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NHK【未解決事件 [新]File.01(前編)】八王子スーパー強盗殺人事件 ナンペイ大和田店“金庫の謎”と新証言に迫る|2025年10月4日★

未解決事件

未解決事件を追う新シリーズが始動!八王子スーパー強盗殺人事件とは?

1995年、東京都八王子市で起きたスーパー「ナンペイ大和田店」強盗殺人事件。女性従業員3人が銃で撃たれて命を落とし、今もなお真相が解明されていない未解決事件です。なぜ金庫の500万円が手つかずだったのか、なぜ若い女子高生アルバイトまで標的になったのか。事件から30年が経った今、NHKの新シリーズ『未解決事件 File.01』が、この謎多き事件の深層に迫ります。「犯人像が浮かんでは消えた理由」「捜査を阻んだ壁」、そして新たに番組が試みる検証とは何なのか。その全貌を見ていきましょう。

事件の概要と被害者

1995年7月30日夜、東京都八王子市大和田町にあるスーパー「ナンペイ大和田店」の2階事務所で、世間を震撼させる事件が起きました。夜9時過ぎ、閉店作業をしていた従業員3人が何者かに襲撃され、命を奪われたのです。

犠牲となったのは、パート従業員の稲垣則子さん(当時47歳)、アルバイトとして働いていた女子高校生の矢吹恵さん(当時17歳)、そして同じくアルバイトの前田寛美さん(当時16歳)の3人でした。3人は無抵抗のまま至近距離から頭部を撃たれ、即死状態で発見されました。その冷酷な手口は、当時の社会に強い衝撃を与えました。

現場の事務所にあった金庫には銃弾が撃ち込まれていましたが、内部の現金約500万円はそのまま残されていました。さらに、3人が持っていた財布や貴重品にも一切手がつけられていませんでした。通常の強盗事件であれば金銭を奪うはずですが、金品が無事だったことから「強盗目的ではないのではないか」という疑問がすぐに浮かび上がりました。一方で金庫を破壊しようとした形跡もあり、単純に金を狙ったものの何らかの理由で断念した可能性も指摘されています。

事件が起きたナンペイ大和田店は、1階が店舗、2階が事務所という構造でした。事務所へは外階段から出入りできる造りであり、犯人が人目につかずに侵入できる環境があったとみられています。事件当日の夜は日曜日で、店の営業終了後の静かな時間帯。周囲の人通りも少なく、犯人が行動を起こしやすい状況でした。

この事件は「金銭目的の強盗」なのか「怨恨や別の動機による犯行」なのか、今なお判断がつかず、動機の不明確さが捜査を難航させる要因となっています。発生から30年近くが経過した現在も、真相は明らかになっていません。

捜査を阻んだ“壁”

捜査は事件発生直後から大規模に展開され、延べ22万人以上の警察官が投入されました。これは当時としても異例の規模であり、警視庁は強い姿勢で事件解決に臨んでいました。しかし、捜査が進む中で決定的な証拠を見つけることはできませんでした。

現場には複数の手がかりが残されていました。被害者の一部には粘着テープが使われており、その表面から指紋を採取する試みが行われました。また、床にはスニーカーの足跡が残され、さらに灰皿からはたばこの吸い殻が複数見つかっています。こうした痕跡は犯人特定の大きな鍵になるはずでしたが、1995年当時の鑑識技術ではDNA型鑑定や照合システムが現在ほど発達しておらず、決定打となる証拠には結びつきませんでした。

さらに、事件の性質も捜査を難航させました。もし金銭目的であれば、金庫に残されていた約500万円を奪って逃走するのが通常の行動と考えられます。しかし実際には現金はそのまま残されていました。逆に怨恨による犯行だとすれば、なぜ3人全員を射殺する必要があったのかという疑問が残ります。動機の不明確さが捜査の方向性を定めにくくし、迷走の要因となりました。

有力情報が寄せられたこともありました。現場の粘着テープに残された指紋が、多摩地区に住んでいた日本人男性のものと“酷似”していると報じられたのです。しかし、この男性はすでに死亡しており、供述の裏付けやアリバイ確認を進めることができませんでした。結局、立件には至らず、重要な手がかりは再び霧の中へ消えていきました。

補足として、この事件ではスニーカーのサイズが26センチ前後の特定モデルと推定され、たばこの銘柄からも犯人像を探ろうとしましたが、いずれも断定的な結論には至っていません。事件から年月が経過するにつれて証拠の劣化も進み、捜査は次第に難しさを増していきました。

浮かんでは消えた犯人像

これまでの捜査や報道の中で、犯人像についてはいくつもの説が浮上してきました。

まず注目されたのは、現場に残されていた粘着テープから“酷似”する指紋が検出された男性説です。この男性は多摩地区に住んでいたとされますが、すでに死亡していたため事情聴取やアリバイ確認ができず、結局は立件につながりませんでした。決定的な証拠を欠いたことで、手がかりはそのまま途絶えてしまいました。

次に指摘されたのは、銃器の扱いに慣れた専門的な訓練を受けた人物説です。被害者3人はいずれも頭部を至近距離から正確に撃たれており、射撃の技術に長けた人物である可能性が高いと見られました。警察関係者や自衛隊経験者などの関与も噂されましたが、裏付ける情報は見つかっていません。

また、一時期は外国人犯罪組織やプロの強盗団関与説も浮上しました。犯行の手口が組織的で冷酷だったことから、中国人マフィアや外国人窃盗グループによる犯行ではないかと報じられたこともあります。しかし、金庫の現金を奪わずに立ち去っている点などから、単純な組織的強盗とは矛盾があり、最終的には確証を得られませんでした。

さらに、怨恨や復讐を動機とする関係者説も検討されました。被害者やスーパー関係者に恨みを持つ人物がいたのではないかという見方です。しかし、被害者3人の生活環境や人間関係を徹底的に調べても、明確な動機を裏付ける人物は浮かび上がりませんでした。

こうして複数の説が挙げられながらも、どれも決定的な証拠を欠き、長年にわたり「犯人像」は霧の中に消え続けています。補足として、現場から発見されたスニーカー跡やたばこの吸い殻も犯人特定の糸口になるはずでしたが、具体的な人物に結びつけることはできていません。事件から年月が経つごとに手がかりは薄れ、いまだ解決には至っていないのです。

番組が取り組む新たな検証

今回のNHK『未解決事件 File.01(前編)』では、これまでの捜査をただ振り返るだけではなく、新たな検証を試みます。
・警察が集めた膨大な資料の再分析
・200人以上の関係者への再取材による“新証言”の発掘
・当時の捜査体制や技術的制約を明らかにし、なぜ壁にぶつかったのかを解剖
・「犯人は今どこにいるのか」「動機は何だったのか」という仮説の再構築

単なる犯罪の記録ではなく、現代社会にとっての教訓も探る姿勢が強調されています。

まとめ

この記事のポイントは以下の3つです。

  1. 八王子スーパー強盗殺人事件は、30年経っても解決していない未解決事件の代表例。

  2. 捜査の壁は「証拠の不足」「動機の不明確さ」「技術の限界」にあった。

  3. NHKの新シリーズは、資料再分析と新証言をもとに“真相”に迫ろうとしている。

事件は過去のものではなく、今なお続いている現実です。番組の放送後には、さらに新しい視点や証言が明らかになる可能性があります。その検証結果を待ちながら、私たち一人ひとりも「なぜ解決できなかったのか」を考えるきっかけにしていきたいものです。


出典:
NHK公式 番組紹介
警視庁 公式情報
毎日新聞 報道記事


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