静かな工場で生まれる、世界に一つだけの形
埼玉県三郷市にある株式会社やのまん 三郷工場。一見するとごく普通の工場ですが、その中では、私たちが一度は手にしたことのあるジグソーパズルが、想像以上に繊細な工程を経て生み出されています。
すべてのピースが違う形をしているのに、最後には一枚の絵としてきれいに完成する。その当たり前のようで不思議な仕組みの裏には、長い歴史と積み重ねられた技術、そして人の手の感覚がありました。
1970年代、日本でまだ珍しかったジグソーパズルを広めてきたこの工場では、今もなお「美しく切る」ことにこだわり続けています。機械の力だけではたどり着けない完成度。その秘密をたどると、ジグソーパズルがただの遊び道具ではなく、精密なものづくりの結晶であることが見えてきます。
舞台は埼玉・三郷市 いまジグソーパズルが静かに熱い
埼玉県三郷市にある株式会社やのまん 三郷工場は、日本のジグソーパズルづくりを長年支えてきた製造現場です。番組では、完成品ではなく、工場の中で素材が少しずつ姿を変えていく過程に焦点が当てられていました。
近年、ジグソーパズルは集中力を高める遊びとして再び注目され、競技大会が行われるなど楽しみ方も広がっています。そうした背景の中でも、この工場では流行に左右されず、全ピースが正確にかみ合うことを最優先にした製造が続けられています。
作業場では大きな音や派手な演出はなく、一定のリズムで工程が進みます。その積み重ねが、完成後に一枚の絵として違和感なくつながる理由であることが、番組の映像を通して示されていました。
「モナ・リザ」から始まった 日本のジグソーパズル普及史
番組内で出題されたクイズが、日本のジグソーパズルの原点を示していました。日本でジグソーパズルが広まるきっかけとなった絵柄はモナ・リザです。1970年代初め、名画を使った輸入ジグソーパズルが話題となり、多くの人にジグソーパズルという遊びが知られるようになりました。
その流れを受け、1974年には国産ジグソーパズルの製造と販売が始まります。日本人の好みに合わせた絵柄を用意し、安定した品質で供給できる体制が整えられました。
現在、三郷工場では約500種類のジグソーパズルが作られています。番組では、一つの絵柄の流行が産業として根づき、長く続く製造現場につながっている様子が、歴史とともに整理されていました。
真っ白なホワイトパズル 宇宙飛行士選抜試験の話
番組で紹介されたホワイトパズルは、絵柄のない真っ白なジグソーパズルです。クイズの答えとして、このパズルが宇宙飛行士の選抜試験に使われたことが明かされました。
色や絵の情報が一切ないため、判断材料はピースの形だけになります。どの部分がつながるのかを想像し、全体像を頭の中で組み立てる力が必要です。
番組では、こうした作業が空間認識力や集中力の確認につながる点が説明されていました。ジグソーパズルが単なる遊びではなく、能力を測る道具として使われた実例として、事実に基づいて紹介されていました。
材料づくり 印刷紙と台紙を貼り合わせて“合紙”にする
ジグソーパズルの製造は、まず絵柄を印刷した紙と台紙を貼り合わせる工程から始まります。番組では、貼り合わせた状態の厚さが約2.0ミリであることが示されました。
この段階で紙と台紙が均一に密着していないと、後のカット工程でズレや歪みが生じます。そのため、素材を一枚の板として安定させることが重要になります。
番組は、この工程が目立たないながらも、完成度を左右する基礎作業であることを、実際の作業映像とともに伝えていました。
全ピース違う形に切る技術 縦横2回の抜きと刃型の世界
合紙になった板は、すぐに細かいピースに分けられるわけではありません。番組では、1台目で横方向、2台目で縦方向と、工程を分けて切り込みを入れる様子が紹介されました。
同時に切ると、ピースが割れたり、形がゆがんだりする可能性があるためです。工程を分けることで、すべてのピースが違う形でも、正確に組み合わさる精度が保たれます。
番組では、刃型の配置や圧力のかけ方が結果に直結する点が説明され、全ピース違う形を成立させるための工夫が具体的に示されていました。
いちばん難しい「バラし」と、最後の手作業梱包
切り終えたジグソーパズルは、まだ一枚の板の状態です。番組で「最も難しい」と紹介されたのがバラしの工程でした。
軽く引っぱって隙間を作り、板を丸めるようにしてピースをばらばらにします。力の加減を誤ると、ピースが欠けたり、外れなかったりします。そのため、この工程は手作業で行われています。
その後、ばらしたピースは確認され、一つ一つ手作業で梱包されます。番組は、機械だけでは完結しない工程があるからこそ、完成したジグソーパズルが安定した品質で届けられていることを、最後まで事実に沿って伝えていました。
まとめ
今回の放送では、埼玉県三郷市にある株式会社やのまん 三郷工場で行われているジグソーパズルづくりの全体像が紹介されました。モナ・リザをきっかけに広まった日本のジグソーパズル文化から、ホワイトパズルが宇宙飛行士の選抜試験に使われた事例、そして印刷紙と台紙を貼り合わせる工程や、縦横二段階で切り出す技術まで、すべてが積み重なって一つの製品になります。特にバラしや梱包といった人の感覚が欠かせない作業が、完成度を支えている点が印象的でした。
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