この冬食べたい!山形・新潟・青森“ご当地洋なし”の魅力と生産量のひみつ
冬の果物として名高い洋なし。中でも、山形のラ・フランス、新潟のル レクチェ、青森のゼネラル・レクラーク は地域を代表する特産品として注目され、番組でもスタジオを盛り上げる存在でした。
今回の放送では、3県それぞれの洋なしの魅力、育てられた背景、出荷の裏側、そしてスタジオでの食べ比べの様子まで紹介され、洋なしが持つ奥深い世界に踏み込んでいました。
洋なしは収穫後に“追熟”が欠かせず、産地ごとに習得された技術や長年の経験が味・香り・食感を大きく左右します。だからこそ、同じ「洋なし」というカテゴリーの中でも、この3県の個性は驚くほど鮮やかに違いが出るのです。
ここからは、番組で紹介された内容を基に、3県それぞれの魅力を詳しく掘り下げます。
山形“ラ・フランス” 圧倒的生産量を支える仕組みと香りの高さ
![]()
まず紹介されたのが山形県のラ・フランス。
日本の洋なし生産量は 山形県が17,800トンで全国1位。2位の青森県(1,790トン)に大きく差をつける圧倒的な産地です。
山形は洋なし栽培にとても適した地域で、昼夜の寒暖差が大きく、梅雨時の降雨が少ないという気候がラ・フランスの栽培にぴったり。病害が抑えられるため、香りの立ち方も良くなり、果肉の質も安定します。
さらに山形県では、栽培基準や出荷規格が厳密に制度化 されており、一定の基準をクリアした果実だけが市場に並ぶ仕組みが整っています。この徹底管理が、全国的な信頼とブランド力の源になっています。
スタジオでは、ラ・フランスの香りの豊かさと、とろける食感に出演者が感嘆。
「甘さと酸味のバランスが良く、洋なしの王道」と紹介され、初めて洋なしを食べる人にも親しみやすい、安定した味わいとして評価されていました。
新潟“ル レクチェ” 40〜60日の超熟成が生む濃厚な甘さと芳醇な香り
![]()
番組の中でも強烈な存在感を放ったのが 新潟県のル レクチェ。
ル レクチェは収穫された瞬間はまだ固く、香りも控えめ。ここから新潟ならではの“追熟”が始まります。
この追熟期間が驚くほど長く、40〜60日 に及びます。
この間、生産者は温度・湿度・風通しを細かく調整しながら、果実の熟し具合を丁寧に見守ります。番組で取材された 新潟市南区のヤマヨ果樹園 では、毎日果実の状態を見極め、少しの傷でも出荷できないと語られていました。出荷できるのは全体の約7割ほど。手間の多さとロスの大きさゆえに希少性が高いのです。
追熟が進むと、果皮は緑から鮮やかな黄色へ。手に取るだけで甘く芳醇な香りがふわっと広がります。
スタジオでも、「香りが段違い」「甘さが濃い」という声が続き、洋なし好きの出演者も“特別な果物”として絶賛していました。
銀座のアンテナショップでは出荷解禁日から販売が始まり、旬は12月末までと短い期間しか味わえない“冬の贅沢”として紹介されていました。
青森“ゼネラル・レクラーク” 品種誕生から地域再生へつながった挑戦の物語
![]()
青森のゼネラル・レクラークは、味だけでなく、その“誕生からの物語”までも紹介され、スタジオが大きくざわついた印象的なパートでした。
ゼネラル・レクラークはフランス原産の品種で、日本に導入されたのは1977年。
これを青森県南部町で最初に本格的に育てたのが 泉山果樹園の泉山茂さん。40年以上前、リンゴ価格が低迷した時代に「高齢者でも食べやすいソフトフルーツ」に着目し、新しい品種の栽培という挑戦をスタートさせました。
しかし、果皮が茶色くなる特性から「傷んでいるように見える」と誤解され、当初はなかなか売れず苦戦。
そこで南部町は 学校給食に採用し、さらに受験を控えた生徒に「合格まちがい梨」の缶詰を配るというユーモアある展開で知名度を上げていきました。
現在は30以上の農家が一括で追熟を管理し、出荷する地域の気候に合わせて食べ頃を調整する高度な技術を共有するまでに成長。
まさに“地域全体で育てた特産品”として紹介されていました。
味わいは、ラ・フランスの1.5倍ほどの大きさで果汁が豊富。甘みと酸味のバランスが良く、爽やかでジューシーな食感が特徴です。
