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NHK【クローズアップ現代】海藻飲料がアメリカ700店舗進出!日本発ブルーカーボンの未来とは(2025年9月3日)

クローズアップ現代

世界が注目“海藻パワー” 日本の可能性を探る

2025年9月3日放送のNHK「クローズアップ現代」では、海藻の新たな可能性にスポットが当てられました。日本では当たり前に食べてきた海藻が、いまや世界で「健康食材」「環境問題の解決策」として注目を集めています。この記事では番組内容を整理しながら、海藻の魅力や課題、そして未来の展望まで詳しくまとめます。健康や環境に関心を持つ人はもちろん、食品ビジネスや地域活性に興味がある人にも役立つ情報です。

日本の海藻文化と現状

日本の食卓に欠かせない海藻は、農林水産省によれば約50種類が食用として利用されています。ワカメやノリ、コンブ、ヒジキなどは日常的に親しまれてきました。ところが、かつて世界第3位を誇った生産量は現在6位に後退。背景には海水温の上昇による藻場の減少や、漁業者の高齢化などの要因があります。日本の誇る食文化を未来につなぐには、安定した供給体制の確立が求められています。

アメリカで広がる海藻飲料市場

番組では海外の取り組みとして、アメリカ市場で注目を集める海藻飲料が紹介されました。原料はテングサを加工した寒天で、そこにフルーツを加えて飲みやすく仕上げています。4000回以上の試作を繰り返し、アメリカ人の嗜好に合う味を開発した努力は驚きです。健康志向が強まるアメリカでは、食物繊維の豊富さが高評価され、すでに約700店舗で販売されるまでに成長。今後はAmazon.comでの販路拡大や韓国市場への進出も視野に入れているとのことでした。

国内スタートアップの挑戦

一方、日本でも新しい技術による挑戦が始まっています。高知県の海藻専門スタートアップは、設立から9年で陸上養殖施設を確立。これにより天然では採れにくくなったスジアオノリを年間を通して安定生産しています。スジアオノリには鉄分・カルシウム・βカロテンが豊富に含まれ、栄養価の高さから今後の商品開発にも期待されています。こうした技術革新が、失われつつある藻場を補い、食と産業の未来を支える鍵になりそうです。

海藻を使った料理と健康効果

スタジオでは海藻料理研究家の大山裕輝さんが、海藻をふんだんに使った料理を披露しました。モズクは血糖値の上昇を抑える働きがある水溶性食物繊維を含み、ヒジキ(乾燥品)は牛乳の約10倍のカルシウムを誇ります。紹介された料理には、もずくのそうめんワカヒジキのセビーチェヒジキとホヤのご飯などが登場。栄養面だけでなく、食卓を彩る多彩なアレンジが可能であることが示されました。日々の食事に海藻を加えるだけで、健康維持に大きく貢献できると感じさせられます。

ブルーカーボンと地球温暖化対策

番組の後半で大きく取り上げられたのが、ブルーカーボンの可能性です。これは海藻や海草が光合成で二酸化炭素を吸収し、それが海底に長期間堆積することで温暖化を抑える仕組みです。琉球大学の研究チームは、海底の土を分析し、どの程度の炭素が蓄積しているのかを解明中。日本は昨年、藻場による吸収量を約35万トンと独自算定し、国連に世界で初めて報告しました。こうした動きは国際社会でも注目されています。

さらに、岩手県では企業や大学、漁業者が協力し、コンブの垂直養殖という新技術を研究。海藻の成長を効率化することで、二酸化炭素の吸収量をさらに増やそうとしています。政府も2035年に100万トン、2040年に200万トンのブルーカーボン確保を目標に掲げており、国家レベルでの取り組みが進んでいます。

レーザーで藻場を守る最新技術

しかし課題もあります。天然の藻場は過去30年で半減しているのです。この問題に対応するため、番組では西表島で行われているグリーンレーザー調査が紹介されました。ドローンから緑色レーザーを海に照射し、藻場を3次元的に測定する方法です。これにより、どの地域にどれだけのブルーカーボンが存在するのかを正確かつ効率的に把握でき、保全や再生に活用できると期待されています。

海藻が切り開く未来

今回の番組を通じて見えてきたのは、海藻が「食」「健康」「環境」という3つの分野を結びつける可能性を秘めていることです。伝統的な食材でありながら、現代の技術や世界市場のニーズと結びつくことで、新たな価値を生み出しています。日本は豊かな海藻文化を持つ国として、その発信力を高めるチャンスにあります。

まとめ

海藻は私たちの食生活を支えるだけでなく、地球温暖化の解決策の一端を担う存在でもあります。番組で紹介されたように、海外市場での挑戦や国内での技術革新、そして環境政策におけるブルーカーボンの活用など、その可能性は無限に広がっています。
普段の食事にモズクやヒジキを取り入れることも、地球に優しい行動のひとつ。私たちが日常で選ぶ一品が、健康と未来の地球を守る力になるのです。


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