ゴルフが“再び熱い”理由。令和のプレースタイル革命が始まっている
「最近、まわりでゴルフを始めた友達が増えた気がする」そんな声をよく耳にしませんか?
かつてはサラリーマンの社交場だったゴルフが、いま再び注目を集めています。昔は「上司との付き合い」で行くものというイメージでしたが、今では20代・30代のプレイヤーがSNSにスイング動画を上げる時代です。
この記事では、2025年10月5日放送の『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』で紹介された最新ゴルフ事情をもとに、ゴルフ業界がどのように“再成長”しているのかを解説します。
読むことで、あなたが知らなかった“ゴルフとお金の深い関係”が見えてくるはずです。
若者が集まる新サービス!格安会員制とナイトゴルフの登場
番組の冒頭では、有吉弘行がゲストの笠松将、SUZU(ME:I)、おいでやす小田とともにトークを展開。スタジオは笑いに包まれながらも、テーマにぴったりな“お金の話”から始まりました。
有吉が「最近、何にお金を使った?」と問いかけると、笠松将は「マネージャーに服をプレゼントした」と即答。意外な気配りエピソードにスタジオがほっこりし、他の出演者も思わず笑顔に。そんな温かな雰囲気の中で、今回のテーマ“ゴルフ”の話題へと移っていきました。
昭和の時代、ゴルフは“出世するための社交の場”として位置づけられていました。会社の上司とのラウンドが“評価の一部”とも言われ、ビジネスパーソンにとっては必須のスキル。
しかし、令和の今ではそのイメージが大きく変化。ゴルフは若者が自分のペースで楽しむスポーツとして再び注目されています。休日に友人や家族と出かけるだけでなく、SNSでスイング動画をシェアしたり、ファッションとしてゴルフウェアを楽しむ若い層も増えています。
この新しいゴルフ文化の象徴として紹介されたのが、栃木県鹿沼市のゴルフ場が導入した「35歳以下限定の会員制度」。
入会金はわずか2750円、年会費も1万9800円という手軽さで、これまで敷居の高かったゴルフの世界に若者が次々と参加しています。通常、ゴルフクラブの会員権は数十万円〜数百万円が一般的。それを考えると、この制度は“業界の常識をくつがえす価格設定”といえます。
利用者は20代から30代前半が中心で、初心者の友人同士やカップルでの利用も多く、「お金をかけずに本格的なコースを体験できる」と好評です。
さらに番組では、夕方から楽しめる「ナイトゴルフ」も紹介されました。照明でライトアップされたコースに、幻想的な光が広がる光景は圧巻。昼間とは違った雰囲気の中で、リラックスした気分でプレーできると人気を集めています。
仕事帰りに立ち寄る社会人ゴルファーも増えており、プレーフィーも通常より抑えめ。BGMが流れるコースや、軽食やドリンクを楽しめる“ナイトバー付きプラン”なども登場しています。
この取り組みは、若者だけでなく女性や初心者にとっても参加しやすいスタイルとして定着しつつあります。
ライトの下でスイングする人々の笑顔は、かつての「接待スポーツ」というイメージを完全に覆しています。
夜風を感じながら楽しむゴルフは、今や“おしゃれな夜のアクティビティ”。
栃木県鹿沼市の取り組みをきっかけに、全国のゴルフ場でもナイトゴルフ導入の動きが広がりつつあり、ゴルフの世界は確実に新しい時代を迎えています。
ゴルフ場の裏側に潜む“3億円の投資”
千葉県山武郡にある広大なゴルフ場では、グリーンキーパーの石井浩貴さんがコースの裏側を丁寧に案内しました。緑の絨毯のように整ったフェアウェイやグリーンは、彼のような専門スタッフの技術によって支えられています。
日本には現在、約2200カ所のゴルフ場があり、この数はアメリカ・イギリスに次いで世界第3位。気候の多様さや地形を活かしたコース設計が評価され、国内外のゴルファーから高い人気を集めています。
