身近なのに知らないセロハンテープ工場の秘密
私たちが毎日のように使っているセロハンテープ。学校や家庭、仕事場などで当たり前のように使われていますが、どのように作られているのかを知る機会はあまりありません。
このページでは「探検ファクトリー(埼玉・セロハンテープ工場 身近なのに知らないことだらけ)(2026年3月14日)」の内容を分かりやすくまとめています。
番組では埼玉県日高市にある国内トップシェアのセロハンテープ工場を訪れ、木から作られる透明フィルムの秘密や、天然ゴムを使った粘着剤の仕組み、そしてわずか0.05mmの薄さで作られる精密な製造工程を探検します。身近な文房具の裏側にある、驚きの技術と工場の工夫を詳しく紹介します。
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埼玉・日高市のニチバン埼玉工場を探検
今回の舞台は埼玉県日高市にあるニチバン埼玉工場。ここは日本で広く使われているセロハンテープ(セロテープ)を作る国内最大級の生産拠点です。住所は埼玉県日高市大谷沢で、ニチバンの主要な製造工場の一つとして長年稼働しています。
工場では家庭や学校、オフィスなどで使われる透明テープを中心に、色付きやデザインタイプなど多くの種類のテープが作られています。
これまでに製造されたセロハンテープの総量は、長さにすると地球約4500周分にもなるといわれています。身近な文房具ですが、その生産量は想像以上に巨大です。
また、セロハンテープは非常に薄い素材のため、工場内の湿度管理も重要です。静電気や素材の変形を防ぐため、製造エリアの湿度は約50%に保たれています。こうした環境管理によって、均一で透明度の高いテープが作られているのです。
木から生まれる透明フィルム セロハンの製造の秘密
セロハンテープの主役となる素材は、意外にも木から作られています。
まず原料となるのは、細かく砕いた木材チップです。木から取り出した繊維質を化学処理することで、セロハンの原料となる液体が作られます。
この繊維質をアルカリ性の液体に入れると、分子構造が変化してオレンジ色の液体になります。さらに酸性の液体と反応させることで、透明な膜が生まれます。
こうして完成するのが、セロハンテープの土台となるセロハンフィルムです。
普段はただの透明なテープに見えますが、実は木材を化学反応で加工して作る植物由来のフィルム素材なのです。透明で丈夫なフィルムを作るために、細かな化学技術が使われています。
天然ゴムと松ヤニで作る環境にやさしい粘着剤
セロハンテープがしっかり貼り付く秘密は、天然ゴムを使った粘着剤にあります。
天然ゴムは植物から採れる素材ですが、産地や収穫時期によって硬さがばらばらです。そのままでは安定した粘着力を出すことができません。
そのため工場では、大きな装置で混ぜながら柔らかさを均一に整えます。
さらにそこに加えられるのが松ヤニ(ロジン)です。松ヤニは粘着力を高める役割があり、天然ゴムと組み合わせることで使いやすい接着剤になります。
ただし粘着剤を混ぜると空気が入りやすくなります。空気が残ったままだと品質に影響するため、粘着剤は一定時間寝かせて空気を抜く工程が行われます。
こうした丁寧な工程によって、長く使われ続けている環境にやさしい粘着剤が完成します。
0.05mmの4層構造と異物を防ぐ密閉製造ライン
完成したセロハンテープの厚さはわずか0.05mm。これはコピー用紙よりもずっと薄いレベルです。
しかしこの薄いテープは、実は4層構造になっています。
まず土台となるのがセロハンフィルム。そこに接着を安定させる下塗り剤が塗られます。さらに巻いたときにテープ同士がくっつきすぎないようにするはくり剤が塗られます。
この塗布の厚さは、なんと5000分の1mm。
専用の装置で余分な液体を削ぎ落としながら、均一な膜を作っていきます。
さらに製造工程では、ホコリなどの混入を防ぐため密閉されたクリーンな部屋で作業が行われます。
完成前には大きな機械で強い圧力をかけて空気を抜く工程もあり、ここでテープ内部の気泡を取り除きます。こうして高品質な透明テープが完成します。
1918年創業 絆創膏メーカーから生まれたセロテープ
セロハンテープを作るニチバンの歴史は、1918年に始まりました。
当時は絆創膏など医療用製品を作る会社としてスタートしています。
戦後の1947年、粘着技術を活かしてセロハン粘着テープの製造を開始しました。
このテープは1948年に「セロテープ」として販売され、日本の家庭や学校、オフィスに広がっていきます。
その後も技術は発展し、現在では
・包装用テープ
・医療用テープ
・工業用テープ
・スポーツ用テーピング
など、さまざまな用途の粘着製品が作られています。
身近なセロハンテープの裏には、100年以上続く粘着技術の歴史があるのです。
セロハンテープの困ったを解決 切れ目とベタベタ対策
セロハンテープを使っていて困ることの一つが、切れ目が見つからないことです。
そんなときは、テープを90度に折り曲げる方法が効果的です。
