熱川バナナワニ園を俳優・滝藤賢一さんが訪問
NHK Eテレの人気シリーズ「趣味の園芸」特別編『植物園!これ、かっこイイぜ!』の第4弾が2025年6月20日(金)午後2時10分から放送されます。今回、俳優・滝藤賢一さんが訪れるのは、静岡県東伊豆町にある「熱川バナナワニ園」。ワニと熱帯植物が共存する全国的にも珍しい施設で、植物の魅力を再発見できる内容が期待されます。
熱川バナナワニ園の特徴と歴史
熱川バナナワニ園は、1958年(昭和33年)に開園した歴史ある施設です。開園当初は、当時の日本ではまだとても珍しかったバナナの実物を展示することを目的に作られました。そのため、園の名前にも「バナナ」が入っており、今でもそのルーツを大切に守り続けています。
開園から70年近くが経つ今では、単なるバナナの展示にとどまらず、温泉の熱を利用した温室設備によって、さまざまな熱帯植物が元気に育つ施設へと進化しています。温泉地ならではの地熱を活かすことで、外気温に関係なく、一年を通して安定した環境を保てるのが特徴です。
園内は、「ワニ園」「植物園」「分園」という3つのエリアに分かれていて、共通の入園チケットでそれぞれを自由に行き来できます。
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ワニ園では、国内外の多種多様なワニが飼育されていて、世界有数のワニの飼育数を誇ります。ガラス越しに水中を泳ぐ姿を見ることができ、子どもから大人まで迫力に圧倒される人気のスポットです。
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植物園では、バナナやパパイヤ、スイレン、オーキッドなどの熱帯植物が、8棟の温室内で元気に育っています。特にバナナは、日本ではなかなか見られない20種類以上の品種があり、植物好きにとっては見逃せません。
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分園には、レッサーパンダやアマゾンマナティー、ゾウガメ、フラミンゴなど珍しい動物たちも展示されていて、動植物の両方が楽しめるのが魅力です。ここでは日本で唯一レッサーパンダの繁殖が行われていることでも知られています。
また、園内の約3分の2が屋根付きの構造になっており、雨の日でも傘をささずに安心して回れるのも大きな特徴です。雨の日の観光スポットとしても人気があり、天候に左右されずに楽しめる施設として、多くの来園者に親しまれています。
本園と分園の間は少し離れていますが、無料のシャトルバスが定期運行しており、移動もスムーズです。移動にかかる時間はほんの数分程度で、子連れでも負担が少なく、家族での来園にもぴったりです。
このように、熱川バナナワニ園はバナナとワニという個性的な組み合わせを出発点にしながら、今では珍しい動植物の宝庫として進化を遂げたユニークな施設です。バナナとワニだけでなく、植物、動物、そして温泉の恵みを感じられるこの園は、伊豆観光の立ち寄り先としても多くの人に選ばれています。
熱帯植物の宝庫・8棟の温室
熱川バナナワニ園の見どころのひとつが、温泉熱を利用した8棟の温室です。ここでは、バナナをはじめ、パパイヤ、スイレン、オーキッド(蘭)などの熱帯植物が数多く栽培されています。特にバナナは、国内では珍しい約20品種が育てられており、種類の豊富さは他に類を見ないレベルです。
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バナナは、果実の形や色、サイズに違いがあり、ひと目で見分けられるものから、見た目は似ていても食感や風味がまったく異なるものまで多彩です。
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パパイヤは、緑から黄色へと色づく果実が鮮やかで、葉の切れ込みも独特な美しさがあります。
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スイレンは、温室内の水槽に浮かぶ花として人気があり、水面に映る姿は来園者の撮影スポットにもなっています。
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オーキッド(蘭)は、鮮やかな色と繊細な形で、多くの人の目を引きます。品種によって咲く時期や香りが異なり、季節ごとに違った魅力が味わえます。
温室内は、地熱によって常に温かく保たれており、一年中、熱帯地方のような湿度と温度が維持されています。そのため、冬でも南国の雰囲気が広がっており、観葉植物が元気に成長している様子を間近で観察できます。
また、通路沿いには観賞ポイントが随所に設けられ、背の高い葉や吊るされた果実、開花した花々をすぐそばで見ることができる工夫もされています。足元には案内パネルも用意されており、植物名や特徴をわかりやすく知ることができます。
この温室は、ただ植物を「見る」だけでなく、「育ち方」や「環境との関係」を感じることができる場所です。植物好きの大人から自由研究に取り組む子どもまで、幅広い層に楽しんでもらえる空間として設計されています。
園内を歩いていると、鮮やかな緑に囲まれ、熱帯の空気に包まれるような感覚が味わえます。季節や天候に左右されず、自然の生命力を体いっぱいに感じられるこの温室は、熱川バナナワニ園の中でも特に印象深いエリアとなっています。
