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NHK【探検ファクトリー】丸亀うちわの老舗・株式会社ヤマダを探検!丈夫でしなる伝統と最新工場の裏側|7月5日放送

探検ファクトリー

丈夫でよくしなるうちわ作りの秘密|2025年7月5日放送

2025年7月5日(土)のお昼12時15分から、NHK総合で放送予定の「探検ファクトリー」では、夏の風物詩・うちわの製造現場が紹介されます。今回の舞台は、日本一のうちわ生産量を誇る香川県丸亀市にある老舗うちわメーカー「株式会社ヤマダ」の工場です。番組では、人気漫才コンビ中川家と、すっちーが工場を訪れ、伝統と最新設備が融合したうちわ作りを“探検”します。うちわは夏祭りやスポーツ観戦、イベントなどで欠かせないアイテムです。身近な存在ですが、その製造過程はあまり知られていません。この放送を通じて、丈夫でよくしなる丸亀のうちわがどのように作られているのかが明かされます。

丸亀市はうちわの日本一の町

香川県丸亀市は、日本のうちわ生産の約90%を占める、全国一のうちわの町です。その歴史は400年以上も続いており、最古の記録は1600年ごろといわれています。旅僧が九州地方で一宿のお礼にうちわ作りの技法を伝えたことが始まりとされ、熊本の「来民うちわ」や丸亀うちわのルーツになったと言われています。

さらに、1633年には金光院の住職が「渋うちわ」を考案しました。これは朱色の地に「丸金」の印が入ったうちわで、金比羅参りのお土産品として全国に広まりました。江戸時代の後期には、丸亀藩の武士たちが内職としてうちわ作りを行い、地域の経済にも大きく貢献しました。明治時代に入ると、より大量生産に適した「男竹平柄うちわ」が考案され、海外への輸出も始まりました。大正から昭和初期には機械の導入が進み、丸亀はうちわの生産地として不動の地位を築きました。そして1997年には経済産業省から「伝統的工芸品」にも指定されています。

丸亀うちわの特徴と伝統製法

丸亀の伝統的なうちわは、竹と和紙を使用し、47にも及ぶ細かな工程を経て完成します。主な工程は次のとおりです。

・竹を40~45センチに切り、幅に割り、節を削る「木取り」
・竹を細かく割き、節に穴を開ける「割き」と「穴あけ」
・小刀で柄の部分を整え、滑らかにする「柄削り」
・女性職人が糸で穂を編み、形を整える「編み」
・左右対称に整え、糸でしっかり固定する「付け」
・骨にのりを塗り、地紙を丁寧に貼りつける「貼立」
・木づちで形を整え、フォルムを仕上げる「型切り」
・縁を紙で巻き、耳を貼りつけて圧縮する「へり取り」

このように、多くの工程と熟練の技が必要なため、伝統的な竹製うちわは今や数万本程度の貴重な存在になっています。

株式会社ヤマダが支える現代のうちわ産業

番組で紹介される「株式会社ヤマダ」は、明治35年(1902年)創業の老舗メーカーです。本社と工場は丸亀市蓬莱町にあり、社員数は約50人、年間約9.7億円を売り上げる企業です。伝統を大切にしながら、最新の設備やエコ素材を取り入れた製品づくりが特徴です。

現在、丸亀市で生産されるうちわの約9割はポリプロピレン製です。株式会社ヤマダでは、プラスチック骨の製造から地紙の印刷、貼付け、型抜きまでを全て自社で行う一貫生産体制を確立しています。さらに、次のような取り組みが行われています。

・再生プラスチックやおから入り樹脂、海洋プラごみ再利用、石灰石由来のLIMEX素材の使用
・紫外線で色が変わる特殊なうちわや、蓄光素材を使った製品開発
・企業カラーやハート型など多彩なカスタム対応

高速自動印刷機の導入により、大量注文にも短納期で対応できます。夏祭り、スポーツ応援、コンサート、イベントなど、あらゆる場面で活躍するうちわがここで作られています。

