総合で放送される『時をかけるテレビ』は、池上彰さんが時代を超えて語り継がれる名曲「イマジン」の背景をひもとく特別企画です。今回の放送では、2002年に放送された「世紀を刻んだ歌・イマジン」を再構成しつつ、現代の視点からこの曲の意味や影響を改めて掘り下げます。ゲストには、お笑い芸人であり小説家でもある又吉直樹さんが登場し、ジョン・レノンへの思いや、曲への個人的なエピソードも披露される予定です。
「イマジン」が生まれた背景と時代との関係
1971年に発表された「イマジン」は、ジョン・レノンのソロ作品として世界中に広まりました。この曲は戦争の時代を生きる人々に向けて、静かに平和を呼びかける歌として位置づけられています。国境も宗教も財産もない世界を想像してみてほしいという歌詞の一つひとつが、当時の社会に衝撃を与えました。
番組では、この曲が誕生した1970年代初頭の世界情勢にも触れられる可能性があります。当時はベトナム戦争が続き、反戦運動が世界各地で広がっていた時期でした。そんな中で、「イマジン」は声を荒らげることなく人々の心に平和のビジョンを描かせる歌として、多くの人の共感を集めたのです。
オノ・ヨーコの創作への深い関与とクレジット問題
この曲の誕生には、ジョンの妻であるオノ・ヨーコの影響が非常に大きかったことが後に明かされました。ヨーコの詩集『Grapefruit』には、「空を泳ぐ金魚を想像してみて」といったような自由で抽象的な発想が詰まっており、それが「イマジン」の歌詞世界に大きな影響を与えています。
しかし、当初はジョン・レノンのみの名義で発表され、ヨーコは共作者としてクレジットされていませんでした。これについてジョン本人が後年、「男性の共作者だったら迷わず名前を入れていた。自分にはその器がなかった」と語り、性別バイアスへの反省の念を表明しました。2017年になって、正式にオノ・ヨーコが共作者として認められることになりました。
歌い継がれる理由と普遍的なメッセージ
「イマジン」は、ただのヒット曲ではなく、平和を願う世界共通の祈りのような存在になっています。BMIの「20世紀で最も演奏された楽曲100選」や、RIAAの「世紀の歌365曲」にも選ばれ、ローリングストーン誌の名曲ランキングでも高く評価されています。
また、オリンピックや世界的な式典でも何度も演奏されてきました。宗教や国旗を超えて「平和とは何か?」を世界中の人に問いかけるこの曲は、今の時代においてもなお必要とされています。番組では、このような国境を越えた影響力の理由についても深く掘り下げられることが期待されます。
又吉直樹さんが語る「イマジン」への思い
今回のスタジオゲストである又吉直樹さんは、芸人でありながら文学作品も手がける感性豊かな人物です。又吉さんはジョン・レノンのファンとして知られ、番組内ではきっと、「イマジン」に救われた経験や、自身の創作活動に与えた影響などを語ってくれるでしょう。
彼の視点を通して見る「イマジン」は、より身近でリアルなメッセージとして視聴者に届くはずです。芸術や言葉の力を信じる人にとって、又吉さんの語りは大きな共感を呼ぶことでしょう。
今回の放送に期待されること
この『時をかけるテレビ』の特集は、音楽が持つ力と歴史を、現代に生きる私たちの視点で再確認する貴重な機会となります。池上彰さんが解説することで、初めて知るエピソードや新たな発見があるはずです。イマジンがなぜ今も世界中で歌い継がれているのか、その意味をしっかりと伝える1時間になることが期待されます。
放送後、より詳細な内容が判明し次第、この記事も更新いたします。再放送や見逃し配信の情報も随時追記予定です。
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