“平均年齢80歳のピザ職人”が活躍!BaBaピザの秘密とは
2025年7月30日(水)17時から放送予定の「午後LIVEニュースーン」(NHK総合)では、人気コーナー「トクシューン」にて“飛び出すシニア”シリーズの最終回が放送されます。舞台は千葉県九十九里。登場するのは平均年齢80歳の“ババたち”6人が切り盛りする、地元で話題のピザ店「BaBaピザ」。老後の資金を出し合って始めた挑戦が、地域の元気とつながりを生み出しています。
ピザ作りはチームで!分担スタイルにこだわる店
1人ではなく、6人でつくる意味
「BaBaピザ」の一番の特徴は、6人のメンバーが工程ごとに分担して作業するリレー式のピザ作りです。作業は手際よく、流れるように進みます。まずは生地を担当する人が、毎朝手ごねした生地を丁寧に丸くのばし、そのあと別の人がトマトソースやホワイトソースを塗っていきます。そして、次に控えるのがトッピング担当。地元の野菜や魚介をひとつひとつ均等に並べていき、最後は焼き担当が高温の窯にピザを投入します。
この流れはまるで駅伝のように、バトンを渡すような連携で行われています。それぞれが自分の役割を理解していて、互いに支え合う姿勢が自然にできあがっています。急ぐこともなく、かといって無駄な動きもない。年齢を重ねたからこその“息の合った共同作業”が、キッチン全体を心地よく包んでいます。
チームで動くからこそ、空気も明るくなる
工程ごとの分担があることで、ひとりに負担がかかりすぎることはありません。そのため、作業中もおばあちゃんたちの顔には常に笑顔があり、ピザ作りそのものを楽しんでいる雰囲気が感じられます。厨房にはいつも穏やかな空気が流れ、お客さんにもその空気が伝わっていきます。接客を担当する人と、調理担当の人が声をかけ合いながら働く様子も、店内に一体感をもたらしています。
このスタイルは、単に効率的なだけでなく、「ひとりじゃなくて、みんなでやる」ことの意味を強く感じさせます。それぞれの持ち味を生かした役割分担が、店の明るさと安心感につながっているのです。客として訪れた人が思わず笑顔になるのも、厨房からあふれるその雰囲気が理由かもしれません。
畑と海から届く地元の恵みを使ったメニュー
自家栽培の無農薬野菜が主役
「BaBaピザ」のメニューの土台になっているのが、お店のすぐ前にある畑で育てた無農薬野菜です。メンバー自ら土を耕し、季節に応じてトマト、ピーマン、ズッキーニ、バジルなどを手間ひまかけて育てています。どの野菜も収穫のタイミングが見極められていて、新鮮な状態でそのままピザに使われます。農薬を使わずに育てた分、野菜本来の甘みや香りが引き立ち、どのメニューにもやさしい味わいが広がります。
海の幸と野菜の絶妙な組み合わせ
野菜だけでなく、九十九里浜で獲れた新鮮な魚介類もピザの重要な食材です。中でも評判なのが「はまぐりピザ」。自家製のホワイトソースと、ぷりっとしたはまぐりを組み合わせた一品で、海の香りとクリーミーな口あたりが見事に調和しています。その日の水揚げに合わせて、いわしやしらすなど他の魚介を使った季節限定ピザも登場することがあり、地元ならではの“今だけの味”を楽しめる点も魅力です。
素材に向き合う姿勢が人気の理由
おばあちゃんたちは「素材に無理をさせない」ことを大切にしていて、収穫した野菜も魚介も、そのままの形や味を生かすように使っています。手を加えすぎないからこそ、素材本来の持ち味が引き立ち、ピザを通して季節や土地の豊かさが伝わってきます。こうした姿勢が口コミで広がり、リピーターも多く訪れるようになっています。自然の恵みをまっすぐに届けるその味が、地域に愛される理由のひとつです。
ピザづくりを始めたきっかけと想い
地域活動から広がった「挑戦したい」という気持ち
「BaBaピザ」のはじまりは、地域の婦人会「笑の会」の仲間たちが抱いた「年齢に関係なく、もう一度何かを始めたい」という前向きな気持ちでした。当初は、道の駅などで炭火焼きのおにぎりを販売したり、地域の催しに参加したりと、屋外での活動が中心でした。ですが、天気や体力の問題もあり、「もっと長く、自分たちのペースで続けられることをしたい」と考えるようになったそうです。
屋根の下で続けられる場所を目指して
そうしたなかで浮かんだのが、「屋根のある場所で、みんなでできる仕事」というアイデアです。6人それぞれが少しずつ資金を出し合い、2019年に「BaBaピザ」を開店することになりました。飲食経験があったわけではありませんが、畑仕事や家事で鍛えた手際のよさと、地元のつながりを活かしてスタートしたこのお店は、地道な努力と工夫で徐々に評判を集めていきます。
口コミからテレビ取材まで広がった輪
開業から6年、口コミで少しずつお客さんが増え、やがて雑誌やテレビの取材も入るようになりました。目立つ宣伝をしていないにもかかわらず、話題になったのは、味だけでなくおばあちゃんたちの“生き方”にも共感が集まったからです。「誰かの役に立ちたい」「もう一度、社会とつながりたい」という想いが、ひとつのピザを通して地域にしっかりと根を張り、今日まで続く人気につながっています。
社会的にも注目の存在に
地元の人気から全国へ広がる影響力
「BaBaピザ」で活動するおばあちゃんたちは、地域に元気と笑顔を届ける存在として親しまれていますが、その取り組みは今や全国からも注目されています。単なる話題のお店ではなく、高齢者が前向きに社会とつながる姿そのものが、多くの人に勇気を与えているのです。メディアで紹介されるたびに、「こんなふうに年を重ねたい」「今からでも遅くない」という反響が広がっています。
内閣府からの受賞が象徴する意義
こうした取り組みが認められ、2025年には内閣府から「社会参加賞」を受賞しました。この賞は、年齢や立場にとらわれず、社会で生き生きと活動を続ける個人や団体に贈られるものです。「BaBaピザ」の6人はその象徴として評価され、高齢者の社会参加を考える上でのロールモデルとして、多方面から注目を浴びました。
自分らしく、無理なく、でもあきらめずに
注目すべきは、おばあちゃんたちが特別な才能や設備に頼るのではなく、自分たちにできる範囲で、楽しみながら続けていることです。仲間と協力し、地域の資源を生かし、無理のない形で長く続ける姿は、「年齢に縛られない働き方」「自分の居場所をつくる方法」として、多くの高齢者やその家族にとって希望の一例になっています。
今後も、彼女たちのような小さな挑戦が各地で広がることで、社会全体が少しずつ明るく、温かくなっていくはずです。
放送後には店舗情報やメニュー詳細も紹介予定
放送では、実際のピザ作りの様子や、6人の生活の中でのやりがい、元気の秘けつについても紹介される予定です。番組放送後には、店の場所や営業時間、登場したピザの種類やエピソードなども追記予定です。視聴後に再度チェックしてみてください。
ソース一覧:
・午後LIVEニュースーン 番組概要|NHK
・BaBaピザ紹介|ちいきのことが見つかるサイト「チイコミ!」
・YUTA.JOURNAL|ババピザ密着レポート
・ソレダメ!2025年4月放送回・BaBaピザ特集
・オモウマい店 BaBaピザ取材レポート(2022年6月)
放送後の内容は追って加筆予定です。お楽しみに!
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