ゴミ拾いが青春になる瞬間 スポGOMI甲子園が教えてくれたこと
このページでは『午後LIVE ニュースーン(2025年12月11日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
ゴミ拾いと聞くと地味な活動を思い浮かべがちですが、『スポGOMI甲子園』はそれを真逆の存在に変えました。チームで作戦を立て、街を走り、60分間本気で挑む姿は、まさに高校生の青春そのものです。番組では、大阪代表の『大阪府立岬高等学校』と北海道代表の『札幌日本大学中学校・高等学校』に密着し、競技の裏側と若者たちの思いが描かれていました。
スポGOMI甲子園はどんな大会なのか
『スポGOMI甲子園』は、ゴミ拾いをスポーツとして競う全国大会です。今年で7回目を迎え、42都道府県の予選を勝ち抜いた代表校が全国から集まりました。
1チームは3人1組。制限時間は60分で、指定されたエリア内のゴミを拾い集めます。勝敗を決めるのは拾ったゴミの量だけではありません。種類ごとにポイントが決められており、分別まで含めて競技として成立しています。
時間内に分別が終わらないと減点されるため、ただ拾うだけでなく、段取りや判断力、チームワークが結果を左右します。ゴミ拾いでありながら、頭も体もフル回転させる競技です。
大阪代表・岬高校 ピリカ部が積み上げてきた日常
大阪代表として出場した『大阪府立岬高等学校』は、2年連続3回目の全国大会出場です。出場メンバーは高校3年生のトリオで、普段から『ピリカ部』として活動しています。
ピリカとはアイヌ語で「美しい」という意味です。その名の通り、彼らは毎週土曜日に海岸清掃を続けてきました。さらに特徴的なのが、SUPに乗って海の上からゴミを拾う活動です。陸だけでなく海も含めて守るという意識が、日常の中に根づいています。
大会での岬高校の作戦は、とにかく分別を素早く終わらせることでした。分別が間に合わなければ減点されるため、拾ったその場で仕分けを進めるスタイルを選択しました。積み重ねてきた経験が、そのまま作戦に表れていました。
北海道代表・札幌日大高校 タバコの吸い殻に狙いを定める
北海道代表の『札幌日本大学中学校・高等学校』は、環境問題やSDGsに普段から取り組んでいる学校です。出場したのは1年生の『小砂咲葉』さん、『諏訪愛』さん、『北川史桜』さんの3人でした。
小砂さんは将来、環境問題に関わる仕事に就きたいと考えており、愛犬との散歩中にも自然とゴミ拾いをしています。大会の5日前には3人で集まり、当日の動き方を何度も確認していました。
札幌日大高校が狙ったのは『タバコの吸い殻』です。スポGOMI甲子園では、タバコの吸い殻は自然に分解されにくく環境への影響が大きいため、高ポイントが設定されています。100gあたりで燃えるゴミの5倍、50ポイントが加算されるため、効率よく得点できると考えました。
強豪校が見せる経験値 戦略の幅が勝負を分ける
大会には強豪校も存在します。埼玉代表の『埼玉県立川口工業高等学校』は、これまでに3回優勝している実績校です。校内に掃除部があり、日常的に清掃活動をしているメンバーが出場しています。
今年は初の連覇を目指し、ゴミが集まりやすい場所を読む力を武器にしていました。
岬高校は分別重視、札幌日大高校は高ポイント狙い、川口工業高校は場所読みと経験。どの学校も同じルールの中で、まったく違う戦い方を選んでいる点が印象的でした。
東京・墨田区が舞台 本戦60分のリアル
全国大会の舞台は東京・墨田区です。西は『東京スカイツリー』周辺、南は都内有数の歓楽街を含む、半径1.5kmのエリアが競技範囲でした。
スタートの合図とともに、約130人の高校生が一斉に街へ飛び出します。札幌日大高校は小さなタバコの吸い殻を次々と見つけ、川口工業高校はスカイツリーのふもとへ小走りで向かいました。人目につきにくい橋の下には、不法投棄された大量のゴミがあり、経験が的中します。
一方、岬高校は大通りでは思うように成果が出ず、線路沿いの茂みへ移動し、拾いながらその場で分別を進めていきました。それぞれの判断が、そのまま結果に直結する60分でした。
勝敗と数字が語る現実 348kgの重み
激闘の末、優勝したのは『埼玉県立川口工業高等学校』でした。約32kgのゴミを拾い、3552.5ポイントを獲得しました。
岬高校は4位、札幌日大高校はタバコの量を思うように集められず40位という結果でした。しかし、この日すべてのチームが集めたゴミの総重量は348kgに達しました。これは、1人が1年間に出すゴミの量よりも多い数字です。
競技後、高校生からは「捨てるのはダメだけど、街になんでゴミ箱がないんだろう」という声も出ていました。拾う側になったからこそ見えてくる、街の仕組みと課題です。
『スポGOMI甲子園』は、勝ち負けだけで終わらず、社会を考えるきっかけを高校生自身に残した大会でした。
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