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NHK【所さん!事件ですよ】AIも鑑定士もダマされる!?スーパーコピー・偽スニーカーのリアルとは|2025年8月2日放送

AIでも見破れない!?偽スニーカーとディープフェイク詐欺

2025年8月2日放送の「所さん!事件ですよ」では、まるで本物そっくりな“スーパーコピー”スニーカーや、ディープフェイク詐欺、さらには動物になりきる人々まで、フェイクがテーマの様々な事例が紹介されました。どれも身近に起こりうる問題であり、驚きとともに注意を促す内容となっていました。

偽物スニーカー市場の実態

世界的にスニーカーへの注目が高まるなか、本物と見分けがつかないほど精巧な「スーパーコピー」が広がっています。ジョーダンやカニエ・ウエストのスニーカーが数億円で取引される一方で、その人気を悪用する形で偽物が国内外で大量に出回っています。

国内店舗で販売されるスーパーコピーの現実

番組では、国内のとある店をスタッフが直接訪れ、人気モデルの偽物スニーカーを調査しました。20万円で取引されるはずのスニーカーが、最初は4万5000円、その後3万5000円にまで値下げされました。店員は本物か偽物かについて明確な説明を避け、購入者の判断に任せるような態度でした。見た目には極めて本物に近く、スニーカーのタグには公式ホームページへ飛ぶ2次元コードまでついていました。

鑑定に使われたAIとプロの目

このスニーカーをAIにかけて鑑定したところ、即座に「偽物」と判定されました。さらに、プロのスニーカー鑑定士もチェックし、縫い目のズレや中底の構造から偽物であることが分かりました。表面の質感やロゴだけでなく、スニーカー内部の素材や構造まで本物と似せて作られているため、専門家でも一見では判断が難しいそうです。

クローン品という新たな偽物の形

番組では、「クローン品」と呼ばれる極めて精巧な偽物も取り上げられました。これは、本物と同じ素材や型を使って製造されるもので、スニーカー鑑定会社にも見抜けないことがあるほどの完成度です。持ち込まれる100足のうち1足はこのクローン品であると言われており、すでに日常的に市場に紛れ込んでいる状態です。

偽物を支える流出構造

さらに問題となっているのが、中国やベトナムにある本物のスニーカー工場から設計図や素材が外部に流出しているという現実です。設計図や材料がそのまま偽物製造の工場へ渡り、それを使って限りなく本物に近い偽物が製造されているのです。この背景には、正規品を作る工場と偽物を作る工場が地理的にも人的にも近い関係にあるという構造的な問題があります。


このように、スーパーコピーは見た目の問題だけでなく、構造・素材・製造経路すべてにおいて本物と交錯している非常に深刻な問題です。消費者が見抜くのは非常に難しく、専門機関でも100%の判別は困難な状況が続いています。

スーパーコピーの発信地“幽霊都市”

スニーカー偽物の出どころとして注目されたのが、中国南東部にある“プーティアン”という町です。番組では、2017年に撮影された映像を通じて、この町が世界有数の偽物スニーカーの供給地として機能している実態が紹介されました。

昼は静まり返り、夜に動き出す不思議な街

日中は町の中心にある商店街のシャッターが下ろされ、**一見すると廃れたように見える“幽霊都市”**ですが、日が暮れると状況は一変します。スニーカーを扱う小さな店が次々に開店し、まるで合法の商売のように商品が陳列されていきます。その中には、有名ブランドのロゴがついた紙袋や、配送時に使うための偽造伝票までが売られており、流通までを意識した偽造ビジネスの完成度がうかがえました。

日本にも大量に流入する偽造品

日本でもこの問題の影響は大きく、2024年の時点で税関によって差し止められた偽ブランド品は年間で約3万件にものぼっています。そのうちのおよそ8割が中国からの輸入品であり、プーティアンのような都市から出荷されている可能性が高いと見られています。