コースに出ると、まず目を引くのが芝生の美しい模様。整然と並ぶ縞模様は「ストライプカット」と呼ばれ、芝刈り機の進行方向と帰る方向で芝の倒れる角度が変わることで、光の反射により色が違って見える仕組みです。プロトーナメントでも使用されるこの技術は、見た目の美しさだけでなく、芝の健康状態を均一に保つための工夫でもあります。
このほかにも「ダイヤモンドカット」「ゼブラカット」など、デザイン性を重視した刈り方があり、コースの印象を大きく左右しています。まさに芝生のアートとも言える職人技です。
こうした繊細な手入れを支えるのが、総額3億円を超えるスプリンクラーシステム。敷地内にはなんと約800基のスプリンクラーが設置されており、気温・湿度・風向きに応じて自動で水量を調整。芝が乾燥しすぎても病気になり、湿りすぎても根が腐るため、わずかな水分バランスが命です。管理センターではコンピューターによる一元管理が行われ、スマートフォンやタブレットから遠隔操作も可能になっています。近年ではAI制御の導入も進み、効率的かつ環境に優しい運営が実現しています。
さらに、コースを構成する要素の中で欠かせないのがバンカー。このゴルフ場では福島県産の石灰石を砕いた砂を使用しています。白く輝くその砂は見た目が美しいだけでなく、水はけがよく、クラブの抜けが滑らかでプレーしやすいのが特徴。
一つのバンカーにかかる砂の費用は約20万円。全体で105カ所もあるため、砂代だけで4000万円以上のコストがかかっています。風や雨で砂が流れるたびに補充が必要で、スタッフはほぼ毎日メンテナンスを行っています。
こうして、芝生の刈り込みから灌水、バンカーの補修まで、すべての作業が緻密な計算と経験によって支えられています。
プレイヤーが気持ちよくスイングし、グリーン上でボールが美しく転がるのは、こうした見えない職人たちの努力と莫大な設備投資の上に成り立っているのです。
美しいグリーンを守る日々のメンテナンス
番組では、大西ライオンも登場しました。芸能界でも知られるほどのゴルフ好きで、ベストスコアはなんと69。アマチュアながらプロ並みの腕前を持ち、ゴルフ関連番組や大会にもたびたび出演しています。そんな彼が今回の取材で驚いたのが、カップ(ホール)の位置を毎日変える理由でした。
ゴルフコースのグリーン上にあるカップは、見た目には変化が少ないように見えますが、実は毎朝スタッフが新しい位置に掘り直しています。これは単なる気分転換ではなく、芝を守るための大切な作業です。毎日同じ場所でプレーを続けると、その周辺だけに足跡やボールマークが集中し、芝が踏み固められて弱ってしまいます。その結果、ボールの転がりが不均一になり、コース全体の品質が落ちてしまうのです。グリーンを健康に保つためには、毎朝カップを掘り直して均等に使うことが欠かせません。
この作業を行うのが、グリーンキーパーと呼ばれる専門職。彼らは早朝から芝の状態を見極め、地面の硬さや傾斜、風向き、日照条件まで考慮して最適な位置を決めます。芝を切り取り、専用の器具で新しい穴を開け、カップを設置し、切り取った芝をもとの穴に丁寧に戻す。すべての動作に経験と精密な感覚が求められます。プレイヤーが「今日は転がりがいい」と感じる背景には、こうした職人の手仕事があります。
また、グリーンを“速く転がる”状態に保つためには、芝の刈り込みと“圧力の管理”が重要です。芝を短く均一に刈ることで抵抗を減らし、ボールのスピードが増しますが、それだけでは理想のグリーンは作れません。芝を軽くローラーで押さえ、適度な圧力で密度を高めることで、表面が滑らかに整えられるのです。この圧力の加減は非常に繊細で、強すぎれば芝の根が傷み、弱すぎればボールが不安定に跳ねます。まさに“ミリ単位の感覚”が試される世界です。
さらに、グリーンの湿度や芝の密度も日々チェックされています。湿度が高すぎるとボールの転がりが鈍り、乾燥しすぎると芝が枯れてしまうため、スプリンクラーの水量調整も細かく行われています。天候や季節によって条件が変わるため、まるで生き物を育てるように管理されているのです。
