フワッと止まる蛇口の秘密を探れ!中川家が岐阜・関市の工場を探検
毎日の暮らしで何気なく使っている蛇口。朝の顔洗いや食器洗い、料理中など、生活の中で何度もひねっては閉めているけれど、「なぜあんなにピタッと水が止まるのか?」と考えたことはありますか?
今回の『探検ファクトリー』では、中川家(剛と礼二)とすっちーの3人が、そんな“当たり前”の裏に隠された高度な技術を探るため、岐阜県関市にある蛇口工場を訪れます。
この工場は、業界では“中規模メーカー”と呼ばれる立ち位置ながら、なんと約2000種類の蛇口を自社で生産しているというから驚き。どんなデザイン、どんな用途にも対応できるその柔軟な製造力が評価され、国内外で高い信頼を得ています。
番組では、蛇口の内部構造、鋳造の工程、職人たちのこだわりなどを、実際の製造現場を歩きながら解き明かします。「漏れがなく、ピタッと止まる」——このシンプルな性能の裏には、何十年も積み重ねられたノウハウと精密技術が詰まっているのです。
蛇口の仕組みを知ると、日常がちょっと面白くなる
蛇口の中には、想像以上に多くの部品が組み込まれています。たとえばハンドル式蛇口なら、スピンドルと呼ばれる軸が回転し、下部にあるコマパッキン(ケレップ)が上下に動く仕組み。水の通り道を塞ぐ「弁座」にパッキンがしっかり密着することで、水が止まるのです。
このパッキンと弁座の接触面のわずかな精度の違いが、止まり方や水漏れ防止の決め手になります。
一方、レバー式の混合栓ではカートリッジが心臓部。水とお湯の流量を一体でコントロールし、レバーの角度で温度調整まで可能です。これも内部のセラミック板がミクロン単位で密着しているため、ピタッと止まるという仕組み。
また、ハンドルの動きが滑らかに感じられるのは、内部に使われているOリングやパッキンが正確に組み込まれているから。金属同士の摩擦を和らげ、わずかなズレも許さない“精密な密閉構造”こそが、毎日の使いやすさを支えているのです。
岐阜・関市のカクダイ工場とは?
今回の番組で紹介されるのは、株式会社カクダイ 岐阜工場(岐阜県関市洞戸片345)。関市といえば、古くから刃物づくりで知られる職人のまち。その伝統が息づく土地に建つこの工場では、蛇口の鋳造から加工、研磨、メッキ、組立、検査まで、すべてを一貫して行っています。
ここで作られる蛇口の数は、なんと年間100万個以上。一般家庭用のシンプルな単水栓から、ホテルやレストランなどに使われる高級デザイン蛇口まで、幅広いラインナップを持っています。中には「おでんの具」や「寿司ネタ」をモチーフにした“遊び心のある蛇口”まで存在するのがカクダイらしい魅力。デザイン性と機能性を両立させるものづくり精神が、この工場の誇りです。
鋳造:砂の型から始まる“蛇口の誕生”
蛇口の形づくりは、まず砂型鋳造から始まります。真鍮(銅と亜鉛の合金)を**約1200℃**まで溶かし、砂で作った型に流し込んで成形。冷めると固まり、蛇口の原型が現れます。
この「砂型鋳造」は、現代ではあまり見られなくなった昔ながらの手法。金型と違って、砂型は1回の注湯で壊れてしまうため、毎回職人が手作業で新しい型を作り直す必要があります。手間はかかりますが、形の自由度が高く、複雑なデザインや内部構造を持つ蛇口を作るには最適です。
型を作る砂にもこだわりがあります。砂の粒子の大きさ、含水率、固め方などが鋳物の表面品質を左右します。温度が少しでも高すぎれば割れ、低ければ金属が回らない——まさに一瞬の判断が勝負。工場では職人と機械が連携し、温度と時間をミリ秒単位で制御しています。
研磨とメッキ:職人の手が光を生む
鋳造でできた蛇口の“生地”は、まだザラザラとした金属塊。それを研磨職人が何段階にも分けて磨き上げ、まるで鏡のような輝きを出していきます。粗目・中目・細目とヤスリを変え、手触りと艶を確かめながら磨く作業は、熟練の感覚が頼り。ほんの数ミクロンの歪みでも、最終的な止水性能に影響が出るため、わずかな違いも見逃せません。