偽ブランドビジネスの“都市ぐるみ”構造

映像では、街の中に設けられた小規模な工房や卸売業者が、深夜に動き出すように連携している様子も映されていました。製造・販売・梱包の役割が町の中で細かく分業されており、都市全体がひとつの偽造ネットワークとして稼働しているような構造になっていることがわかります。偽造の技術だけでなく、物流、情報、販売のノウハウも一体化している点において、この町が世界中の“スーパーコピー”の中心地とされる理由が理解できます。


プーティアンのような町から流れ込む偽物は、外見では見分けがつかない高品質なものが多く、知らないうちに購入者が巻き込まれるリスクも非常に高いです。国境を越えた対策と、私たち一人ひとりの注意が求められています。

SNSで拡大するディープフェイク詐欺

スニーカーの偽物だけでなく、SNSを舞台にした新たな“フェイク”の脅威も広がっています。それが、顔や声をそっくり再現する「ディープフェイク」を使った詐欺です。番組では、経済アナリストの森永康平さんが自らの家族を巻き込んだ実際の事例をもとに、危険性を紹介しました。

偽広告から始まる巧妙な誘導

まず、きっかけはSNSに出ていた**「森永卓郎が推奨する投資法」のような偽広告。クリックするとLINEグループに誘導され、そこに“森永卓郎”を名乗る人物が登場。しかも、この偽人物は実在の免許証の画像や本人そっくりの音声**まで使って信頼させようとします。

森永康平さん自身だけでなく、彼の母親までもが“本当に本人だと思ってしまった”ほどのリアリティがあったと番組では紹介されました。

被害額はすでに数百億円規模に

このようなディープフェイクを悪用した投資詐欺は急速に広がっており、2024年だけでもSNSを起点とした被害額が871億円に達しています。これには、暗号通貨投資を装ったものや、不動産、株式などあらゆるジャンルの偽情報が含まれています。

新たな手口「フェイクビデオ通話」

最近ではさらに手口が進化し、ビデオ通話ですらディープフェイクが使われるようになってきました。画面の中で本人そっくりの顔が動き、音声まで本物と区別がつかないという状況。リアルタイムで“本人らしく”見せかける技術が、一般に出回っているソフトでも可能になっているという事実が、多くの視聴者に衝撃を与えました。


このように、SNSから始まるディープフェイク詐欺は、家族すら騙されるほど精巧で、身近な脅威になっています。知らない相手と個人情報を共有したり、お金を振り込む際には、必ず複数の確認手段をとるなど、慎重な対応が必要です。

対策技術「サイバーワクチン」の登場

ディープフェイクの精度が高まり、個人の写真や動画が簡単に悪用される時代において、番組ではそのリスクに備えるための新技術「サイバーワクチン」が紹介されました。この技術は、画像や映像に見えない電子透かし(デジタルウォーターマーク)を埋め込むことで、不正改変を検知し、元のデータに復元することができる仕組みです。

画像改ざんへの“予防接種”

サイバーワクチンは、まさにインターネット上の“予防接種”のような働きをします。投稿前の写真や動画にあらかじめ電子的な印(透かし)を入れておくことで、万が一ディープフェイクに使われても「改変されたこと」や「元の状態」が特定できるようになります。この透かしは見た目には一切わからず、データ内部に仕込まれるため、自然な写真として投稿できます。

復元を可能にする専用ソフト

サイバーワクチンを施された画像や映像は、専用ソフトを使えば改ざんされた箇所を検出し、元の状態へ近づけて復元することが可能です。例えば、顔が入れ替えられてしまった場合でも、元の顔が何だったのか、加工された形跡がどこかを判別することができます。

投稿前の備えがカギ

ディープフェイクの素材として悪用されないためには、写真や動画をSNSやネット上に投稿する前にサイバーワクチンを“打っておく”ことが重要です。見た目は何も変わらなくても、内部には「これは本物です」という証明書のような情報が埋め込まれます。


このように、サイバーワクチンはディープフェイクという新たな脅威に対する現実的で有効な対抗手段のひとつです。インターネット上の個人情報を守るには、「見えない守り」を日常に取り入れることがこれからの常識になりそうです。

