アフリカの水辺の王者・カバを追う
「ダーウィンが来た!『強い!かわいい!カバ大百科』(2026年3月1日放送)」は、アフリカの川や湖を舞台にしたカバの特集回です。
番組では、サバンナの水辺で群れをつくるカバと、森の奥にひっそり暮らすコビトカバという、2種類のカバの仲間が大きく取り上げられます。どちらも水辺で生きる動物ですが、体の大きさも暮らし方も、驚くほど違います。
視聴者は、川の中でぶつかり合うオス同士のバトル、ライオンと向き合うときの迫力、そして水の中をまるで“走る”ように進む姿など、普段の動物園ではなかなか見られないカバの一面を目撃することになります。
「強い」と「かわいい」が同居するカバの世界
番組のポイントは、カバの「怖さ」と「愛らしさ」がセットで描かれるところです。
巨大な口を大きく開けて相手を威嚇するシーンのあとに、赤ちゃんが母親のお腹に寄り添って眠る様子が映ると、同じ動物とは思えないギャップを感じます。
このギャップこそが、カバという生き物を理解する入り口になります。
水陸“二刀流”のスーパーボディーとは?
カバは、体重が1.5トンを超えることもある大型の草食動物です。にもかかわらず、水の中でも陸の上でも自在に動ける“二刀流”の体を持っています。
巨体を支えるずっしり重い骨
カバの骨はとても密度が高く、「ずっしり重い」つくりになっています。
そのおかげで、川や湖では浮かずにしっかりと底に沈み、川底を歩くようにして進むことができます。
実は、カバは私たちがイメージするような「スイスイ泳ぐ」動物ではありません。水中では、川底をトコトコ歩いたり、強くけり出して体を前に飛ばしたりして移動していると考えられています。
陸上では想像以上のスピード
一方で、陸に上がったカバはびっくりするほど俊敏です。
大人の人が全力で走るくらいの速さで駆けることができると言われていて、そのスピードと重さが合わさると、大きな脅威になります。
番組では、こうした「水陸どちらでも生き抜くための体の工夫」が、映像とともに紹介されていきます。
巨体同士がぶつかるカバの壮絶バトル
カバの群れの中で、もっとも激しい戦いを繰り広げるのは、大人のオスたちです。
群れのトップ=ボスの座をめぐって、巨大な体と牙を武器にしたバトルが起こります。
口は150度まで開く「必殺のアゴ」
番組の予告でも強調されているように、カバの最大の武器はアゴと牙です。
口はなんと約150度まで開き、長く伸びる犬歯は、1本で30センチ近くになることもあります。
研究者の推定では、カバの噛む力は、1平方インチあたり1800〜2000ポンド(およそ8000〜9000ニュートン)に達するとされており、陸上の哺乳類の中でも最強クラスです。
番組では、こうした“最強クラスのアゴ”を武器に、オス同士が川の中で激しくぶつかり合う様子が、ハイスピードカメラなどで捉えられると予告されています。
ボスの座を争う戦いの意味
一見すると、ただのケンカに見えるカバ同士のバトルですが、自然界では大きな意味があります。
ボスになったオスは広い縄張りとメスたちを守る役目を担うため、強いオスだけが種を残す仕組みになっているのです。
番組では、こうした「ケンカの裏にあるルール」も、映像とナレーションで分かりやすく伝えてくれます。
ライオンもひるむ?カバの強さと天敵との関係
アフリカのサバンナには、ライオンやワニ、ハイエナといった肉食動物がたくさんいます。
それでも、大人のカバに正面から挑む天敵は多くありません。
ライオンを撃退するカバの防御力
番組紹介でも「天敵ライオンの撃退」が見どころとして挙げられています。
ライオンにとって、カバはとても危険な相手です。厚い皮膚と脂肪、巨大なアゴの一撃を受ければ、ライオンでも大けがをしてしまいます。
そのため、ライオンは群れで子どものカバを狙うことはあっても、健康な大人のカバに近づくときは、かなり慎重になります。
