クジラたちが大集結する“秘密の海”とは?
世界の海にはさまざまな生き物がいますが、その中でも圧倒的な存在感を放つのがクジラです。ところで、あなたは「なぜクジラが一か所に数千頭も集まるのか」と考えたことはありませんか?普段は広大な海に散らばって暮らしているはずのクジラたちが、まるで祭りのように大集合する現象。しかもその場所は、魚もプランクトンもほとんど見かけない透明度の高い海――。そんな不思議な光景が、インド洋スリランカ沖で確認されています。「どうして?」と首をかしげるのは、専門家だけではありません。自然や動物が好きな人なら、きっと同じように気になるでしょう。私自身も最初にこの話を聞いたとき、想像が追いつかないほどの神秘に圧倒されました。この記事では、その秘密を解き明かす手がかりを紹介し、さらに番組『ダーウィンが来た!』が届ける迫力満点の映像の魅力についても詳しくまとめます。放送を前に知識を整理しておけば、番組をより深く楽しめるはずです。
インド洋スリランカ沖に集まる数千頭のクジラ
まず注目すべきは舞台となるスリランカ沖の海。この海域には、地球最大の動物として知られるシロナガスクジラが姿を見せます。体長30メートルを超える個体も確認され、体重は200トンにも達するといわれています。そんな巨体のクジラが一頭ではなく数百、さらには数千という単位で集まる様子は、まさに壮観。通常、これほどの数が一度に集まるのは「食べ物が豊富にある海」で起こる現象です。例えば、南極海のようにオキアミやプランクトンが大量発生する場所では群れを作ります。しかし、スリランカの海は澄み渡り、獲物の姿はどこにも見えません。透明度が高いのは観光客にとって美しい景観ですが、クジラにとっては「食料が少ない環境」に思えます。なのに、なぜ大集合するのか。この違和感が、研究者の心をとらえて離さないのです。
ヒマラヤ山脈が生んだ養分の旅
その謎を解くカギが『ヒマラヤ山脈』にありました。数千キロ離れた山々から雪解け水や雨水が流れ出し、川を通じて栄養分が運ばれていきます。やがてそれはガンジス川などの大河を経てインド洋に注ぎ込み、複雑な海流に乗ってスリランカ沖にたどり着くのです。見た目は澄み切った海でも、水の中には目に見えないほど小さな栄養粒子が含まれています。この栄養分が植物プランクトンを育み、それを食べる小魚やオキアミが集まり、最終的にはクジラの大群を呼び寄せるのです。つまり、「山と海の循環」という壮大な仕組みが、この大集結を生み出していたのです。『山で起きた出来事が、遠く離れた海の生態系に影響を与える』という地球規模のつながりは、私たち人間にとっても大きな学びになります。
マッコウクジラが見せた不思議な行動
さらに番組では、マッコウクジラの貴重な映像も紹介されます。マッコウクジラといえば、深海で巨大イカを狩ることで知られる海のハンター。そのため普段は単独または小規模な群れで行動することが多い生物です。しかしスリランカ沖では、驚くべき行動が目撃されました。数十頭のマッコウクジラが密集し、体をこすり合わせるように触れ合っていたのです。まるでじゃれ合っているかのようにも見えるこの行動は、科学的にもほとんど記録がありません。可能性として考えられるのは「群れの結束を強めるため」「寄生虫を落とすため」「情報を交換するため」などですが、まだ結論には至っていません。自然界の未知の一端を垣間見られる、まさにスクープ映像といえるでしょう。
番組を通して見える自然の壮大なつながり
今回の特集で伝えたいのは、単に「クジラが集まった」という驚きではなく、その背景にある地球規模の循環です。山から川へ、川から海へ、そして海から再び命がつながっていく。その流れの中でクジラという巨大な生物が暮らしていることは、自然の仕組みがいかに緻密で壮大かを物語っています。私たち人間の暮らしもまた、この循環の一部です。遠く離れたヒマラヤでの環境変化が、スリランカのクジラたちに影響するように、地球のどこかでの出来事は必ず別の場所へとつながっています。
記事のまとめと次の行動
この記事の重要なポイントを整理すると以下の通りです。
・スリランカ沖には数千頭のシロナガスクジラが集結する
・その秘密は『ヒマラヤ山脈』から運ばれる養分にある
・マッコウクジラの奇妙な触れ合い行動がスクープ映像として公開される
この3つを知るだけでも、海と山がつながるスケールの大きさに驚かされます。放送を見れば、さらに迫力ある映像でその実態を目撃できるでしょう。自然の不思議を体感しながら、地球の未来についても考えるきっかけになるはずです。放送後には新たな研究成果や専門家の見解が追加される予定ですので、この記事も随時追記していきます。ぜひ番組とあわせてご覧ください。
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出典:NHK『ダーウィンが来た!「集まれ!クジラたちの秘密の海」』
番組公式サイト
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