さらに、美観と耐久性を高めるためにニッケルメッキとクロムメッキを重ねます。メッキ槽では、蛇口が静かに液に沈み、電気を通して金属の表面に層を形成。光沢の奥に見える深みのある輝きは、この工程ならではのものです。メッキの厚さも、わずか数ミクロン単位で管理されており、耐食性と美しさを両立しています。
組立と検査:人の手で生まれる“信頼の止まり”
仕上がった部品は、1つ1つ手作業で組み立てられます。自動化が進む現代でも、最後の組立と検査は人の手に頼る部分が多いのが特徴です。
組み上がった蛇口はまず水漏れ検査へ。タンク内に水を満たし、蛇口を沈めて気泡が出ないか確認します。空気が漏れれば気泡が立ち上り、わずかな漏れも見逃しません。続いて通水検査で、水の出方、止まり方、温度の切り替え、レバーの動きのスムーズさなどを厳しくチェック。
そして最後の関門が、人の目による外観検査。照明を当てながら、表面の光の反射、メッキのムラ、微細な傷までチェックします。わずかにでも異常が見つかれば再加工。職人の感覚が、カメラやAIでは捉えきれない“手の記憶”を支えています。
2000種類を生み出す柔軟な現場力
カクダイ岐阜工場の最大の強みは、柔軟な生産体制にあります。多くのメーカーが効率化のために製品を絞る中、カクダイは逆に「多品種少量生産」で勝負。2000種類に及ぶ蛇口は、家庭用、業務用、デザイン性重視型、DIY向けなど多岐にわたります。
たとえば、飲食店やホテル向けには高級感のある金メッキ仕上げ、公共施設には耐久性重視の業務用モデル、そして家庭用には使いやすいワンタッチ型など、それぞれの用途に最適な設計が施されています。
中には「10個作って1個成功」と言われるような難易度の高いデザインも。それでも挑戦し続けるのは、「失敗も含めて新しい価値を生み出す」カクダイの信念があるからです。
中川家&すっちーが“水の職人技”に驚く!
番組では、中川礼二が職人気質な真面目さで製造工程に鋭い質問を投げかけ、中川剛とすっちーがその真剣さに笑いを交えながらツッコミを入れる、まさに『探検ファクトリー』らしい軽快な空気が流れます。
礼二が鋳造現場で溶けた真鍮を見て思わず「これ、蛇口になるん!?」と驚くシーンや、すっちーが研磨機の音に驚いて飛び上がる様子など、笑いの中にも真剣なモノづくりの空気が漂う展開になりそうです。
また、最新型の混合栓で紹介される温度調節のカートリッジ構造も見どころのひとつ。細かな部品がどのように温度を一定に保つのか、工場スタッフの説明が放送で詳しく紹介される予定です。
放送後の追記予定
放送後には、番組内で紹介された温度調整のメカニズム、実際の検査工程の映像内容、職人インタビューなどを追記予定です。特に、中川家が体験した“砂型づくり”の場面では、彼らがどんなリアクションを見せたのかが注目ポイントになります。
まとめ
・岐阜県関市の株式会社カクダイ 岐阜工場は、2000種類もの蛇口を生み出す少量多品種のモノづくり拠点。
・古くから続く砂型鋳造の技術で、複雑な形状の蛇口を自由自在に造形。
・「ピタッと止まる」秘密は、パッキンと弁座の密着精度と人の手による最終検査にある。
・『探検ファクトリー』では、中川家とすっちーがその現場を探検し、笑いと驚きいっぱいにモノづくりの奥深さを伝える。
出典・参考
・NHK『探検ファクトリー』(2025年10月25日放送予定)
・株式会社カクダイ 公式サイト:https://www.kakudai.co.jp/
・関の工場参観日 公式サイト:https://kojosankanbi.jp/
・Locipo 特集記事「カクダイ岐阜工場」:https://locipo.jp/media/entertainment/
(※放送後、温度調整の仕組み・職人インタビュー内容を追記予定)
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