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NHK【探検ファクトリー】日本武道館のいすを作る!愛知株式会社 春日井工場で見た“究極のスタッキング技術”|2025年10月24日

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日本武道館でも使われる“いす”を支える匠の技 春日井の愛知株式会社を探検!

コンサートや卒業式、講演会などで何気なく腰かけているあの「いす」。実はそれが、どんな技術で、どんな人の手で作られているか知っていますか?2025年10月24日に放送されたNHK『探検ファクトリー』では、漫才コンビの中川家すっちーが、愛知県春日井市にある愛知株式会社(axona AICHI)春日井工場を訪ね、「座る」という当たり前を支えるモノづくりの現場を体験しました。
この工場で作られるいすは、日本武道館をはじめ、東京国際フォーラム同志社大学など全国の公共施設で採用されています。軽くて丈夫、そして長時間座っても疲れにくい。そんな快適な座り心地の裏には、目に見えない精密な技と、長年積み重ねてきた開発の工夫がありました。

公共施設を支えるスタッキングチェアとは?

番組のテーマとなったのは、愛知株式会社が長年得意とする「スタッキングチェア」。積み重ねて収納できる構造で、体育館やホール、会議室などで欠かせない存在です。
最大の特徴は、高さ2メートルに50脚を収納できるという圧倒的な効率性。これにより、限られたスペースでも大量のいすを安全に保管できるのです。軽量ながら強度を損なわない秘密は、「ハイテンションスチールパイプ」と呼ばれる鋼材。自動車のボディなどにも使われる素材で、強度としなやかさを兼ね備えています。

さらに、デザイン面にも妥協がありません。同社は創業85年を迎え、これまでにグッドデザイン賞を181回受賞。機能性と美しさの両立を目指し、座面のカーブや背もたれの角度など、わずかな違いにもこだわり抜いています。まさに「見えないところにこそ美がある」という日本の職人文化の象徴です。

ロボットと職人が生み出す完璧な曲線

『探検ファクトリー』の取材では、まず工場のメインラインを見学。ここで目を引いたのが、ロボットベンダーと呼ばれる機械です。金属パイプを自在に曲げ、座面や脚のフレームを作る工程では、角度やカーブの誤差はわずか0.1ミリ単位。これにより、座ったときの安定感と美しいシルエットが両立します。
ただし、すべてを機械に任せているわけではありません。溶接後にわずかに生じる“脚の浮き”を調整するのは、熟練の職人の手。軽く叩くだけで完璧なバランスに整える光景に、中川家の礼二さんは「これぞ日本の手仕事!」と感嘆の声を上げていました。

また、背もたれとパイプの間に設けられた“わずかな隙間”も、座り心地を左右する重要なポイント。このしなりがあることで、背中にかかる力を自然に分散し、長時間座っても疲れにくい構造になっています。

世界基準の品質を支える徹底した検査工程

完成した椅子は、ひとつひとつ厳しい検査を経て出荷されます。耐荷重テストでは、重りを何千回もかけ続けてフレームの歪みを確認。背もたれを繰り返し押す試験も行われ、使用中にギシギシときしむ音が出ないかどうかもチェックされます。
特に印象的だったのは、海外への輸出基準。現在、愛知株式会社のスタッキングチェアは約40か国に輸出されていますが、中でもアメリカの安全規格は非常に厳格。初めて挑戦した際には、合格までに1年以上かかったというエピソードも紹介されました。これを乗り越えたことで、今では国際展示会などでも高い評価を受けるブランドへと成長しています。

デザインに宿る理念「人が心地よく座れる美しさ」

番組の最後に、愛知株式会社の社長が語った印象的な言葉がありました。「私たちが一番大切にしているのは“デザイン”です」。
ここでいうデザインとは、単に見た目の美しさではなく、「誰もが自然に、そして安心して座れる設計」のこと。公共施設の椅子は、不特定多数の人が使うからこそ、強度・清潔さ・扱いやすさなど、あらゆる要素を満たす必要があります。
デザインの背後にあるのは、「人の動きを観察し、暮らしの中の“座る”を快適にする」という思想。見た目のシンプルさの裏に、80年以上の試行錯誤と情熱が詰まっているのです。

見どころ満載の放送を振り返って

中川家すっちーの軽妙な掛け合いも番組の魅力。礼二さんが「これ、家にも一脚ほしいな!」と言えば、すっちーさんが「いやいや、これ50脚単位でしか買えませんやん!」と笑いを誘う場面も。そんなユーモアを交えながら、職人たちの真剣な表情や、工場内の最新設備をテンポよく紹介していました。
特に「座り心地を科学する」というテーマでは、座面の厚さや角度がわずかに変わるだけで、背骨への負担がどれほど違うのかを実験で示す場面が印象的。中川家の剛さんは「普段何気なく座ってるけど、これだけ計算されてるんですね」と驚きを隠せませんでした。

番組の終盤では、完成したスタッキングチェアを実際に武道館で使う映像も紹介され、「観客が快適に過ごせるのは、この工場の努力あってこそ」と語られました。

まとめ

この記事のポイントは以下の3つです。
愛知株式会社(axona AICHI)春日井工場は、日本武道館や全国の公共施設で使用されるスタッキングチェアを製造。
・ロボット技術と職人技が融合した精密な製造工程で、世界40か国に輸出される高品質な椅子を生み出している。
・デザインの根底には、「人が心地よく座れること」という哲学があり、日常の“当たり前”を支えている。

普段は意識しない“座る”という行為。その裏には、日本のモノづくり精神と美意識が息づいています。次に公共施設でいすに座るとき、きっとその快適さの背景にある職人の手仕事を思い出すことでしょう。

ソース:NHK『探検ファクトリー』(2025年10月24日放送)/愛知株式会社 axona AICHI 公式サイト(https://www.axona-aichi.com/)


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