能登半島地震2年 人口減少の中での復興
能登半島地震から2年が経ちました。時間がたてば元に戻ると思われがちな復興ですが、能登ではそう簡単には進んでいません。その背景にあるのが『人口減少』という、震災前から続いていた大きな課題です。この回の「明日をまもるナビ」では、被災地の今を丁寧に見つめながら、復興とは何か、そして私たち一人ひとりにできる関わり方を考えていきます。
※まだ放送前のため、番組内の具体的な発言ややり取りは含めていません。放送後に内容を反映して書き直します。
人口減少が復興を難しくする能登半島の現実
能登半島は、地震が起きる前から高齢化と人口減少が進んでいました。若い世代が仕事や進学をきっかけに地域を離れ、高齢者が多く残る構造は、すでに地域の体力を弱めていました。そこに大地震が起き、家を失った人や生活の見通しが立たなくなった人が、やむを得ず地域外へ移るケースが増えました。
住宅の再建が進まなければ、戻りたくても戻れない現実があります。商店や工場が再開できなければ、働く場所もありません。人口が減ることで、復興に必要な担い手も不足し、さらに復興が遅れるという悪循環が生まれています。番組では、こうした構造そのものが復興の壁になっている現実を見つめます。
長引く避難生活が心と体に与える重たい影響
地震のあと、多くの人が避難所や仮設住宅での生活を続けています。短期間であれば耐えられても、生活が何か月、何年と続くことで、体の不調や心の疲れが少しずつ積み重なっていきます。
十分に体を動かせないことによる体力低下、眠りの質の低下、先の見えない不安。こうしたものは、外からは見えにくいものです。生活再建が進まないこと自体がストレスとなり、「この先どうなるのか」という思いが心に重くのしかかります。復興の遅れは、建物だけでなく、人の心にも影響を及ぼしていることが伝えられます。
100年続く酒蔵を守りたい父と子の再建への挑戦
能登には、長い年月をかけて地域とともに歩んできた酒蔵があります。地震によって建物が壊れ、酒造りが続けられなくなった蔵も少なくありません。それでも「この土地の酒を絶やしたくない」という思いで、再建に立ち上がる人たちがいます。
父から子へ受け継がれてきた酒蔵は、単なる仕事場ではなく、地域の誇りであり、暮らしの一部です。再建には多くの困難がありますが、酒造りを再び始めることは、地域が前に進む象徴にもなります。番組では、こうした父子の奮闘を通して、産業復興の意味を考えます。
輪島市で子どもたちを支える医療と見えない心の傷
災害は子どもたちにも深い影響を残します。生活環境が一変し、学校や遊びの場が失われることで、心に不安を抱える子どももいます。輪島市では、限られた医療体制の中で、子どもたちを支える現場があります。
体の不調として表れることもあれば、元気がなくなる、眠れなくなるといった形で現れることもあります。子どもたちの変化は小さくても、その背景には大きな体験があります。復興とは、こうした見えない傷に目を向けることでもあると、番組は問いかけます。
若い移住者が動かす銭湯と民宿からの地域再生
能登では、地元の人だけでなく、外から関わる若い移住者の動きも始まっています。銭湯や民宿を引き継ぎ、地域の人と一緒に続けていこうとする取り組みです。
観光や交流の場を守ることは、地域に人の流れを生み出します。外から来た人だからこそ気づく魅力と、地元の人が大切にしてきた文化が重なり合うことで、新しい形の再生が生まれます。人口が減っても、地域が動き出す可能性があることを感じさせる場面です。
現地に行かなくても私たちができる支援のかたち
復興支援というと、現地でのボランティアを思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし、遠くに住んでいてもできることはあります。寄付をする、被災地の商品を選ぶ、情報を知り続けることも大切な支援です。
復興は長い時間がかかります。関心が薄れてしまうことが、被災地にとって一番つらいことかもしれません。この番組では、日常の中で続けられる関わり方を示し、支援の形は一つではないことを伝えます。
まとめ
能登半島地震から2年が経った今、復興は新しい段階に入っています。人口減少という大きな課題を抱えながら、それでも前に進もうとする人たちの姿があります。この回の「明日をまもるナビ」は、能登の現実を通して、日本全体がこれから向き合う復興の形を考えるきっかけを与えてくれます。
NHK【うまいッ!】負けんわい!能登の“食”〜石川・能登半島〜 揚浜塩×能登牛×白米千枚田×輪島の新米|2025年12月11日
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