人間をやめた!?動物になりきる人々

番組のラストを飾ったのは、「フェイクの姿で生きる」というまさかのテーマでした。紹介されたのは、まるで本物の犬にしか見えない“着ぐるみ”を身につけて生きる男性・トコさん。化学メーカーに勤める社会人でありながら、自らの変身願望を形にした人物です。

200万円をかけて制作されたリアル犬スーツ

トコさんは、本物の犬そっくりな“着ぐるみ”をオーダーメイドで制作。その費用は約200万円。毛の流れや体の動きまで忠実に再現されており、見た目にはまったく人間とは思えないクオリティでした。この姿は、国内外のメディアでも話題となり、「世界の注目日本人100人」にも選ばれたそうです。

「動物になれる!とことこ動物園」の体験サービス

そんなトコさんは2025年1月、「動物になれる!とことこ動物園」を立ち上げました。ここでは、希望者が着ぐるみを着て動物になりきる体験ができます。料金は1人3万円で、1回の変身体験は20分間。この日はカップルが訪れ、動物になって触れ合うというユニークな時間を楽しんでいました。

施設のオープンから半年が経ち、すでに10人以上が体験を済ませたとのことです。トコさんによると、この活動は「自分自身が本来なりたかった姿を表現するための手段」だといいます。

自己表現としての“フェイク”

スタジオにもトコさんが犬姿で登場し、そのリアルな外見に驚きの声が上がりました。ただのコスプレや仮装とは異なり、自分の“内面”を映し出すもう一つの姿として、フェイクを身にまとうという生き方。番組では、このような新しい価値観が今後どう広がっていくのかにも注目していました。


フェイクという言葉には“偽物”というマイナスの意味がつきまといますが、「なりたい自分になる」という前向きな表現の手段としてフェイクを選ぶ人もいるという、新たな視点が印象的な特集でした。


スニーカー、投資、動物の姿まで。私たちの周りには本物そっくりな“フェイク”があふれています。騙されないためには見抜く力と、正しい知識が必要です。気をつけたいですね。

ディープフェイク被害に遭わないための「家族の合言葉」ルール作りのすすめ

しげゆき
しげゆき

ここからは、私からの提案です。ディープフェイク詐欺の被害は、本人そっくりの顔や声を使った動画や音声で信じ込ませ、LINEやSNSで金銭をだまし取る形が主流になっています。このような詐欺への基本的な備えとして、「家族の合言葉ルール」を事前に決めておくという対策が注目されています。これは番組で紹介されるかは不明ですが、他メディアや専門家が推奨する対策として知られている方法です。

合言葉を活用した家庭内対策の一例

急な連絡で「今すぐ振り込んで」などと言われた場合、本当に本人かを確認する術がなければ、不安や焦りから行動してしまうこともあります。そこであらかじめ家族内だけで共有しておく秘密の合言葉を使うことで、本人確認をシンプルかつ確実に行うことができます。以下のような形で家庭に取り入れることができます。

対策項目 内容
合言葉の設定 家族しか知らない合言葉を1つ決める(例:「赤いホットケーキ」など)
利用タイミング LINEや電話で突然お金の話が出たとき、必ず合言葉を確認する
忘れ防止 月1回など、定期的に確認し合って記憶を維持
公開の禁止 合言葉はSNSやチャットに書かず、口頭か紙に書いて保管(できれば暗号化)

このような合言葉ルールは、テクノロジーに頼らず誰でも導入できるシンプルなセーフティネットとして有効です。

その他の組み合わせ対策も意識したい

合言葉だけでなく、連絡がきたら一度電話を切り、別の手段(公式アカウントや直接電話)で本人確認を行うことも大切です。また、家族で「緊急時でも即断しない」「一人で判断しない」「必ず誰かに相談する」といったルールを作っておくと、より安心感が高まります。

合言葉ルールは、家庭の中でできる最小限の防衛策でありながら最大限の効果がある方法として、様々な防犯ガイドでも取り上げられています。番組でこの内容が取り上げられるかは放送を見て確認する必要がありますが、家庭で今から実践できる備えとして知っておいて損はありません。

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