このような緻密な作業を積み重ねることで、プレイヤーが常に最高のコンディションでプレーできる環境が生まれます。ゴルフ場は単なるスポーツ施設ではなく、自然と人が共に呼吸する“緑のインフラ”とも言える存在。美しく整えられたフェアウェイやグリーンの裏には、数多くの人の努力と技術が息づいています。
打ちっぱなし練習場の裏方たち
深夜の神奈川県藤沢市。時刻は夜11時を過ぎていますが、広いゴルフ練習場ではまだ作業の灯りがともり、静かなグラウンドの上でスタッフたちが動き始めます。ここから始まるのが、ボール回収の夜間作業です。
専用のカートの後部に取り付けられた大型の回収カゴを引きながら、スタッフがグラウンドを何度も往復。地面に無数に散らばる白いボールを一つ残らず拾い上げていきます。カゴの底には細かなワイヤーが張られ、ボールを弾ませながら効率的に回収できる仕組み。ドライバー練習用の打球は勢いが強いため、カートの車体は鉄板で覆われており、安全性にも配慮されています。静かな夜の空気の中、カートのエンジン音とボールが転がる軽い音だけが響きます。
集められたボールは、次に洗浄エリアへと運ばれます。地面に張り巡らされた水路に一気に流し込み、流水の力で大まかな汚れを落とします。その後、専用の自動洗浄機で洗剤を使いながら丁寧にクリーニング。泥や芝の繊維、ゴム跡を落とし、磨かれたボールはレールコンベアで運ばれていきます。
洗い終わったボールは、最後にティーアップ機のタンクへと送り込まれます。このティーアップ機は、センサーがボールを自動的にセットするシステムで、練習者が打った後もすぐ次のボールが出てくる仕組みです。回収から洗浄、補充までが一連の流れで自動化されており、人の手をほとんど介さずに運用されています。
このシステムのおかげで、練習場は夜間でも効率的に稼働し、翌朝には清潔なボールが整然と並んだ状態で利用者を迎えることができます。ゴルフ練習場の運営には、こうした裏方のテクノロジーと作業スタッフの努力が欠かせません。
かつては手作業で行われていたボール回収や清掃も、いまでは自動走行カートや水循環型洗浄システムの導入により、作業時間は大幅に短縮されました。中にはAI制御でボールの残量を検知し、最適ルートで回収する施設も登場しています。
ゴルフはプレイヤーが主役のスポーツと思われがちですが、その舞台裏には、こうした支える人々の技術革新があります。静まり返った夜の藤沢の練習場で、スタッフたちは翌日のプレーのために汗を流し、次の朝、ゴルファーが気持ちよく一球目を打てる環境を整えているのです。
驚き!池に向かって打てる練習場
千葉県長生郡にあるゴルフ練習場は、全国でも珍しい独自のスタイルで注目を集めています。なんとここでは、芝の上ではなく池に向かってボールを打つというユニークな練習体験ができるのです。打席から見えるのは広大な水面。太陽の光を反射する池に向かってボールを打ち込む爽快感は、他では味わえない魅力です。
使用されているのは、水に浮くように設計された特製の軽量ボール。通常のボールよりも内部の空気量が多く、比重が軽いため、水面に浮かびながら遠くまで転がるように設計されています。これにより、芝生のメンテナンスにかかるコストや手間が大幅に削減されました。雨の影響を受けにくく、芝の補修も不要なため、年間を通して安定した運営が可能になっています。
ボールの回収も独特で、スタッフがボートに乗って池を回りながら専用の網でボールをすくい上げるという方法を採用。ボートの後部には大きなネットが取り付けられ、浮かんでいるボールを効率よく集めることができます。天候や風向きを見ながら慎重に作業が行われ、1回の回収で数千個ものボールが集まることもあるそうです。
