高齢者とペット 共に暮らし続けるための新たなサポートとは
日本では高齢化が進み、65歳以上の人口は全体の約3割を占めています。そんな中、犬や猫などのペットと一緒に暮らす高齢者も増えています。ペットは、孤独を和らげ、生活に癒しや楽しみをもたらしてくれます。しかし、年齢を重ねるにつれて、ペットの世話が難しくなったり、自分自身の体調不良や入院、介護の不安が出てきます。その結果、「最後まで面倒を見られないかもしれない」と感じ、ペットをあきらめる人も少なくありません。2025年6月30日の「午後LIVEニュースーン」では、高齢者とペットが安心して暮らし続けるための取り組みが紹介されます。
高齢化社会とペットの課題
高齢者とペットの関係は、単なる癒しだけではありません。犬の散歩を通じて体力を保ったり、ペットとのふれあいで認知症の予防やストレスの軽減が期待されています。実際、犬を飼っている高齢者は認知症発症リスクが約40%減るという研究結果もあります。
その一方で、ペット自身も高齢化が進んでいます。犬の約56%、猫の約46%が7歳以上の高齢期に入っており、ペットの介護や医療の負担も増えています。高齢の飼い主がペットの世話を続けるためには、周囲の支援や社会全体の理解が必要です。
高齢者とペットが安心して暮らせる支援
番組では、さまざまな支援の仕組みが紹介される予定です。その一つが、ペット後見制度です。たとえば「ペット後見互助会とものわ」では、会費を積み立てることで、万が一飼い主が病気や入院、亡くなった場合でもペットが新しい飼い主のもとで暮らせるようサポートしています。
また、NPO法人C.O.Nのように、一人暮らしの高齢者宅を訪問し、散歩や餌やり、買い物の支援を行う団体もあります。これにより、高齢者とペット双方の安心につながっています。
さらに、「ラブポチ信託®」のようなペット信託制度を活用すれば、遺言や信託契約でペットの将来をしっかり守ることができます。
施設での取り組みや行政のサポート
神奈川県横須賀市にある「さくらの里山科」では、ペットと一緒に暮らせる特別養護老人ホームのユニットが設置されています。ペットがいることで、入居者同士の交流が生まれ、生活の質も向上しています。
また、那須や東京近郊には老犬ホームやペット専用の高齢者施設が整備されており、飼い主が入院中も安心してペットを預けられる環境が広がっています。
環境省や各自治体も、高齢者とペットが安心して暮らせる社会を目指し、相談窓口の設置や情報提供、地域ネットワークづくりを進めています。福岡市の「犬猫よろず相談窓口」や、立川市の地域福祉コーディネーターとの連携などがその一例です。
技術と市場の進化も後押し
高齢者とペットの共生を支えるための市場も成長しています。ペット用のオムツや歩行補助具、スリング、介護ベッドなどが開発され、家でのケアが楽になります。さらに、AI技術を活用した「CatsMe!」アプリでは、猫の表情を解析して痛みを早期に発見できるため、ペットの健康管理もサポートされています。
ペットと最期まで共に暮らせる社会へ
高齢者とペットが安心して暮らし続けるためには、周囲の理解と支援が欠かせません。互助会や信託制度、訪問支援、ペットと暮らせる施設の整備、行政のサポートなど、多方面からの取り組みが少しずつ広がっています。
ペットは大切な家族の一員です。「最後まで一緒にいたい」という願いを叶えるために、今後も社会全体で支える仕組みが求められています。番組では、そんな最新の取り組みや課題、そして具体的な支援の事例が紹介される予定です。
【参考リンク】
https://human-animal.jp/actions/pet-kouken
https://cat-operation.net/project
https://j-pettrust.com/trust
https://helpmanjapan.com/article/5839
https://env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/project/practice.html
https://nikkairen.com/news-article/news-article-1008
ペットと暮らす高齢者向け健康アドバイスコーナー

ここからは、私からの提案です。ペットと安心して暮らすためには、無理せず楽しめる工夫が大事です。特に年齢を重ねると、体力や健康面が気になる人も増えますが、ちょっとした工夫で毎日の暮らしを楽しく続けられます。
まず、犬の散歩は健康維持にとても良いですが、体への負担を考えて短時間の散歩を何回かに分けるのがおすすめです。
・15分から20分程度を目安に、1日2回くらいが無理なく続けやすいです
・リードは滑りにくくて太めのものを選ぶと、手を痛めにくいです
・転倒が心配な場合は、杖や歩行補助具を使いながら散歩すると安全です
外だけでなく、室内でもペットとふれあう時間を作ることで、心も体も元気になります。たとえば、猫の場合はおもちゃや匂いのするグッズを使って、軽い遊びを取り入れると良いです。
・パズルトイやトンネルを置いて、運動と頭の刺激を同時にできます
・おやつを中に入れられるボールで遊ぶと、楽しみながら食事ができます
犬の場合は、しつけを兼ねたふれあいがおすすめです。
・「お手」「待て」などの簡単なトレーニングを毎日少しずつ行うと、頭の運動になります
・おもちゃを使った引っ張りっこも、飼い主とペットの絆が深まります
ペットの高齢化が進んでいるため、介護グッズの利用も役立ちます。
・ベッドやソファに上がるためのスロープや階段を設置すると、足腰への負担が減ります
・フローリングには滑り止めマットやカーペットを敷いて、滑って転ぶのを防げます
・寝たきりのペットには厚みのある低反発ベッドがおすすめです。寝返りがしやすく、床ずれの予防にもなります
また、健康を保つためには定期的なケアも必要です。
・動物病院で半年に1回は健康チェックを受けると、病気の早期発見につながります
・歯磨きや歯石除去も大切です。口のトラブルは体全体の健康に関わります
・食事は高齢ペット用のフードを選び、消化が良く、体重管理しやすいものにすると安心です
年齢とともに視力や聴力が落ちることもあるので、家の中をペットが安心して移動できるように環境を整えましょう。
・家具の配置をなるべく変えないことで、ペットが迷わず動けます
・段差をなくしたり、階段にゲートを付けたりして、事故を防ぎます
このように、簡単な工夫や道具を取り入れることで、高齢者もペットも安心して楽しく暮らせます。小さなことの積み重ねが、毎日の安心と元気につながるのです。
【ソース】
https://www.akc.org/expert-advice/health/making-home-accessible-for-senior-dog/
https://wofainc.com/blog/senior-pet-care/
https://www.smalldoorvet.com/learning-center/wellness/keeping-your-dog-entertained-indoors/
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