テープを折ると角の部分が浮き上がり、その部分から端を簡単につまむことができます。
もう一つの悩みは、ハサミで切ったときの粘着剤のベタベタ。
この場合は、ハサミの刃についたベタベタ部分にセロハンテープを貼ってすぐはがすと、粘着剤がテープに移ってきれいに取れます。
家庭でもすぐ試せる簡単な方法ですが、実はセロハンテープの専門家がすすめる実用的な裏ワザです。
身近すぎて普段は気にしないセロハンテープですが、その裏側には素材・化学・精密加工の技術が詰まっていることがわかります。
セロテープとOPPテープの違い

番組ではセロハンテープの製造工程が紹介されましたが、ここで筆者からの追加情報として、よく似た透明テープであるOPPテープとの違いについても紹介します。見た目はよく似ていますが、実は材料や用途が大きく異なります。身近な文房具の中にも、素材や目的によってさまざまな種類があることが分かります。普段何気なく使っている透明テープですが、その違いを知ると製品の工夫や特徴がよりよく理解できます。
セロテープは木から作られる天然素材のテープ
セロテープの土台になっているのは、木材から取り出した繊維で作るセロハンフィルムです。木材チップから取り出したセルロースという成分を加工して透明なフィルムにします。この素材は植物由来のため、自然に近い素材として長く使われてきました。テープの粘着剤には天然ゴムが使われ、そこに松ヤニを混ぜて粘着力を調整しています。こうした素材の組み合わせによって、文房具として使いやすい貼り心地が生まれます。
OPPテープはプラスチック素材の梱包用テープ
一方、段ボールを閉じるときによく使われるOPPテープは、石油から作られるポリプロピレンフィルムが材料です。非常に強く破れにくいのが特徴で、荷物の梱包など重たい用途に向いています。ただしフィルムが硬く強度が高いため、手では切りにくく、カッター付きのテープ台を使うことが多くなります。セロテープが文房具として使いやすいのに対し、OPPテープは物流や梱包の現場で活躍するテープです。
見た目は似ていても用途がまったく違う
透明でよく似た見た目をしていますが、セロテープは文房具向け、OPPテープは梱包向けというように、用途によって使い分けられています。素材の違いは、使いやすさや粘着力、強度にも大きく影響します。身近な透明テープでも、こうした素材の違いを知ると製品の役割がよりはっきり見えてきます。
「セロテープ」はニチバンの登録商標
透明テープを指す言葉として多くの人が「セロテープ」と呼びますが、実はこの名前は一般名称ではありません。筆者からの追加情報として、この名前の意味についても紹介します。普段何気なく使っている言葉の背景には、企業の歴史や商品ブランドが関わっています。
セロテープは商品名として誕生した
セロテープという名称は、ニチバン株式会社の登録商標です。もともと戦後にニチバンが発売したセロハン粘着テープの商品名として広まりました。多くの家庭や学校で使われるようになり、日本中に広く普及したことで、この名前が透明テープの代名詞のように使われるようになりました。
正しい一般名称はセロハンテープ
本来の一般名称はセロハンテープまたはセロハン粘着テープです。セロハンという透明フィルムに粘着剤を塗って作るテープなので、この名前が正式な呼び方になります。しかし日本では商品名のセロテープが広く知られるようになり、日常会話ではそのまま透明テープを指す言葉として使われるようになりました。
商品名が一般名称のようになる例
このように商品名がそのまま一般名称のように使われる例は少なくありません。文房具ではホッチキス、物流では宅急便なども同じようなケースです。セロテープもその代表的な例で、日本の生活の中に深く根付いた商品名の一つといえます。
セロテープが環境にやさしい理由
番組で紹介されたセロハンテープの材料には、環境に配慮した特徴があります。ここでは筆者からの補足として、その理由を紹介します。身近な文房具の中にも、自然由来の素材を活かした技術が使われています。
セロハンは木から作られる植物素材
セロテープのフィルム部分は、木材の繊維から作られるセルロースを原料としています。セルロースは植物に多く含まれる天然成分で、紙や繊維にも使われている素材です。木材パルプから取り出したセルロースを化学処理することで、透明なセロハンフィルムが作られます。
粘着剤は天然ゴムがベース
セロテープの粘着剤には、ゴムの木から採れる天然ゴムが使われています。そこに松ヤニを加えて粘着力を調整し、貼りやすくはがしやすいテープになります。こうした自然由来の材料が使われていることも、長く使われてきた理由の一つです。
焼却時の環境負荷が小さい素材
セロハンは植物由来のセルロースからできているため、塩素系プラスチックを含む素材とは性質が異なります。このため焼却時にダイオキシンが発生しにくい素材として知られています。身近なセロテープには、こうした素材の特徴を活かした環境への配慮が込められています。
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