うちわ工場の現場を探検

番組では、香川県丸亀市のうちわ工場の内部が詳しく紹介されました。工場では、まずうちわの骨の部分を作る工程から始まります。材料は粒状のポリプロピレンというプラスチックで、これを高温で溶かしてから冷たい金型に流し込み、一気に冷やして形を作ります。骨の数はとても重要で、少なすぎると紙がしっかり貼れず、多すぎると樹脂が型に流れにくくなるため、細かい調整が欠かせません。

次はデザインの工程です。うちわの紙には、見せたい部分を大きく中央に配置して印刷します。印刷のインクは4色で、工場ではその色を当てるクイズも出されました。正解は、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの4色です。この4色を混ぜて、さまざまな色を表現し、鮮やかできれいなデザインを完成させます。

印刷が終わった後は、表面にコーティングをします。このコーティングは、うちわを傷や汚れから守る大切な作業です。その後、機械で色の確認や微調整も行われ、色ムラやズレがないか細かくチェックされます。

次は紙を貼り付ける工程です。紙を両端から持ち上げ、空気を入れることで紙がきれいにそろい、骨にピッタリ貼ることができます。

この工程では以下のような工夫がされています。
骨にはあらかじめのりを塗っておく
・紙にはのりを塗らず、しなりを保つ
・2本のローラーを使って上下からしっかり貼り付ける

最後に、高速機で骨と紙をセットします。この機械はとてもスピーディーで、1時間に約2000本のうちわを製造することができます。大量に作れるだけでなく、品質も安定しているのが特徴です。

このように工場では、細かな工夫と正確な作業が重ねられ、丈夫でしなやか、そして美しい丸亀うちわが作られています。

しなやかさの秘密とエコな工夫

丸亀うちわが丈夫でしなやかな理由は、工場での細かな工夫にあります。うちわの骨には、あらかじめのりを塗ってから紙を貼り付けるのが特徴です。もし紙の方にのりを塗ってしまうと、紙が硬くなり、うちわ特有のしなりが失われてしまいます。そのため、工場では、2本のローラーを使い、骨の表面にだけのりをつける方法を採用しています。

この工程では、次のような流れで作業が行われます。
・骨にだけのりをつけることで、しなりが保たれる
・上下から紙をしっかり貼り付ける
・さらに上下から圧力をかけて、しっかり接着する

このような工夫により、丈夫でよくしなるうちわが完成します。さらに、紙が傷まないように、最後は低温で乾燥させるのもポイントです。乾燥後は、細かな検品が行われ、品質を確認してから出荷されます。

また、この工場では、環境に優しい取り組みも行われています。うちわの原材料には、再生プラスチックが50%使われています。さらに、海岸や浜辺で回収されたプラスチックごみを再利用した素材も積極的に使われています。こうすることで、海洋ごみの削減にもつながっています。

さらに驚くのは、おからから作られたうちわの存在です。おからは、豆腐を作るときに出る食材ですが、これを再利用して、うちわの一部として活用しています。身近な素材を使いながら、丈夫でしなやか、しかも環境に優しいうちわ作りが進められているのです。

丸亀うちわは、伝統を大切にしながらも、こうした新しい素材や技術を取り入れることで、これからも多くの人に愛され続けています。

丸亀うちわの未来と地域の取り組み

丸亀市では、伝統の竹製うちわ作りを未来へつなぐため、後継者育成や製造体験、展示会を積極的に実施しています。観光客向けの体験施設では、実際にうちわ作りを体験でき、地域の文化や歴史を学ぶことができます。

今回の番組では、中川家とすっちーが、最新設備が導入された株式会社ヤマダの工場を探検します。どのように丈夫でよくしなるうちわが作られているのか、昔ながらの技と現代の技術がどのように組み合わさっているのか、普段は見られない裏側が紹介される予定です。番組を通じて、丸亀のうちわ文化の魅力を再発見できそうです。ぜひ放送を楽しみにしましょう。

【情報ソース】
https://uchiwa-yamada.co.jp
https://marugameshi-kigyoushoukai.net
https://marugameuchiwa.jp
https://wa-gokoro.jp
https://story.nakagawa-masashichi.jp
https://intojapanwaraku.com
https://shikoku-tourism.com

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