NHK【うまいッ！】湖と海で育つ！絶品ほたて 〜北海道・北見市〜 サロマ湖養殖の秘密と常呂町漁師の挑戦｜2025年9月28日

北海道のほたてがすごい理由を探る

海鮮といえば北海道。特に「ほたて」は寿司や海鮮丼、家庭料理にまで幅広く登場する人気の食材です。でも「どうして北海道のほたてはこんなにおいしいのか？」と疑問に思ったことはありませんか？今回のNHK総合「うまいッ！」では、北海道北見市常呂町を舞台に、湖と海を行き来しながら育つほたての秘密に迫りました。この記事では番組内容をもとに、養殖の工夫、漁師の知恵、地域の誇り、そして家庭でも楽しめるレシピまで詳しく紹介します。

北海道ほたての圧倒的なシェアと存在感

オープニングで天野ひろゆきさんが「ほたては青森のイメージがあった」と話していましたが、実際には国内でとれたほたての92％が北海道産（令和6年漁業・養殖業生産統計）。青森県も有名ですが、漁獲量の面では北海道が圧倒的なのです。中でもオホーツク海やサロマ湖は一大産地。冷たく澄んだ海と湖の環境が、肉厚でプリップリの貝柱を育てます。

サロマ湖での丁寧な育成

45年のベテラン漁師、中川さんが登場しました。ほたての養殖は、春にオホーツク海に流れる赤ちゃんほたて（稚貝）をネットで回収するところから始まります。生まれたばかりのほたては、なんと約0.26mm。肉眼で数えるのも難しいほど小さいため、どれくらいネットに付いているかは漁師さんでも予測できません。

集められた稚貝はサロマ湖に移されます。湖は外海に比べて波が穏やかで、栄養分も豊富。ここで1年間、かごに入れられながら育ちます。成長に合わせてかごを何度も入れ替え、大きなものだけを残していく「選別作業」が繰り返されます。この作業は人の目と手による細かい確認が欠かせません。ある日、漁師さんたちが生後3か月の稚貝と対面すると、70万個もの小さなほたてが姿を現しました。こうした地道な作業が、うまいッ！ほたてを生み出しているのです。

オホーツク海での3年間の自由育成

最初の1年を湖で過ごしたほたては、その後オホーツク海の広大な海底に放たれます。ここで約3年間、自由に動きながら育つことで、貝柱はどんどん厚くなり、プリプリの食感を持つようになります。

ただし、海での育成は自然相手。台風や低気圧の影響でかごや貝が傷つく危険もあり、漁師たちは常に海の状態を見ながら対応します。また水揚げ時には、砂が貝の中に入らないよう、ひとつひとつ丁寧に扱う必要があります。こうした細心の注意があってこそ、食卓に届くときにあの透明感のある甘みが守られるのです。

常呂町と地域の誇り

今回の舞台である北見市常呂町は、カーリングチームロコ・ソラーレの拠点としても全国に知られています。冬は氷上のスポーツが盛んですが、同時に「ほたての町」としての顔も持っています。サロマ湖とオホーツク海に支えられた町は、古くから漁業とともに歩んできました。地域の漁業協同組合も連携しながら、後継者育成や資源保護に取り組み、未来へ続く「ほたてブランド」を守っています。

家庭で楽しめる！絶品ほたて料理

番組の最後では、家庭でも簡単に楽しめる2つの料理が紹介されました。素材の持ち味を活かしながら、手軽に作れるメニューです。

『ほたての中華炒め』

＜材料＞4人分
・ほたて貝柱（大）：6個
・たまねぎ：1/2個
・ピーマン：1個
・ぶなしめじ：適量
・砂糖：小さじ1
・みりん：大さじ2
・オイスターソース：大さじ1
・しょうゆ：大さじ1
・サラダ油：大さじ2
・ごま油：適量
・小麦粉：適量
・塩こしょう：適量

＜作り方＞
1）ほたてを横半分に切り、塩こしょうをふって10分置き水分を出す。
2）たまねぎとピーマンを食べやすく切り、ぶなしめじは石づきを切る。
3）ほたてに小麦粉を薄くまぶす。
4）フライパンでほたてを軽く焼き、一旦取り出す。
5）同じフライパンで野菜を炒める。
6）しょうゆ・砂糖・オイスターソース・みりんを混ぜた調味料を用意。
7）野菜に火が通ったらほたてを戻し、調味料を加えて炒める。
8）仕上げにごま油を回しかけて完成。

※オイスターソースのコクとほたての甘みが抜群に合い、ご飯が進む一品です。

『ほたてのミミとめかぶのあえもの』

＜材料＞4人分
・ほたてのミミ（ひも）：10個分
・味付きめかぶ：適量
・塩：適量

＜作り方＞
1）ほたてのミミに塩を加え、よく混ぜてから水を張ったボウルに30分ほど置く。
2）水を何度も替えてぬめりや汚れを落とす。
3）水気を切り、食べやすい大きさに切る。
4）同じ量のめかぶと混ぜ合わせて完成。

※シンプルながら磯の香りが楽しめ、酒の肴にもぴったりです。

まとめ

この記事で伝えたポイントを整理すると、次の通りです。
・北海道は国内ほたて生産の92％を占める一大産地
・サロマ湖とオホーツク海を行き来させる独自の養殖法で、うまみと食感を両立
・漁師の手作業による丁寧な管理が品質を支えている
・家庭でも楽しめる『ほたての中華炒め』『ほたてのミミとめかぶのあえもの』は必見

北海道のほたては、自然の恵みと人の努力が一体となって生み出された「奇跡の味」。食卓に並ぶ一皿の裏側には、漁師の技と地域の誇りが込められています。スーパーや魚市場で見かけたら、ぜひ手に取って、その豊かな味わいを体験してください。