熱狂のロンドン相撲!異国の地で沸いた34年ぶりの取組み舞台裏
イギリス・ロンドンで行われた大相撲公演が大盛況のうちに幕を閉じました。2025年10月28日放送の『午後LIVE ニュースーン』では、「SООN相撲部〜番外編」として、この歴史的イベントの舞台裏が紹介されます。34年ぶりの開催となったロンドン公演は、現地のファンの熱気、スタッフの奮闘、そして力士たちの素顔まで詰まった特別な時間でした。「相撲が好き」「日本文化が海外でどう受け入れられているか知りたい」そんなあなたに向けて、この記事では放送前の段階で分かっている見どころをまとめ、放送後に詳細を追記していきます。
ロイヤル・アルバート・ホールが“神聖な土俵”に変わった瞬間
ロンドン中心部の歴史的建築ロイヤル・アルバート・ホール。クラシック音楽の殿堂であり、英国王室ゆかりの格式高い会場が、たった数日で“相撲の聖地”に変わりました。
設営の中心を担ったのは日本相撲協会の技術チーム。日本から船で運び込まれた粘土・砂・稲わらなど約11トンの資材を使って、直径約5メートル、高さ60センチの本格的な土俵が築かれました。
たわらの形を整える際に使われたのは、なんとアサヒビール瓶。瓶の底で土を叩き締めるという昔ながらの手法が、ロンドンでもそのまま再現されたのです。
完成した土俵の上には神社の屋根を模した「屋形」が吊るされ、会場の空気は一変。まるで日本の神域が英国の空間に出現したかのようでした。
呼出(よびだし)や行司たちは、伝統衣装のまま真剣な表情で準備を進め、英国スタッフはその丁寧さに驚嘆。設営を手伝った現地の音響技師は「すべての動きに意味があり、まるで儀式のようだった」とコメントしました。
また、観客の安全を守るため、会場側は特注の“200kg対応椅子”を用意。日本の文化とロンドンの設備が見事に融合した一大プロジェクトでした。
呼出と現地スタッフが生んだ舞台裏のドラマ
大相撲の裏方には、目立たないが欠かせない存在がいます。呼出、行司、力士係、照明チーム、そして通訳。ロンドン公演では、まさに“日本のチームワークの象徴”が現場にありました。
呼出は早朝から土俵を整え、取組の合間には太鼓の音で観客を導く。その太鼓の響きがロイヤル・アルバート・ホールの天井にこだまし、現地の観客を魅了しました。
さらに、現地スタッフとの連携も重要な要素でした。英語での合図だけでは伝わらない細かい所作を、指差しやアイコンタクトで確認する姿があちこちで見られ、文化の違いを超えた共同作業が生まれていました。
開幕前には神聖な『土俵祭り』が執り行われ、塩・酒・栗・昆布・干イカなどを供えて安全祈願を実施。観客席からは静寂の中でフラッシュが光り、神道儀式に初めて触れた人々が感動していました。
“スポーツ”ではなく“文化”としての相撲を理解してもらうための舞台裏には、何十人もの見えない努力があったのです。
英国が沸いた!相撲に魅了された観客たち
観客席は連日満員。ロンドン市民だけでなく、フランス・ドイツ・イタリアなど欧州各地からも観戦ツアーが組まれました。中には和装や浴衣で来場するファンの姿もあり、会場は日本のお祭りのような雰囲気に包まれました。
リチャード・リッグス(英国相撲協会副会長)は、「プロの取組を生で見るのは夢のようだ。これまで映像で見ていた“神事”が、目の前で息づいている」と語りました。
塩を撒く所作や、足を高く上げて踏み鳴らす四股の姿に観客は拍手。取り組みが終わるたびに「ブラボー!」の歓声が響きました。
イギリスのメディア『The Sun』は、「塩が飛び、巨人たちが宙を舞う。まるで演劇と戦いが融合したショー」と表現し、BBCやロンドン・スタンダード紙も連日報道。
一方で、RedditやX(旧Twitter)では「儀式の意味を知るともっと感動する」「日本人の精神性を感じた」というコメントが相次ぎ、文化理解のきっかけにもなりました。
日本時事通信も「これまでで最も成功した海外公演」と高く評価。大相撲が“世界共通の言語”であることを証明する結果となりました。
力士たちが見せた“素顔のロンドン”
公演期間中、力士たちは限られた自由時間を利用してロンドンの街を散策。ケンジントン、トラファルガー広場、ビッグ・ベンなどを訪れ、笑顔で写真を撮る姿が目撃されました。
特に話題となったのは、伝統の着物姿で街を歩く力士たち。ロンドン市民から「サムライ!」「写真を撮ってもいい?」と声がかかり、SNSでも多くの写真が拡散されました。
また、ブラックキャブ(ロンドン名物のタクシー)に乗り込むシーンや、地元レストランでフィッシュ&チップスを味わう姿も報道され、親しみを感じさせる存在となりました。
しかし、彼らの裏には厳しい自己管理があります。食事はすべて栄養士監修で、体調維持のためのスケジュールが徹底されていました。稽古時間も確保され、海外滞在中でも緊張感を保ち続けたのです。
この「楽しむ」と「鍛える」を両立する姿勢こそ、力士たちの誇りを象徴していました。
チームワークが生んだ文化の架け橋
今回のロンドン公演は、単なる興行ではなく、日本文化を世界に伝える“文化外交”の一環でした。
運営チームには力士、呼出、行司、相撲協会の広報担当、さらには英国人スタッフや通訳までが加わり、国籍を超えたプロジェクトが実現しました。
会場設営、照明、音響、進行、観客誘導まで、誰一人欠けても成り立たないチームワーク。互いの言語が通じなくても、表情や動作で伝わる信頼関係がありました。
現地スタッフは「日本人の“準備”の丁寧さは芸術」と語り、相撲協会側も「英国チームの柔軟さがなければ成功はなかった」と感謝の意を述べています。
さらに、現地の子どもたちが力士に稽古を体験させてもらう交流イベントも実施。小さな子どもが“まわし”をつけて土俵に立つ姿に、会場は拍手と笑顔に包まれました。文化と人が交わる、その象徴的な場面でした。
まとめ:伝統と情熱が交わったロンドンの奇跡
今回のロンドン相撲公演は、スポーツと文化の融合が生み出した奇跡のような5日間でした。
日本の伝統がそのまま異国の地で再現され、観客が涙し、笑い、拍手を送る――その光景こそが、相撲が持つ普遍的な力を示しています。
この記事のポイントは以下の3つです。
・ロイヤル・アルバート・ホールで実現した本格的な土俵づくりとスタッフの奮闘
・イギリス・ヨーロッパでの熱狂と文化的理解の広がり
・力士たちのチームワークとロンドンでの素顔
放送後は、『午後LIVE ニュースーン』内で放映される未公開映像や現地インタビューをもとに、さらに詳細を追記します。
どのようなエピソードが飛び出すのか、放送後の更新版で完全レポートをお届けします。
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