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【シリーズHidden Japan】西表 生命紡ぐ島|西表島が世界自然遺産に選ばれた理由と生物多様性を支えるマングローブと命の循環 2026年1月2日

シリーズHidden Japan
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命が静かにつながり続ける島 西表という奇跡

このページでは『シリーズHidden Japan 西表 生命紡ぐ島(2026年1月2日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
西表島 は、日本の中でも特別な自然が残る場所です。森、川、干潟、海、そして人の暮らしまでが切れ目なくつながり、命を受け渡しています。番組は、そのつながりを映し出しました。この記事を読むことで、世界自然遺産 に登録された理由と、西表島が「生命を紡ぐ島」と呼ばれる意味が見えてきます。

島全体で守られてきた西表島の自然

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西表島 は沖縄で2番目に大きな島で、南から流れる 黒潮 の影響を強く受けています。そのため一年を通して気温が高く、雨も多い 暖かく湿った気候 に包まれています。この環境が、亜熱帯特有の森や湿地、川、干潟を育て、多様な生き物が暮らせる土台となっています。

島の大部分は、1972年に 国立公園 に指定されました。開発よりも保全を優先する方針が長く続けられ、人の立ち入りが制限された森や、自然の姿を保った川が守られてきました。その結果、西表島では森から海までが分断されることなく、命の流れが今も続いています。

こうした取り組みの積み重ねが評価され、2021年には 世界自然遺産 に登録されました。登録の理由となったのは、限られた地域に多くの固有種や希少種が集中し、自然のつながりが保たれている点です。

番組は、この長年の保護の歴史があるからこそ、イリオモテヤマネコカンムリワシ をはじめとする希少な生き物たちが、今も島で暮らし続けていることを伝えます。人が簡単に踏み込まない森や川が残されてきたことで、西表島全体が一つの大きな 命の場 として機能しているのです。

マングローブから始まる命の循環

海岸に広がる 日本最大のマングローブの森 は、西表島の命の循環が始まる大切な場所です。海と陸の境目に広がるこの森は、ただ生えているだけでなく、島全体の自然を支える役割を担っています。

マングローブの足元には、落ち葉が積もります。その葉を待ち構えるのが キバウミニナ です。キバウミニナは落ちた葉を食べて細かく分解し、体を通して養分を水の中へ戻します。こうして生まれた栄養は、目に見えない形で水に溶け込み、次の命を育てる力になります。

潮が引くと、干潟には小さな泥の山がいくつも姿を現します。これは ミナミトビハゼ の巣穴です。オスは口だけを使って泥を運び、地下に卵を守る部屋を作ります。メスが卵を産み終えると巣を離れ、その後はオスが一匹で巣に残り、天敵から卵を守り続けます。干潟は静かに見えても、命をつなぐ緊張感に満ちた場所です。

マングローブの森には、もう一つ重要な役割があります。山から川を通って流れ出てくる 土砂 をせき止め、濁りを抑えながら水を海へ送り出す働きです。そのおかげで海の水は澄み、周囲には 日本最大級のサンゴ礁 が広がります。

森で生まれた命の循環が、やがて海へとつながり、サンゴや魚たちの世界を支えます。マングローブは、西表島の自然を根元から支える、まさに 命の出発点 なのです。

森と水辺で命をつなぐ生き物たち

干潟では オカヤドカリ が、自分の体に合った殻を求めながら生きています。殻は外敵や乾燥から身を守るために欠かせない存在で、成長するたびにより大きな殻へと引っ越します。
ところが、干潟の一角には割れた殻が数多く散らばる場所がありました。自然に壊れたものではありません。その正体は リュウキュウアカショウビン の狩りの跡です。
上空から獲物を狙ったリュウキュウアカショウビンは、オカヤドカリをくわえ、硬い石に叩きつけて殻を割ります。殻に守られていた命が、別の命を支える食べ物へと変わる瞬間です。

毎年、東南アジアから繁殖のために渡ってくる アカショウビン は、西表島の環境だからこそ子育てができます。水辺と森が近く、エサとなる生き物が豊富にいるためです。
巣作りに選ぶのは、意外にも シロアリ の巣です。シロアリの巣は内部に細かな空間があり、通気性 に優れています。そのため 高温多湿 な亜熱帯の森でも熱がこもりにくく、ヒナを育てるのに適した場所になります。巣を壊されたシロアリは修復を急ぎますが、その過程で残された空間が、アカショウビンの命を育てる場所として生かされます。

