依存症や心の病と向き合う場所「病院ラジオ 心の医療センター編」
心の病気や依存症と聞くと、自分には関係ないと思ってしまう人も少なくありません。しかし、実際には身近な家族や友人が苦しんでいることも多く、誰もが無縁ではいられないテーマです。2025年9月15日放送予定のNHK「病院ラジオ(20)心の医療センター編」では、お笑いコンビのサンドウィッチマンが新潟県上越市にあるさいがた医療センターに訪れ、患者さんの声に耳を傾けます。普段は語られることの少ない体験談や気持ちを聞くことで、依存症や精神疾患について考えるきっかけを与えてくれる番組になりそうです。
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番組の舞台となる「さいがた医療センター」
さいがた医療センターは国立病院機構の一つで、精神医療や神経・筋疾患、重症心身障がいの方への医療を行う大規模な施設です。病床数は410床あり、そのうち精神病床が248床を占めています。統合失調症や気分障害、認知症、依存症など幅広い症例に対応し、急性期から慢性期まで患者さんの状態に応じた治療ができる体制が整っています。
さらに、アルコール・薬物・ギャンブル依存症などを専門に治療する医療機関としても県から指定を受けており、依存症支援チーム「Sai-DAT」が治療や回復支援に取り組んでいます。災害時には「新潟県災害拠点精神科病院」としても機能し、24時間対応できる精神科医療チーム(D-PAT)も組織されています。つまり、地域にとってなくてはならない存在なのです。
患者さんの体験談と回復の道
番組では、依存症や精神疾患と向き合う患者さんの言葉が紹介されます。
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躁状態と抑うつ状態を繰り返す生活に苦しむ人
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パートナーの裏切りから依存に陥り、自傷行為を繰り返した経験を持つ人
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薬物依存に悩みながらも治療をきっかけに生き直そうとしている人
彼らの声は、単なる「病気の症状」ではなく、その裏にある孤独や不安、葛藤を伝えてくれます。普段は口に出せない思いをラジオという形で表現することによって、患者さん自身にとっても回復の一歩になっているのが特徴です。
ユニークな治療プログラム
「さいがた医療センター」では、薬やカウンセリングだけでなく、生活全体を見直すユニークなプログラムが取り入れられています。
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ピザづくり:料理を通じて達成感を得る
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筋トレや運動:身体を動かすことで心の安定を促す
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夕日を見に行く活動:自然に触れ、感情を整理する時間を持つ
こうした取り組みは、患者さんが「自分は一人ではない」と感じるきっかけになります。小さな達成感の積み重ねが、社会復帰へとつながっていくのです。
音楽と心をつなぐリクエスト曲
番組の魅力の一つが、患者さんの思い出や願いが込められたリクエスト曲です。今回は「幸福論」、「365日の紙飛行機」、「ひなた」などが紹介される予定です。音楽には、気持ちを整理したり、前向きになれる力があります。患者さんが選んだ曲を通じて、その人の人生や心情に触れることができるのも「病院ラジオ」ならではの醍醐味です。
偏見をなくすために知ること
依存症や精神疾患は「意志が弱いから起こるもの」ではありません。研究では、脳の働きや環境要因が大きく影響していることがわかっています。また、一度治療しても再発することは珍しくなく、それも病気の性質の一部です。大切なのは「再発してもまた立ち上がれる環境」があることです。
この番組を通じて、多くの視聴者が「病気=本人の責任」という誤解を改め、社会全体で支えていく必要性を感じられるのではないでしょうか。
地域とつながる医療の姿
さいがた医療センターは患者さんだけでなく、その家族や地域とも連携しています。退院後に安心して暮らせるよう、グループホームや地域活動、家族会などを活用しながら、包括的な支援を続けています。医療は入院で終わるのではなく、その後の生活までサポートする姿勢が貫かれているのです。
まとめ
「病院ラジオ 心の医療センター編」は、依存症や心の病と向き合う人々の声を社会に届ける番組です。サンドウィッチマンの温かいトークと、患者さんの率直な言葉が重なり、偏見をなくす一歩となるでしょう。
この記事で押さえておきたいポイントは以下の通りです。
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さいがた医療センターは精神疾患・依存症治療の拠点であり、地域に欠かせない病院
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治療は薬だけでなく、ピザづくりや筋トレなど生活を支える多様なプログラムが行われている
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患者さんの声やリクエスト曲を通じて、心の病の現実を理解できる
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偏見をなくし、社会全体で支えることが重要
放送を見れば、心の医療の現場に息づくリアルな声が伝わり、依存症や精神疾患をより深く理解できるはずです。ぜひ当日の番組を視聴し、自分や周囲の心の健康について考えるきっかけにしてみてください。
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