“最も暑い夏”2025年の気象災害から学ぶ
2025年は、『最も暑い夏』と呼ばれるほど記録的な猛暑と、大雪・大雨・竜巻といった多様な災害が全国で重なる特別な一年でした。この記事では、明日をまもるナビ(179回)の放送内容をもとに、異例の気象災害が連続した背景と、私たちが何を学ぶべきかをまとめています。2025年の災害で見えた“複合リスク”は、これからの暮らしを守るための大きなヒントになります。
異例の災害が次々と起きた一年
2025年の日本では、猛暑・大雪・大雨・突風といった異なるタイプの災害が同じ年に連続し、まさに『複合災害』と呼べる状況になりました。特定の季節に集中するのではなく、一年を通して災害が切れ目なく起きたことが特徴で、これまでの備え方では対応しきれないという声も高まりました。夏の『複合リスク』に注目が集まった理由は、猛暑の裏側に暖湿気や海洋熱波が広がり、さまざまな気象要素が重なったからです。
伊勢崎市で41.8℃を記録した“最も暑い夏”
2025年8月5日、群馬県伊勢崎市で観測史上国内最高となる41.8℃が記録されました。40℃を超える地域も全国で続き、都市部だけでなく地方でも熱中症リスクが急上昇しました。この“災害級の暑さ”は、単に気温が高いというレベルではなく、行動制限や電力需要への影響など、暮らしのあらゆる面に負荷を与えるものでした。『最高気温更新』という言葉が象徴するように、暑さそのものが“災害”として認識される年だったといえます。
十勝を襲った“12時間120センチ”の大雪
2025年の冬、北海道十勝地方では“12時間で120センチ”という極端な積雪が観測されました。短時間に雪が集中するこの現象は海水温の上昇との関係が指摘されており、暖かい海が『豪雪リスク』を逆に高めるケースが増えてきています。夏の異常な暑さだけでなく、冬にも大きな負荷がかかる気象パターンが見えてきた一年でした。
台風15号がもたらした同時多発の竜巻
2025年の台風15号は、通常の台風被害だけでなく、静岡県を中心に複数の竜巻が同時多発するという極めて珍しい現象を引き起こしました。特に静岡県牧之原市では大規模な竜巻が発生し、住宅や建物に大きな被害が出ました。突風の発生メカニズムには暖湿気の増加が絡むとされ、同じ台風でも年ごとに危険の質が変わってきていることが浮き彫りになりました。
異常気象の背景にある気象の変化
2025年の気象庁は、この夏を『数十年に一度のレベル』と表現しました。海水温の上昇、大気中の水蒸気量の増加、海洋熱波などが重なり合うことで、猛暑・豪雨・大雪・竜巻が異常な規模で発生しやすい状態になっていたと考えられています。気象要素が単独で作用するのではなく、『複合リスク』として影響し合う点が、今回の災害の特徴です。
地球温暖化とのつながりをどう見るか
近年の温暖化が、極端な暑さや豪雪、突風などの背景にある可能性も議論されています。特に海水温の上昇は、夏の気温だけでなく冬の雪にも影響し、『豪雪リスクの増大』という形で現れることがあります。季節ごとの固定観念ではなく、一年中どんな災害が起こる可能性があるかを広い視点で考える必要があります。
これから備えておきたいポイント
2025年の災害から見えてきたのは、ひとつの対策では十分ではないということです。猛暑、大雨、台風、大雪、竜巻といった複数の災害に対応できる形で家の強さや備蓄を見直すことが求められています。
・熱中症を防ぐための室内環境づくり
・家屋の耐風性・耐雪性の確認
・排水が弱い地域での浸水対策
・食料・水・電源などの備蓄
・地域のハザードマップの把握
気象情報の変化を早めにキャッチし、自分の行動を柔軟に変えられるよう準備しておくことがこれからの防災には欠かせません。
出演者の視点と番組の狙い
番組には司会の寺門亜衣子さん、解説の中村尚さん、ゲストの潮田玲子さん、高橋克実さんが出演します。スポーツ界や俳優といった多様なバックグラウンドを持つゲストが参加することで、災害を特別なテーマではなく、誰の日常にも関わる身近な課題として捉えやすくなる構成になっています。2025年という特別な一年を多角的に振り返り、これからの暮らしをどう守るかを考える時間になりそうです。放送後は内容に合わせて改めて深掘りします。
まとめ
2025年は、猛暑・大雪・台風・竜巻など多様な災害が重なった一年でした。伊勢崎市の41.8℃という記録、十勝の120センチ豪雪、静岡での同時多発竜巻など、どれも暮らしに大きな影響を与える出来事です。これらを通じて見えてきた『複合リスク』への理解は、今後の防災を考えるうえで重要な視点になります。明日をまもるナビの放送をきっかけに、改めて身の回りの備えを考える機会にしたいと思います。
【木村多江の、いまさらですが…】 地球温暖化〜科学が示す危機、未来への選択〜 WACが示す“極端気象の真相”と日本のジオエンジニアリング研究、そして拡大するマラリア北上リスク|2025年11月24日
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