さらに深い森の奥では、イリオモテヤマネコ が人目を避けるように静かに暮らしています。1965年に発見されたこのヤマネコは、西表島だけに生息する 希少な野生動物 です。
姿を見ることはほとんどありませんが、その存在は島の自然が今も守られている証しでもあります。森が分断されず、人の手が入りすぎていないからこそ、イリオモテヤマネコは今も西表島で生き続けています。
この見えない命の重なりが、西表島の自然の深さを静かに物語っています。

夜と海に広がるもう一つの命の世界

真っ赤な デイゴ の花が咲き誇る夜、西表島では 皆既月食 という特別な天体現象が起こりました。月が地球の影に隠れ、島全体がいつもとは違う静けさに包まれる中、花のもとへ姿を現したのが ヤエヤマオオコウモリ です。
ヤエヤマオオコウモリは、デイゴの花から蜜をなめながら、次の花へと器用に移動します。その際、顔や体についた花粉を別の花へ運びます。こうして植物の 受粉 を助け、花とコウモリは互いに支え合う関係を築いています。夜の森では、目に見えにくい場所で命のやり取りが続いています。

海に目を向けると、青い水の中から ナンヨウマンタ がゆったりと姿を現します。大きな体の表面には ホンソメワケベラ が寄り添い、口や体の周りについた寄生虫を食べていきます。
ホンソメワケベラは、いわば海の掃除役です。マンタは身を任せることで体を清潔に保ち、小さな魚は食べ物を得ます。ここでも、命同士の役割分担が自然に成り立っています。

夏の 大潮、そして 満月 の夜は、海の命にとって大きな節目です。この夜、サンゴ は一斉に卵を放ちます。無数の卵が海中を漂う光景は、命の始まりが重なり合う瞬間です。
その時を待っていたのが ナガニザ の大群です。メスが卵を産むと、オスたちが集まり、命を次へとつないでいきます。

同じ潮のリズムの中で、海草の ウミショウブ も繁殖の時を迎えます。雄花は 空気の泡 に包まれて海面へ浮かび、潮が引くわずかな時間に雌花と出会います。水位が高すぎても低すぎても成立しない、ほんの短いチャンスです。

月の満ち欠けと潮の動きが合図となり、陸でも海でも命が次へ渡されていきます。夜の空、海の中、そして見えない場所で、西表島の 生命のリズム は静かに、確かに刻まれ続けています。

人の暮らしも命の流れの一部

染織家の 石垣昭子 さんの暮らしは、西表島の自然の流れと切り離せないものです。工房のすぐ隣には田んぼが広がり、そこには渡りの途中で立ち寄った サギ たちが集まります。サギは田んぼでエサをとり、長い旅に備えて体力を回復させます。人が耕す場所が、同時に生き物の休息地として機能しています。

5月になると、イトバショウ の収穫期を迎えます。イトバショウから取れる糸はとても繊細で、乾燥 に弱い性質を持っています。そのため、湿度の高い 梅雨 の時期に作業を進める必要があります。天候や季節が、そのまま仕事の工程を決める基準になります。
同じ梅雨の雨は、森や水辺に恵みをもたらし、アカショウビン の子育ても支えます。雨によってカエルやオタマジャクシが増え、ヒナを育てるためのエサが豊かになるのです。人の仕事と鳥の子育てが、同じ雨に支えられています。

染織の仕事の締めくくりに行われるのが『海晒し』です。完成した生地を 海水 で洗い、自然の力を借りて色と光沢を引き出します。
多様な命を育んできた海に布を委ねるこの工程は、単なる作業ではありません。自然から受け取った恵みを、再び自然に返しながら仕上げる行為です。
石垣さんの染織は、西表島の森や海、季節の移ろいと呼吸を合わせながら生まれています。その一枚一枚の布には、島の自然への 敬意 と、命をつなぐ時間が静かに織り込まれています。

命を次の世代へ渡す島

西表島 では、森と海、生き物と人の暮らしが切れることなく続いています。番組が描いたのは、派手な自然ではなく、静かに受け渡される命のリレーでした。
世代を超えて、この島が日本の楽園であり続ける理由は、ここにあります。


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