能登の“食”が立ち上がる!被災から1年、未来へ動き出す人たち
「地震のあと、能登の食はどうなったの?」
そう気になっている方も多いのではないでしょうか。2024年の元日に発生した令和6年能登半島地震は、町や港、畑を容赦なく襲い、多くの生産者たちの生活を一変させました。それでも、能登の人たちは“食を絶やさない”という強い思いで再び立ち上がっています。
この記事では、2025年11月9日放送予定のNHK総合『うまいッ! 負けんわい!能登の“食”〜石川・能登半島〜』のテーマをもとに、被災地で動き始めた生産者の姿、復活しつつある食材、そして食を通じて広がる応援の輪について詳しく紹介します。放送後には、番組内で登場した生産者や料理の詳細を追記予定です。
NHK【有吉のお金発見 突撃!カネオくん】能登の揚浜式製塩とかん水の科学、世界が注目するソルトアート・ディノ・トミックとは|2025年10月12日
被災から1年、立ち上がる能登の生産者たち
2024年1月1日の地震では、能登半島の広い範囲が隆起し、道路や港湾が破壊され、田畑が裂けるなどの深刻な被害を受けました。それから1年、被災地の人々は“元に戻す”のではなく“新しい形で食を守る”という強い意思を持って動き始めています。
有機野菜の生産者の中には、自宅兼作業場が倒壊し、15ヘクタールもの畑が地割れや冠水に見舞われた人もいます。それでも、彼らは畑の土を再生させ、もう一度出荷を再開する道を選びました。災害で失ったものを取り戻すのではなく、自然と共に生き直すという姿勢が見えます。
一方で、揚浜式塩づくりの現場では、海岸の隆起で塩田が壊滅的な打撃を受けました。しかし、珠洲市の製塩職人たちは「この塩を絶やしてはいけない」と立ち上がり、手作業で砂をならし直し、再び海水を汲み上げて火を入れています。塩づくりは地域の誇りであり、復興の象徴でもあるのです。
また、支援団体や自治体も物資の提供だけでなく、販路の再構築やフードバンクとの連携などを通じて生産者を支えています。災害から1年を経ても、物流やインフラには課題が残りますが、能登の食を守る“人の力”が確かに息づいています。
災害を乗り越えた食材たち
能登の食の豊かさは、海と山が共にある自然の恵みから生まれています。地震で傷ついた土地や施設が少しずつ再建され、再び「能登らしい味」が戻りつつあります。
まず注目すべきは、伝統製塩の「揚浜式塩」。珠洲の塩田では、塩釜が崩れ、道具が流されましたが、職人たちは自らの手で修復を続け、製塩を再開。太陽と風を頼りに海水を濃縮し、火を入れて仕上げるその塩は、“奇跡の塩”として全国から注目を集めています。
農産物も少しずつ復活しています。能登特産の赤土ごぼうや能登かぶらなどは、土壌改良からやり直す必要がありましたが、再び市場に出荷されるようになりました。有機農家の中には、被災をきっかけに「地元の若い世代に農業を伝えたい」と、新たな研修制度を始めた人もいます。
水産物では、隆起した漁港の修復が進み、寒ブリや甘エビなどの漁も再開されました。被災後、漁業者たちは小さな船で少しずつ漁を再開し、地元の直売所や道の駅で販売を再開。地域内消費からスタートした取り組みが、今では観光客のリピートにつながっています。
また、能登牛の畜産農家も被害を受けましたが、避難先で飼育を続け、地元に戻って再開した人も多くいます。復興後に再出荷された能登牛は、味わい深く「これこそ能登の力」と称されました。
“うまいッ!”がつなぐ復興の輪
番組タイトル『うまいッ!』が示すように、“食”には人を元気にする力があります。能登の復興は、地域内だけでなく、全国の人たちを巻き込みながら広がっています。
東京では「のともっとMARCHE TOKYO」が開催され、29の生産者が能登の味を届けました。能登野菜、揚浜塩、能登牛、船凍イカなど、被災を乗り越えた食材が勢ぞろいし、都市の消費者と生産者が直接つながる場となりました。「買って応援」ではなく「味わって応援」という形が、確実に広がっています。
また、全国各地で行われている復興BBQイベントでは、能登の海産物が使われ、家族連れや若い世代も気軽に参加。食を通して支援が身近になることで、被災地の経済にも活力が戻りつつあります。
現地では、観光客が訪れることそのものが支援になるという考えから、塩田見学や体験型ツアーも再開されています。「見て、触れて、味わって応援する」ことが、能登の新しい復興スタイルとして定着しつつあります。
こうした動きは単なる復旧ではなく、新しい価値を生み出す地域づくりへと発展しています。番組では、こうした取り組みを通じて「食が人をつなぐ力」を再確認できるでしょう。
まとめ
この記事のポイントは以下の3つです。
・被災から1年、能登の生産者たちは「食を絶やさない」ために再び立ち上がっている。
・能登牛・地魚・揚浜塩・能登野菜など、災害を乗り越えた食材が次々に復活している。
・『うまいッ!』を通して、“食”が全国と能登を結ぶ架け橋となっている。
放送後には、番組で紹介される生産者の名前・料理・現地の声を追記予定です。能登の“うまいッ!”が、どんな未来を描くのか――食の力で立ち上がる人々の姿に、ぜひ注目してください。
参考・出典リンク
・FNNプライムオンライン「能登の塩田、隆起で被害も“塩づくり”再開へ 被災職人の挑戦」
https://www.fnn.jp/articles/-/751666
・treasures-japan.com「美味しく食べて『能登』を応援しよう!被災地から届く復興野菜」
https://treasures-japan.com/%E7%BE%8E%E5%91%B3%E3%81%97%E3%81%8F%E9%A3%9F%E3%81%B9%E3%81%A6%E3%80%8C%E8%83%BD%E7%99%BB%E3%80%8D%E3%82%92%E5%BF%9C%E6%8F%B4%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86%EF%BC%81/
・PR TIMES「能登の魅力を丸ごと東京へ!『のともっとMARCHE TOKYO』開催」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000059.000127255.html
・PR TIMES「能登の海産物で復興支援BBQイベントを開催」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000090549.html
・石川県観光公式サイト(ほっと石川旅ねっと)「能登の塩づくり体験と見学ができる場所」
https://www.hot-ishikawa.jp/feature/detail_393.html
・2hj.org(セカンドハーベスト・ジャパン)「能登半島地震被災地への食支援レポート」
https://2hj.org/news_press/7734/
・グリーンコープ連合「被災地支援活動報告:能登の生産者を応援」
https://www.greencoop.or.jp/news/2024/0401_1.html
・ウィキペディア「2024年能登半島地震」
https://ja.wikipedia.org/wiki/2024%E5%B9%B4%E8%83%BD%E7%99%BB%E5%8D%8A%E5%B3%B6%E5%9C%B0%E9%9C%87
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