北村匠海が語った「あんぱん」と音楽活動の裏側
2025年9月12日放送のNHK総合「あさイチ」プレミアムトークに登場したのは、俳優でありバンドDISH//のボーカルとしても活躍する北村匠海さんでした。彼が語ったのは、現在出演中の連続テレビ小説「あんぱん」で演じている柳井嵩という人物像、そして音楽活動との両立、さらに現場での素顔でした。この記事では、番組で明かされたエピソードを整理しながら、北村さんの俳優としての覚悟と、人間的な魅力をじっくり掘り下げていきます。
「あんぱん」を観ている人も、これから見始める人も、この記事を読むことで北村匠海という役者の新しい一面に気づくはずです。
NHK【あさイチ】高橋文哉プレミアムトークまとめ!あんぱん健ちゃんの博多弁と北村匠海との絆(2025年8月29日放送)
大森元貴との絆とアドリブの妙
トークの中でまず紹介されたのは、Mrs. GREEN APPLEの大森元貴さんからのVTRメッセージです。劇中で北村さんと大森さんが共演したシーンの中でも、2人がそろって「印象に残っている」と挙げたのは「手のひらを太陽に」が生まれる瞬間。音楽活動を共にする2人だからこそ、呼吸が合い、自然にアドリブが生まれたといいます。北村さんは「大森さんはアドリブ大魔神」と笑いながら語り、現場での掛け合いがそのまま作品のリアリティにつながったことを実感していました。音楽と芝居という異なる表現方法を持つ2人が響き合ったことで、作品に新しい空気が流れ込んだのです。
今田美桜との安心感と戦友のような関係
今回で6度目の共演となった今田美桜さんも、北村さんの存在を大きな支えにしていました。長期間にわたる朝ドラ撮影を前に、共演者が北村さんと知って「心底安心した」と語る今田さん。お互いを「戦友」と表現し、日々の撮影を乗り越えていくうえで欠かせない存在になっていたことがうかがえます。
特に話題になったのは、嵩が弟を止める場面で今田さんが北村さんをビンタするシーンです。実は2人は映画「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編」でも同様の場面を演じており、今田さんは「あんぱん」のほうがよりうまく演じられたと振り返りました。さらに松嶋菜々子さんからも「いい音が出た」と褒められたと明かされ、スタジオは笑いに包まれました。
クールに見えて実はひょうきん、そして絵の才能
今田さんが明かした北村さんの意外な一面は「実はひょうきん」ということ。真剣な表情の裏にはユーモアがあり、撮影中に盛り上がった「絵しりとり」ではその才能を遺憾なく発揮しました。小学生の頃から絵を学んでいた北村さんは、キャストの似顔絵を描いてプレゼントするほど。高橋文哉さんに贈った似顔絵が紹介されると、会場からは感嘆の声があがりました。思いついたものを自由に描き込み、画面を埋めていくような作風は、やなせたかしさんの創作姿勢とも重なって見えます。
仲間と作った現場の空気
北村さんは撮影の合間、長い待ち時間があっても楽屋にこもらず、常に前室で共演者やスタッフと時間を過ごすことを大切にしていました。最大6時間の待ち時間も仲間と一緒に過ごし、現場全体の雰囲気を温めていたそうです。
特に印象的だったのは、河合優実さんのクランクアップの日。本人が「餃子を食べたい」と言ったことから、全員で餃子を注文し、即席の餃子パーティーを開催。作品作りに向き合う真剣さと同時に、仲間を大切にするあたたかい一面も浮かび上がります。
戦争シーンに挑んだ覚悟
「あんぱん」の大きな山場となるのが戦争を描くシーンです。北村さんはこの撮影にあたり、「あんぱんの物語」ではなく「ひとつの戦争の物語」として臨んだと語ります。特に驚かされたのは、3日間の絶食を3回繰り返して撮影に挑んだという事実。体験を通して初めて分かる「飢え」と「命の重み」を役に刻み込むための選択でした。
チーフ演出の柳川強さんは「そこまでやる役者魂に感服した」とコメント。戦争シーン後半の北村さんは「狂気すら感じさせるほど」と評されたほどで、その迫真の演技は視聴者の心にも深く刻まれそうです。
音楽活動が芝居に与えた影響
嵩役に抜擢された理由のひとつが、北村さんが続けてきた音楽活動でした。プロデューサーがDISH//のライブを観て、MCでの発言に胸を打たれたことがきっかけだったといいます。「10分後に命を落とすかもしれない。だから今をどう生きるか」という言葉は、そのまま柳井嵩という人物像と重なり、役者と音楽の境界を超えた表現力へとつながりました。
妻夫木聡との再会と役者としての成長
もう一つ印象深いのが、妻夫木聡さんとの再会です。北村さんが小学生のとき、妻夫木さんが先生役を務めて以来の共演となり、今回妻夫木さんが演じたのは八木上等兵。大人になった今、改めて共演して「チャーミングな方だと感じた」と語る北村さんの言葉には、役者としての成長と長いキャリアのつながりがにじんでいました。
作品全体に流れる「やなせたかし」の思い
北村さんは、「あんぱん」という作品そのものがやなせたかしさんの思いに貫かれていると語ります。主役は「のぶ」であり、柳井嵩はその人生に突き動かされて存在している。その視点を持ってからは、嵩を生きることが自然に感じられたそうです。朝ドラを通して、北村さん自身が役の重さだけでなく、「人として生きる意味」にまで向き合ったことが伝わってきました。
特選エンタと暮らしのヒント
プレミアムトーク以外のコーナーも見ごたえがありました。映画紹介では、親子で楽しめる「ふつうの子ども」、そして120週間かけて作られたストップモーションアニメ「リビング・ラージ!」が登場。作品の多様さと制作への情熱が伝わる紹介でした。
さらに「みんな!グリーンだよ」では、フトイと切り花を使ったフレームアレンジが紹介されました。たった4本のフトイと2本の花で立体的なフレームを作り、空間ごと楽しむというユニークな提案です。大きな花と小さな花を組み合わせ、最後にツル植物を飾ると、2〜3週間は楽しめるとのこと。暮らしにすぐ取り入れられる実用的なヒントでした。
まとめ
この記事で紹介した重要なポイントを整理すると次のとおりです。
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大森元貴との共演シーンで光った音楽的な感性と即興性
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今田美桜との強い信頼関係と撮影を支える安心感
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絵の才能やユーモアといった人間味あふれる素顔
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3度の絶食で挑んだ戦争シーンに込めた役者としての覚悟
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音楽活動が芝居へ与えた影響と役柄抜擢の背景
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妻夫木聡との再会に見えた役者としての歩み
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やなせたかしの思いを軸に据えた「あんぱん」の世界観
北村匠海さんが語った一つひとつの言葉は、単なる裏話にとどまらず、作品をより深く理解するためのヒントになっています。彼の芝居と音楽活動が互いを高め合い、唯一無二の表現へとつながっていることが伝わった今回のプレミアムトーク。
この記事を読んで興味を持った方は、ぜひ「あんぱん」を通じて北村匠海さんの芝居を見届けてください。きっと、日常の中で「いまをどう生きるか」を考えさせられるはずです。
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