この回収作業を支えるのが、約1000万円のボール回収専用機械。エンジン駆動で池の上をスムーズに移動し、水流や風の影響を最小限に抑えながらボールを吸い込むように集める仕組みです。定期的なメンテナンスも行われており、安定した運用を支えています。従来の芝生グラウンドに比べて維持費が抑えられるうえ、回収効率も高く、コストパフォーマンスと作業性の両立が実現しています。
さらにこの施設は、経済性だけでなく“遊び心”にもあふれています。夜間にはライトアップが施され、水面に反射する光が幻想的な雰囲気を演出。カップルや若いゴルファーが写真を撮りに訪れるなど、「映える練習場」としても人気を集めています。
ゴルフはもともと自然と共存するスポーツですが、この長生郡の練習場はその概念を一歩進め、環境への配慮とエンターテインメント性を兼ね備えた新時代のゴルフ施設として注目されています。水面を舞う白いボールと光のコントラストが、訪れる人々に新しいゴルフの楽しみ方を教えてくれる場所です。
芸能人たちの“スポーツ愛”トーク
スタジオでは、出演者たちが「夢中になったスポーツ」について語り合い、大いに盛り上がりました。普段は見ることのできない一面が次々と明かされ、会話の中にはそれぞれの人柄や努力がにじんでいました。
まず話題を振られたのは、俳優の笠松将。彼は現在、仕事の合間を縫って格闘技「グラップリング」に打ち込んでいると語りました。グラップリングとは、打撃ではなく組み技中心の格闘技で、相手を倒したり関節を極めたりする技術を競う競技です。笠松はその魅力について「自分の体一つで勝負する純粋さが好き」と話し、ストイックな一面をのぞかせました。撮影現場でも筋力トレーニングを欠かさず行い、役作りの一環として体を鍛え続けているというエピソードに、有吉弘行も「本気度が違うね」と感心していました。
続いて登場したのは、ガールズグループME:IのメンバーであるSUZU。彼女はなんと4歳から空手を始めたと明かし、しかも全国大会で2度優勝という輝かしい実績を持つ本格派。スタジオからは驚きの声が上がりました。SUZUは「小さい頃は練習がつらくて泣いたこともあったけど、礼儀や集中力を教えてくれたのが空手でした」と笑顔で話し、アスリートとしての芯の強さを見せました。現在もその精神力がパフォーマンスやグループ活動に生かされており、まさにスポーツが彼女の基盤になっていることが伝わりました。
そしておいでやす小田は、自身の学生時代を振り返りながら「中学から大学までバスケットボール一筋だった」と語りました。高校ではレギュラーとして活躍し、大学ではキャプテンを務めた経験もあるとのこと。真面目で熱血な性格ゆえに、後輩たちに厳しく指導していた時期もあったそうで、「練習をボイコットされたこともあった」と苦笑交じりに語ると、スタジオは爆笑に包まれました。彼の語り口からは、努力家で不器用ながらも人一倍熱い青春時代が伝わってきました。
番組全体を通して印象的だったのは、バラエティ番組でありながらも、出演者たちがそれぞれにスポーツを通して学んだ“向き合う姿勢”や“自分を磨く力”を真剣に語っていたことです。笑いの裏には、それぞれが築いてきた努力の物語があり、視聴者にとっても「何かに夢中になれることの尊さ」を感じさせる温かい時間となりました。
まとめ
この記事のポイントは以下の3つです。
・ゴルフ業界は若者・女性層をターゲットに新たな仕組みを展開している
・コース維持には数億円単位の設備投資と緻密な職人技がある
・インドアやナイトゴルフなど“新しい遊び方”が市場を広げている
ゴルフはもはや“おじさんのスポーツ”ではなく、令和のライフスタイル産業として再評価されています。
若者が、仕事帰りにナイトゴルフで汗を流す。週末に友人と芝の上で語り合う。そんな未来がすでに始まっています。
出典:NHK総合『有吉のお金発見 突撃!カネオくん より快適にプレーしやすく!ゴルフ最前線』(2025年10月5日放送)
https://www.nhk.jp/p/ts/X8R3J4X5G2/
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