本当の弱点は「子ども」と「水辺の混雑」
とはいえ、カバが無敵というわけではありません。
子どものカバは体も小さく、泳ぎもまだ上手ではないので、ライオンやワニに狙われやすい存在です。
また、乾季で水辺が狭くなると、多くのカバが同じ場所に押し寄せ、ストレスやケンカが増えます。
番組では、こうした「環境が変わることで生まれる危機」も、映像を通して伝えられる可能性があります。
水中を“走る”カバのふしぎな移動のしくみ
この回で、特に注目したいキーワードが「水中を走るカバ」です。
カバは「泳ぐ」のではなく「歩いて飛ぶ」
先ほど触れたように、カバの骨はとても重く、水中では沈みやすい体になっています。
そこでカバは、川底に足をつけて歩いたり、ぐっとけり出して前へと飛び出したりして移動します。
遠くから見ると、まるで水中を走っているように見えるため、「水中を走る」と表現されるのです。
ハイスピードカメラがとらえた瞬間
番組では、この水中での動きをハイスピードカメラなどで詳しく撮影し、スローモーションで見せてくれると予告されています。
普段は水面に耳と目と鼻だけ出してじっとしているカバが、水の中ではどんな姿勢で、どんなタイミングで息継ぎをしているのか。
その一つひとつがじっくり観察できるのも、この回の大きな魅力です。
ジャングルの奥で暮らす絶滅危惧種・コビトカバ
もう一方の主役が、森の奥で暮らすコビトカバです。
体重はふつうのカバの10分の1ほどとされていて、一見すると「小柄なカバ」に見えますが、実はまったく別の種類です。
西アフリカの森にだけ生きる小さなカバ
コビトカバは、西アフリカのリベリアやシエラレオネ、ギニア、コートジボワールなど、ごく限られた国の森や湿地に生息しています。
夜行性で、昼間は茂みの中や水辺でじっと休み、暗くなってから森の中を歩いてエサを探します。
そのくらしぶりはとてもひそやかで、野生の姿を撮影するのは、今でも難しいとされています。
絶滅の危機にある理由
コビトカバは、国際自然保護連合(アイユーシーエヌ)のレッドリストで「絶滅危惧(エンデンジャード)」に指定されていて、野生では2500頭ほどしか残っていないとみられています。
森を切り開いて作る農地や道路、採掘などで、すみかとなる森が減っていること。
さらに、一部の地域ではブッシュミート(野生動物の肉)として狩られてしまうことが、その大きな原因とされています。
番組では、こうした背景も踏まえながら、コビトカバの「今」を伝える映像が期待されます。
コビトカバの秘境ライフとかわいい赤ちゃん
番組紹介には「かわいすぎる赤ちゃんも!」という一文があります。
森の中でひっそり子育て
コビトカバの赤ちゃんは、暗い森の中でお母さんにべったり寄り添いながら育ちます。
水辺と森を行き来しながら、葉っぱや果実をかじる練習をし、少しずつ一人前になっていきます。
赤ちゃんのころは体も小さく、まだ水に長く潜ることができません。
そのため、お母さんは水辺の深さを選びながら、慎重に行動していると言われています。
番組では、こうした「母と子の距離感」や、「森の中での親子の暮らし」が、貴重な映像で紹介されるはずです。
カバとコビトカバの違いを分かりやすく比較
同じカバの仲間ですが、カバとコビトカバには多くの違いがあります。
大きさ・暮らし方・性格のちがい
おおまかに比べると、次のようなポイントが挙げられます。
-
体の大きさ
カバ:1〜2トン近い大きな体
コビトカバ:200キロ前後と、ぐっと小さい -
生息地
カバ:アフリカのサバンナにある川や湖
コビトカバ:西アフリカの深い森や湿地 -
性格・行動
カバ:群れで暮らし、縄張り意識も強い
コビトカバ:基本的に単独で行動し、人目を避けるように暮らす
番組では、この「似ているようで違う」2種類を並べて見せることで、視聴者が違いを直感的に理解できるような構成になると考えられます。
カバと共通祖先をもつ意外な海のほ乳類とは?
