病院ラジオ(17)東京・渋谷リハビリ病院編のエピソードまとめ
「病院ラジオ」は、サンドウィッチマンが病院に1日限定のラジオ局を開設し、患者さんやご家族の想いをリクエスト曲とともに届ける番組です。今回の舞台は東京・渋谷区の初台リハビリテーション病院。脳出血や脳梗塞、事故などで心身に大きなダメージを負った方々が、懸命にリハビリへ取り組む姿が放送されました。この記事ではすべてのエピソードを丁寧に振り返り、放送を見逃した人にも分かりやすく紹介します。
【病院ラジオ(19)】サンドウィッチマンが見た子どもたちの本音|東京都立小児総合医療センター|2025年4月29日放送
初台リハビリテーション病院とは
サンドウィッチマンの二人が訪ねた初台リハビリテーション病院は、「寝たきりにさせない」を第一の方針とし、365日休まずにリハビリを提供する全国有数の専門病院です。脳に損傷を受けた患者を数多く受け入れており、着替えや食事といった日常の行為すらリハビリの一環としています。ここで繰り広げられる患者さんたちの物語は、どれも胸を打つものばかりでした。
脳出血を克服し再び歩いたゆかさん
最初に登場した外来患者のゆかさんは、突然脳出血を発症し、2か月半の入院生活を送りました。半身の感覚を失ったときは「無理だ」と絶望したそうですが、日常生活すべてをリハビリに変える病院の方針に支えられ、現在では杖を使わずに歩けるまでに回復。入院中に出会った患者仲間と今もオンラインで体操を続けていると話し、リクエスト曲にジュディ・ガーランドの「Over the Rainbow」を選びました。彼女の姿は「仲間の存在が回復への力になる」ことを物語っていました。
病院食に救われた脳梗塞患者
脳梗塞で右足が麻痺した患者さんは、入院初日から「自力で歩いてください」と言われ驚いたそうです。しかし3週間後には坂道を歩けるまでに成長し、今は階段に挑戦中。ハードなリハビリを支えたのは病院の美味しい食事でした。「カレーや天丼、特にコロッケにソースがかかっていたのには感動した」と語り、伊達さんも「病院で天丼が出るのはすごい」とコメントしました。リクエストはスキマスイッチの「全力少年」で、回復の力強さと重なりました。
足を切断したけいいちさんと妻への感謝
67歳のけいいちさんは、糖尿病からくる合併症で左足を切断し、右足も指が2本だけになってしまいました。それでも「酒もタバコもやらずに生きてきた」と振り返り、不摂生とは無縁だったことを強調。大きな手術を経ても、常に明るく支えてくれた妻のひとみさんに感謝の思いを電波を通して伝えました。病室で聞いていた奥様は涙を流し、夫婦の強い絆がスタジオにあふれました。
医師から患者へ…立場が変わって見える現実
脳出血で入院中の男性患者さんは、これまで医師として患者を診る側でした。健康に自信があったからこそ、自分が病に倒れた現実は大きな衝撃だったといいます。「家族と離れて過ごす辛さを初めて知った」と語り、リクエストには松任谷由実の「ノーサイド」を選びました。医師の立場から患者として体験する苦悩は、多くの視聴者に強い共感を呼びました。
家族で支え続けた25歳の息子さん
りょうこさんの息子さんは5年前、交通事故で首の骨を折るなどの大怪我を負いました。手術中は命の危険さえありましたが、サッカーで鍛えた強靭な体が回復を助け、今では杖と介助で歩けるまでに。失語症や右半身の麻痺は残っているものの、家族と本人が力を合わせリハビリに励んでいます。リクエストはRADWIMPSの「君と羊と青」。息子を想う母の言葉は「支える家族の強さ」を改めて感じさせました。
ポジティブに歩むたつさん
飲食店から帰宅途中に脳梗塞を発症したたつさんは、入院してまだ1週間。それでも「歩くのが好きだからリハビリも楽しい」と語る前向きさが印象的でした。出身が陸前高田と聞いた伊達さんは「僕らも宮城出身だから親近感が湧く」と声をかけ、東北人同士の温かいやりとりが生まれました。来年の七夕祭りに復帰できるよう頑張る姿に、視聴者もエールを送りたくなります。
若くして脳梗塞を発症した長男を支える家族
30代の長男が脳梗塞で入院中だというご家族からもメッセージが寄せられました。保育士として新しい職場で担任を受け持つはずだった矢先の発症。今も意識が戻りきっていない状況ですが、それでも「前向きな気持ちを持ちたい」と語られました。リクエストはBiSHの「プロミスザスター」。未来への希望を込めた選曲でした。
記憶障害を抱えるのりこさん
2年前に脳出血を発症したのりこさんは、現在も記憶障害が残っています。毎日日記をつけ、忘れてしまった昨日の出来事を思い出す努力を続けています。サンドウィッチマンを目の前に「個人名が思い出せない」と謝ったのりこさんに対し、伊達さんが「サンドとウイッチマンです」と返した場面は笑いと優しさに包まれました。リクエストはMISIAの「アイノカタチ」。彼女の姿からは「記録することが生きる力になる」という大切なメッセージが伝わりました。
エンディングとまとめ
今回の放送では、脳出血、脳梗塞、事故、糖尿病などで大きな試練を経験した人々が、それぞれの立場で「生きること」「支え合うこと」の意味を語りました。サンドウィッチマンの柔らかいトークと、患者さん・ご家族のリアルな声が重なり合い、涙と笑いが交錯する1時間となりました。
まとめると、番組が伝えたのは以下の3点です。
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リハビリは孤独ではなく仲間や家族の存在が大きな力になる
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日常の小さな出来事や食事さえも回復を支える原動力になる
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音楽は言葉を超えて気持ちを届け、患者と家族をつなぐ架け橋になる
再放送を見た方も初めて知った方も、この番組から「生きる勇気」を受け取れるでしょう。
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