3大洋なしをスタジオで食べ比べ!香り・甘み・食感の違いが鮮やかに
番組後半では、3種の洋なしを並べて出演者が食べ比べ。
ここで、香り・甘さ・食感の違いが一目瞭然になりました。
ラ・フランス
・とろける柔らかさ
・芳醇な香り
・甘みと酸味の調和
ル レクチェ
・香りの高さが圧倒的
・なめらかで濃厚
・甘さの深さが際立つ
ゼネラル・レクラーク
・果汁があふれるジューシーさ
・さっぱりとした後味
・大ぶりながら食べやすい爽快感
スタジオでは、この違いに驚く出演者たちの反応が印象的でした。「同じ洋なしでも全然違う!」という声も多く、品種の個性がくっきりと浮かび上がる流れでした。
まとめ
今回の放送が伝えたのは、洋なしは“産地・技術・歴史”によって姿を変える果物だということです。
山形は制度化された品質管理で王道のラ・フランスを安定供給。
新潟は長期追熟の技によってル レクチェを“冬の貴婦人”と呼ばれる存在に育て、
青森は挑戦と地域の連携でゼネラル・レクラークをブランド化しました。
そして3つを食べ比べることで、香り・甘さ・食感という奥深い違いが浮かび上がり、洋なしという果物の面白さがより強く伝わる回でした。
NHK 【ぐるっと!】きのこのオニオングラタンスープ・鶏肉と洋梨の白ワイン煮込み・パンナコッタりんごのシナモンマリネで味わう秋の洋食レシピ|2025年11月4日
産地別の旬カレンダーをもう少し深く紹介します

ここからは、私からの提案です。洋なしは秋から冬にかけての短い季節に一気においしさがピークを迎えますが、産地ごとに旬のタイミングが少しずつ違います。その違いを知ると、店頭で出会える洋なしの幅がぐっと広がります。ここでは、山形・新潟・青森の産地別の傾向を、より詳しく紹介します。季節の移ろいとともに味わいが変わる洋なしの世界を感じていただけたらうれしいです。
山形県の旬の広がり
山形県は国内で最も洋なしを多く育てている地域で、全国の洋なしの流れをつくっている存在です。山形県では9月の終わりごろから出荷が始まり、11月に入ると一気に種類も量も充実してきます。特に11月は山形県産が最も多く並びやすい時期で、香りや甘さが高まり、食べ頃と出会える機会が増えます。12月に入っても追熟したものが流通しやすく、冬の入り口まで山形の洋なしが楽しめるのが特徴です。
新潟県の深まる秋の味わい
新潟県も洋なしを育てる地域として知られていて、晩秋から冬にかけて店頭で見かける洋なしの中に新潟産が増えていきます。出回る時期は9月から12月が中心ですが、特に秋が深まるにつれて香りととろける質感が高まる傾向があります。温度管理や保存技術に力を入れている地域でもあり、冬に近づくほど「食べ頃」の状態で出荷される品種が多いのも特徴です。冷たい空気の中で熟した果実の濃い甘さが、新潟の洋なしらしさを作っています。
青森県のゼネラル・レクラークが動き出す季節
青森県では、ゼネラル・レクラークをはじめとする品種が注目されていて、地域を挙げて洋なしづくりが進められています。収穫は9月の終わりから10月の初めに行われますが、収穫直後は硬く、すぐに食べることができません。時間をかけて追熟させることで香りが出て、果肉がやわらかく変わっていきます。そのため食べ頃は10月から11月ごろになり、晩秋に一番おいしい状態で味わえるのが青森県の洋なしの魅力です。寒さが増す中で丁寧に追熟された果実は、甘みの奥に深いコクが生まれます。
季節とともに変わる洋なしのたのしみ方
産地ごとに収穫の時期や追熟のタイミングが違うため、旬の時期が重なりつつも、その味わいには少しずつ違いが出てきます。山形の豊かな実り、新潟の深まる秋が育てる甘さ、青森でしっかり追熟されたゼネラル・レクラークの濃い風味。それぞれの個性を知ると、同じ季節でも選ぶ洋なしが変わり、食の楽しみが大きく広がります。どの産地にも、その土地ならではの技と気候が作り出す魅力がありますので、旬の時期を意識して選ぶことで、より豊かな味わいに出会うことができます。
気になるNHKをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。


コメント