この回のもうひとつの大きなテーマが、「カバと共通祖先をもつ意外な海のほ乳類」です。
実はクジラの“いとこ”だった
最新の研究によると、カバのいちばん近い親戚は、意外にもクジラの仲間だと分かっています。
昔は、体の形が似ているブタやイノシシの仲間に近いと考えられていましたが、遺伝子を詳しく調べると、クジラ・イルカのグループとカバが同じ大きなグループ(ホイッポモルファ)に属していることが分かったのです。
水辺で生きるための共通点
カバとクジラに共通するポイントとして、次のようなものがあります。
-
体に厚い脂肪の層を持つこと
-
体毛が少なく、水の中で動きやすいこと
-
水中での生活に合わせた耳や皮膚のしくみ
番組では、こうした「見た目は全然違うけれど、実は近い仲間」という視点から、進化の不思議に触れていきます。
ナレーター陣と「ダーウィンが来た!」らしい語りの魅力
この回の語りを担当するのは、龍田直樹、豊嶋真千子、山田孝之、水瀬いのり、浅井理、相葉雅紀という豪華なナレーター陣です。
子どもから大人まで楽しめる語り口
「ダーウィンが来た!」は、難しい生物の話を、小学生でも分かることばにかみくだいて教えてくれる番組です。
今回も、カバやコビトカバの専門的な生態を、親しみやすいトーンで紹介してくれます。
たとえば、
「ここで登場するのが、水中最強クラスのアゴ!」
「森の奥の、ひっそり暮らす小さなカバとは…?」
といった、ワクワクする語りとともに映像が進んでいくことで、子どもでも最後まで飽きずに見られる構成になっています。
「強い!かわいい!カバ大百科」を見る前に押さえたいポイント
最後に、この回をより楽しむためのポイントを整理しておきます。
1. 「強さ」と「かわいさ」を両方味わうつもりで見る
カバは危険な動物でもあり、同時にとても愛らしい動物でもあります。
番組は、その両面をたっぷり見せてくれます。
「怖いから嫌い」と思っていた人も、赤ちゃんや親子の姿を見るうちに、きっと印象が変わっていくはずです。
2. 「カバ」と「コビトカバ」の違いに注目する
見ていると、つい「小さいカバかな?」と思ってしまうコビトカバですが、暮らし方や性格はまったく別物です。
どんな場面で違いがはっきり分かるのかを意識して見ると、理解が深まります。
3. クジラとのつながりを頭の片すみに置いておく
番組の中で、カバとクジラが「いとこ」のような関係であることに触れられます。
その話を聞きながら、クジラの姿を思い浮かべてみると、「同じ水辺の仲間なんだな」と、少し見え方が変わってきます。
このように、「強い!かわいい!カバ大百科」は、カバとコビトカバの生態をたっぷり楽しみながら、進化や絶滅危惧といった少し深いテーマにも自然に触れられる回になっています。
まとめ
このページでは、番組で描かれるカバとコビトカバの魅力や生態を、放送前の情報と一般的な知識をもとに分かりやすく整理しました。内容には実際の放送構成と異なる部分や、紹介されない場面が含まれる場合があります。放送後にあらためて番組を確認し、新たに分かったポイントや映像の詳細は、必要に応じて追記・修正していきます。
NHK【ダーウィンが来た!15min.】熱帯のミステリー 踊る!漆黒の人面鳥 極楽鳥タンビカンザシフウチョウの求愛ダンスと人面鳥ニューギニアの不思議を解明|2026年2月6日
カバの皮膚の秘密

ここでは、番組でも触れられるカバの体について、筆者からの追加情報として紹介します。カバは水辺で長く過ごす動物ですが、その暮らしを支えている体の仕組みには驚くことが多いです。
厚さ4センチの皮膚が守っている
カバの皮膚はとても分厚く、場所によっては約4センチに達します。見た目はつるんとしていますが、その下には重くて強い皮膚の層があり、外からの衝撃や乾燥から体をしっかり守っています。アフリカの強い日差しの下でも皮膚が傷みにくいのは、この分厚い皮膚のおかげです。
赤い液体のひみつ
カバの体から出てくる“赤い汗”と呼ばれる液体は、汗ではなく、特別な分泌腺から出るものです。最初は透明ですが、空気に触れると赤やオレンジ色に変わります。この液体には日焼け止めのように紫外線をはね返す力があります。また、細菌が増えるのをふせぐ働きもあり、皮膚を清潔に保つ手助けをしています。
水辺の暮らしを支える仕組み
アフリカの川や湖は日差しが強く、水の中と外をくり返し移動するカバにとっては過酷な環境です。分厚い皮膚と赤い分泌液が合わさることで、カバは暑さや細菌から身を守り、長い時間を水辺で過ごすことができています。こうした体の工夫が、カバが水陸どちらでも元気に動ける理由につながっています。
気になるNHKをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。


コメント