足の爪トラブルとセルフケアの重要性
2025年9月3日に放送されたNHK「午後LIVE ニュースーン」では、「放置しないで!足の爪トラブル」というテーマで、足の爪の異常が体全体に及ぼす影響と、すぐに始められるケア方法が紹介されました。足の爪は小さな部位ですが、その役割はとても大きいです。指先を守る、感覚を敏感にする、立ったり歩いたりするときに体の力のバランスを取るといった重要な働きをしています。そのため、爪にトラブルが起きると足の痛みや歩行のしづらさだけでなく、全身のバランスが崩れ、筋力低下や転倒のリスクに直結します。特に高齢者の場合、転倒は骨折や寝たきりの原因にもつながるため、軽視できない問題です。
爪トラブルの具体的な原因とは?
番組では、埼玉県済生会川口総合病院の皮膚科専門医・高山かおるさんが解説を行いました。爪が巻いている、分厚くなっている、あるいは爪が皮膚に食い込んで痛みを感じるといったトラブルの多くは、日常生活の積み重ねによって生じるといいます。間違った爪の切り方を繰り返したり、自分の足に合わない靴を長年履き続けることが原因になっているのです。さらに、高齢になると爪の乾燥や血流不足で厚みや変色が起こりやすくなる点も指摘されました。セルフチェックの合言葉として紹介されたのが「つめにへんか」。つみかさなって厚くなる、めり込んで痛い、色が濁る、形が変わる、かけるといったサインがあれば、早めにケアや受診を考えることが勧められています。
靴選びが爪を守る第一歩
足の爪トラブルを予防するには、日常生活の中で靴選びを見直すことが欠かせません。例えば、若いころにパンプスやハイヒールを長時間履いていた人は、今でも小さめの靴を選んでしまうことがあります。するとつま先が押しつけられ、爪が変形したり巻き爪になったりする原因になります。一方で、大きすぎる靴を履くと靴の中で足が遊び、摩擦や圧迫で爪に負担がかかり、やはり変形や痛みを引き起こします。理想的な靴は、かかとから指の付け根まではしっかりフィットし、指先には少し余裕があるものです。これにより歩くときの衝撃が分散され、爪が守られるのです。日頃から靴を選ぶときに「きつすぎず、ゆるすぎず」を意識することが大切だと強調されました。
正しい足の爪ケアの方法
番組では、セルフケアの実践的な方法も紹介されました。まず大切なのは足を清潔に保つことです。石鹸をよく泡立て、指の間や足の甲、かかとまで全体をしっかり洗います。特に汚れが溜まりやすいのは指と爪の間なので、専用のブラシを使うと落としやすくなります。洗った後は水分を残さないようにしっかり拭き取り、乾燥を防ぐためにクリームやオイルで保湿することが推奨されていました。爪の切り方についても具体的に説明され、深爪をせず、爪の端から5回くらいに分けて少しずつ切ることが大切です。指の形に合わせて角を少し丸く整える程度が理想で、角を切りすぎると爪が食い込み、炎症や化膿につながる危険があるとのことです。
地域で広がる足爪ケアサービス
セルフケアだけでなく、地域のサービスを利用する選択肢も広がっています。番組では、神奈川県鎌倉市の薬局で行われている「足の爪切りサービス」が紹介されました。ここでは、フットケアの専門家が医師の監修のもと、それぞれの人の足の状態に合わせたケアを行っています。この取り組みは2021年から始まり、調剤薬局とフットケアのプロをつなぐマッチングシステムにより実現しました。現在では関東・関西を中心に11か所で実施されており、薬局によっては月に1回、イベント形式で開催されることもあります。薬局という身近な場所で専門的なケアを受けられるため、高齢者や爪を自分で切るのが難しい人にとって大きな支えになっています。
爪トラブルを防ぐためにできること
番組を通じて繰り返し伝えられていたのは、足の爪は体の健康と密接につながっているということです。小さな異常を放置すると歩行障害や転倒を招き、将来的には介護が必要になることもあります。だからこそ、毎日の生活の中で「清潔」「正しい切り方」「靴選び」を意識することが第一歩です。さらに、少しでも不安を感じたら、皮膚科やフットケア外来を受診する、または地域の薬局サービスを利用してプロの手を借りるのも有効です。健康な足と爪を保つことは、人生を長く元気に歩み続けるための土台になります。今日から取り入れられる小さな習慣が、将来の転倒や寝たきりリスクを防ぐ大きな備えになるのです。
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