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NHK【ダーウィンが来た!】集まれ!クジラたちの秘密の海〜スリランカ・トリンコマリーに数千頭のシロナガスクジラやマッコウクジラが集結!日本とスリランカをつなぐカツオ漁と食文化の意外な共通点も紹介〜|2025年9月21日

ダーウィンが来た!

集まれ!クジラたちの秘密の海へようこそ

クジラがなぜ特定の海に集まるのか、不思議に思ったことはありませんか?30mを超える巨大なシロナガスクジラから、頭数が数百にのぼるマッコウクジラの群れまで——その理由を知りたいと考える方は多いでしょう。実は、その背景には深海の栄養循環や天敵の存在、さらには人間の暮らしとの意外な共通点が隠されています。この記事を読めば、2025年9月21日放送の『ダーウィンが来た!集まれ!クジラたちの秘密の海』で紹介されたエピソードを振り返りながら、クジラたちの生態や世界とのつながりを理解できるはずです。

南の海にクジラが集まる理由

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3月、スリランカ・トリンコマリーの海は、まさにクジラたちの楽園となっていました。ビーチ沿いでは伝統的な地引網漁が盛んに行われ、漁師たちの掛け声や網を引く姿が浜辺に活気を与えていました。そのすぐ沖合には、なんと数千頭規模のクジラが集結しており、海面には巨大な潮吹きが次々と立ち上がり、まるで海が呼吸しているかのような光景が広がっていました。クジラ観察ガイドのバタゴダゲーは、この海域が毎年季節限定の「集結地」になると解説し、この日もハシナガイルカの群れが姿を見せて、海全体に生命のリズムを感じさせていました。

一方で、北太平洋に位置するアリューシャン列島のクジラ集結地は、透明度が低い海ですが、そのぶんプランクトンが非常に豊富です。クジラたちはそこで餌を得ています。しかし、トリンコマリーの海は透明度が高く、加えてクジラの最大の天敵であるシャチがめったに現れないため、安心してのんびり過ごせる環境が整っているのです。だからこそ世界最大の哺乳類であるシロナガスクジラも姿を見せ、優雅に潜水しては水深100メートル付近でプランクトンをたっぷりと味わう様子が確認されました。

その豊かな環境の背景には、遠く離れたヒマラヤ山脈が大きく関わっています。ヒマラヤから流れ出す栄養分は海流に乗り、深海の冷たく栄養豊富な水を引き上げる「湧昇流」を生み出します。その結果、谷間にまで栄養が行き渡り、プランクトンが大量に発生するのです。この仕組みによって、トリンコマリーの海はクジラたちにとって格好の餌場となり、世界中の海から彼らを引き寄せる特別な場所になっているのです。

日本とスリランカをつなぐ食文化

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番組では、思いがけない共通点として『カツオ漁』が取り上げられました。日本では、漁師が小魚の群れを人工的に演出し、水しぶきを立てることでカツオを呼び寄せる独特の漁法が古くから行われています。実はスリランカでも、ほとんど同じ方法でカツオを集めており、遠く離れた海で同じ知恵が受け継がれていることに驚かされます。

さらに街を歩くと、日本の港町でよく見かけるような干物専門店が軒を連ねていました。カツオの干物を扱う店主ナディーカーは、削った干物を野菜カレーに加えると、味に深みが出て格別においしくなると教えてくれました。まるで日本の鰹節が味噌汁や煮物に欠かせない存在であるように、スリランカでも家庭の味を支える大切な食材となっているのです。

クジラを追う取材の旅は、いつしか人々の食卓にまでつながっていました。海を舞台にした自然の物語が、国境を越えて私たちの暮らしと重なり合っていることを、改めて実感させてくれる場面でした。

マッコウクジラ300頭のスーパーポッドを追え

最大の見どころとなったのは『マッコウクジラの大集結』でした。数年に一度だけ姿を見せるこの現象は、スーパーポッドと呼ばれ、300頭規模ものマッコウクジラが一斉に集まる壮大な光景です。クジラ観察ガイドのバタゴダゲーは、かつてその場に立ち会った経験があり、今回も海の条件がそろっていると語り、大きな期待を寄せていました。

取材班は少しでもチャンスを広げるため、現地で調達した鍋やマイクを組み合わせて特製の水中集音マイクを手作りし、音と映像の両面からクジラを追跡しました。その努力が実り、ドローンの映像には10頭のオスのマッコウクジラが映し出され、海の巨人たちがゆったりと泳ぐ姿が確認されました。

しかし自然は思い通りにはいきません。突然の嵐により観察は中断され、数日後に海へ戻ったときには水温が3度も下がっており、さらにシャチの姿まで確認されました。その影響でマッコウクジラの群れは一頭も姿を見せず、海は静まり返ってしまったのです。

それから2週間、諦めかけた取材班でしたが、ある日水中集音マイクが独特のクリック音を拾いました。ドローンを飛ばすと、3頭のオスのマッコウクジラが姿を現します。しかし彼らはすぐに深海へと潜り、スーパーポッドの全貌を記録することは叶いませんでした。

番組の最後に紹介されたのは、バタゴダゲーが過去に撮影したスーパーポッドの映像。画面いっぱいに広がる数百頭の群れは圧倒的で、まさに「海の神秘」という言葉がふさわしい光景でした。

記事のまとめ

この記事で紹介したポイントは以下の通りです。
・トリンコマリーの集結地は、シャチが来ない安心の海で、シロナガスクジラも訪れる場所だった。
・『ヒマラヤ山脈』の影響で深海の栄養が引き上げられ、豊かなプランクトンが発生していた。
・『カツオ漁』や干物文化を通して、日本とスリランカの海と暮らしがつながっていた。
・『マッコウクジラのスーパーポッド』は取材班の夢の目標だったが、自然の厳しさの前に全貌はとらえきれなかった。

自然は人間の思い通りにはならず、だからこそ一瞬一瞬が貴重です。クジラたちの行動を知ることは、海の環境や私たちの暮らしを見つめ直すきっかけにもなります。次に海を眺めるとき、あなたもクジラが集う理由に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。


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