動物たちも見どころのひとつ
熱川バナナワニ園は、植物園としての魅力に加え、動物たちとの出会いも楽しめる施設です。園の名前にもある通り、ワニの飼育が充実しているのが最大の特徴で、本園には約17種類・140頭ものワニが飼育されています。これは世界でもトップクラスの飼育数で、ワニ専門の施設としても非常に高い評価を得ています。
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ガラス越しに水中の姿を観察できる水槽が設けられており、泳ぐワニの迫力ある動きや、じっと動かずに潜んでいる姿を間近で見ることができます。
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ワニは種類によって顔つきや体の大きさ、皮膚の模様が異なり、見比べるだけでも大きな発見があります。
さらに、分園に行くとレッサーパンダ、アマゾンマナティー、ゾウガメ、オオサンショウウオ、フラミンゴなどの動物たちが出迎えてくれます。
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レッサーパンダは、ここで日本唯一の繁殖が行われている貴重な存在で、毎年のように赤ちゃんが誕生して話題になります。ふわふわの毛と好奇心旺盛な動きは、来園者に大人気です。
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アマゾンマナティーは、日本で1頭しかいない個体が飼育されており、丸みのある体と優しい目が特徴です。ゆっくりと水中を漂う姿は癒しのひとときになります。
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ゾウガメは、体が大きく動きはゆっくりですが、その貫禄ある姿と長寿の象徴として親しまれており、年齢や体重などの解説パネルとともに観察できます。
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オオサンショウウオは、日本の特別天然記念物にも指定されている貴重な生物で、水槽越しにその姿を見ることができる施設は限られています。
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フラミンゴは、鮮やかなピンクの羽が目を引き、集団で水辺に立つ姿が美しく、記念撮影スポットとしても人気があります。
これらの動物たちは、それぞれに専用のスペースで大切に飼育されており、動物の自然な姿を観察できるよう配慮された展示方法が特徴です。見て楽しいだけでなく、生態や特徴を学べる解説パネルも充実していて、学習要素のある体験ができるのも魅力のひとつです。
このように、熱川バナナワニ園は、植物と動物の両方をじっくり楽しめる貴重な施設です。ワニやレッサーパンダといったインパクトのある生き物から、マナティーやフラミンゴのような癒し系の動物まで、さまざまな命にふれることができます。家族連れやカップル、ひとり旅の方にもぴったりの観光スポットとして、多くの人に親しまれています。
出演者・滝藤賢一さんと杉山拓巳さんの役割
番組では、俳優の滝藤賢一さんが実際に園内を巡りながら、植物の魅力に触れていきます。滝藤さんは、これまでのシリーズでも植物への深い関心と驚きのリアクションが話題となっており、今回もその視点で園内の見どころを紹介してくれそうです。
案内役として登場するのは、熱帯植物栽培家の杉山拓巳さん。彼はビカクシダやアンスリウムなどの育種を専門とし、栽培や観察の楽しさをYouTubeやSNSでも発信している人気園芸家です。2024年には『NHK趣味の園芸 観葉植物パーフェクトブック』を出版し、多くの園芸ファンから支持を集めました。
今回の放送では、杉山さんが熱川バナナワニ園の植物について専門的な視点からわかりやすく解説し、日常での育て方や植物の面白さについて伝えてくれると考えられます。普段は見過ごしてしまうような熱帯植物の細部にまで光を当て、植物との新たな関係性を提示してくれることでしょう。
園内で楽しめるフードと施設の情報
バナナワニ園内には、園で育てたバナナを使用したバナナジュースやバナナパフェなどを楽しめるフルーツパーラーも併設されており、観賞と味覚の両方から楽しめる施設となっています。
営業時間は年中無休で、午前9時から午後5時(最終入園は午後4時30分)まで。入園料は大人約1,800〜2,000円、子どもは約900〜1,000円です。駐車場は無料で、大型バスにも対応しています。アクセスは伊豆熱川駅から徒歩1分と非常に便利で、観光ルートにも組み込みやすい立地です。
今後の放送への期待
今回の「植物園!これ、かっこイイぜ!」は、これまで以上に植物の魅力にフォーカスした構成が予想されます。杉山拓巳さんの専門解説と滝藤賢一さんの感性が合わさることで、子どもから大人まで楽しめる内容になることでしょう。
熱帯植物の力強さ、美しさ、不思議さに出会えるこの放送は、植物に興味がある人だけでなく、普段あまり関心のない人にもきっと新しい発見をもたらしてくれます。
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