“おおらか和食”で冬を味わう3品
冬の台所には、魚や根菜の深い味わいがよく似合います。この日のきょうの料理では、笠原将弘さんが掲げる「おおらか和食」がテーマ。手をかけるところと省けるところのメリハリによって、家庭でも作りやすいのに味わいは本格的という、安心して試せる料理が並びます。
【あさイチ】笠原将弘さんの厚揚げピーマンそぼろ炒めレシピ|みんな!ゴハンだよ|2025年7月24日放送
ぶりごぼうの力強いおいしさ
ぶりと相性がいい食材といえば大根が思い浮かびますが、今回登場するのは“ごぼう”との組み合わせです。
ぶりの旨みとごぼうの香りは、重なり方がとても豊かで、冬らしい深みを感じさせます。さらにこんにゃくを合わせ、食感に軽さと動きを加えていく構成になっているのが特徴です。
彩りのポイントとして入るさやいんげんは、茶色い煮物の中で鮮やかな緑がよく映え、食卓全体の印象を明るくしてくれます。
甘辛の煮汁がしっかり染みたぶりとごぼうは、ご飯のお供にも、冬の主菜としても頼もしい存在。笠原さんらしい「和食はもっとおおらかでいい」という考え方が、そのまま料理に表れています。
【仮レシピ】
材料(2〜3人分)
| 食材 | 分量 |
|---|---|
| ぶり(切り身) | 3切れ |
| ごぼう | 1/2本 |
| こんにゃく | 1/2枚 |
| さやいんげん | 8本 |
| しょうゆ | 大さじ2 |
| みりん | 大さじ2 |
| 酒 | 大さじ2 |
| 砂糖 | 大さじ1 |
作り方
・ぶりは一口大に切る
・ごぼうは斜め薄切り、こんにゃくはちぎる
・鍋に調味料を入れて煮立て、ぶり・ごぼう・こんにゃくを加える
・火が通ったらさやいんげんを加えて仕上げる
あさり湯豆腐の“タレの一工夫”
湯豆腐は昔ながらのあったかおかずですが、ここにあさりを合わせると、だしの旨みが一気に広がります。
番組の紹介文には、“タレに一工夫”とあります。食卓で味の決め手になる部分で、シンプルな湯豆腐が一段と奥行きを持つ仕上がりになりそうです。
あさりの旨みを豆腐がやわらかく抱き込み、体がじんわり温まるような心地よさが生まれます。冬の夜にゆっくり味わいたい、そんな一品です。
【仮レシピ】
材料(2人分)
| 食材 | 分量 |
|---|---|
| あさり | 200g |
| 木綿豆腐 | 1丁 |
| だし | 300ml |
| しょうゆ | 小さじ2 |
| ごま油 | 少々 |
| ねぎ | 適量 |
作り方
・あさりは砂抜きする
・だしに豆腐とあさりを加えて火にかける
・しょうゆとごま油を合わせたタレをかける
・ねぎを添える
里芋のポテトサラダのしっとり感
里芋のポテトサラダは、一度食べると忘れられないなめらかな口当たりが魅力です。
じゃがいものポテサラとは違う深さがあり、里芋独特のねっとりとした質感がクセになります。ここに『みそ』を合わせた味つけは、和食ならではのコクが加わり、落ち着きのある寒い季節向きの仕上がりになります。
見た目は素朴でも、ひとくち食べるとしっかり個性がある。そんな料理として期待が高まります。
【仮レシピ】
材料(2〜3人分)
| 食材 | 分量 |
|---|---|
| 里芋 | 300g |
| マヨネーズ | 大さじ2 |
| みそ | 大さじ1 |
| きゅうり | 1/2本 |
| 塩 | 少々 |
作り方
・里芋はゆでてつぶす
・みそとマヨネーズを混ぜる
・きゅうりを入れて和える
まとめ
3品それぞれに、笠原将弘さんの“おおらかさ”と冬の食材の魅力がしっかりと宿っています。煮物、湯豆腐、サラダという異なるジャンルでも、どれも家庭で再現しやすい工夫が盛り込まれているのが印象的です。
放送後には、実際の手順や味つけ、笠原さんのポイントなどをすべて反映させた完全版記事としてあらためて書き直します。
料理の背景や調理の理由まで3つのポイントを紹介します

ここからは、私からの提案です。ぶりとごぼうの組み合わせに隠れた伝統の知恵、里芋をなめらかに仕上げるための実践的な下ごしらえ、そして湯豆腐を季節ごとに楽しむタレの工夫など、日々の料理がもっと味わい深くなる要素を紹介します。どれも家庭で再現しやすい内容で、料理の理解がより広がるポイントです。
ぶりとごぼうを合わせる伝統的な理由
ぶりとごぼうの組み合わせには、古くから続く知恵があります。ごぼうは香りが強く、煮込むとその風味が煮汁にうつり、魚の臭みを自然におさえる働きがあります。この特徴が、脂のある魚との相性を良くしてきました。魚の臭みといわれる成分は熱で広がりやすいのですが、ごぼうの香りがそれを包みこむように寄り添い、食べやすさにつながると紹介されています。また、ごぼうに含まれるポリフェノールの一部が魚の臭み成分と結びついてやわらげるともいわれており、香りと成分のどちらの面でも相性が良い食材です。煮魚やあら煮でごぼうが使われてきた背景もここにあり、ぶりごぼうという料理はその延長線上で生まれた、日本の台所の知恵といえる組み合わせです。
里芋を滑らかに潰すコツ
里芋は火が通ると繊維がやわらかくなるので、茹で上がったらすぐに作業することが大切です。熱いうちに木べらやマッシャーでつぶすと、繊維がすっと切れてクリーミーな口あたりになりやすいです。冷めてしまうと繊維同士が固まり、どうしてもごつごつした食感になりやすく、滑らかさが出にくくなります。また、里芋は水分が多く粘りもあるので、茹でたあとにしっかり湯を切って余分な水分を飛ばすことで、ほどよい固さに整えられます。これらを意識するだけで、普段の里芋でも驚くほどなめらかな仕上がりになり、家庭料理でも満足度が高まります。
湯豆腐のタレを季節で変える提案
湯豆腐は味がやさしい料理なので、合わせるタレで季節の表情をつけると変化が生まれます。春はゆずやすだちのような柑橘を合わせると、爽やかな香りが豆腐のやさしさに重なり、軽やかな味わいになります。夏はしょうがや大葉などの香味野菜が向いていて、すっきりとした後味が暑い季節に寄り添ってくれます。冬はみそやごまを加えると、コクと深みが増して体を温める味わいになります。このように季節でタレを変えることで、湯豆腐は一年を通して楽しめる料理になります。和食の「旬を感じる」という考え方にも重なり、食卓に季節らしさを添える工夫として役立ちます。
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