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【3か月でマスターする古代文明】[新]1衝撃!最古の巨大遺跡見直される文明の始まり──1万年前に祈りは生まれていた|2025年10月7日

3か月でマスターする古代文明

文明の始まりを問い直す——ギョベックリ・テペが語る人類の“目覚め”

「文明は農耕から始まった」——そう信じていませんか?実はその常識を覆す遺跡が、トルコ南東部で発見されました。名をギョベックリ・テペ。世界最古の文明とされるメソポタミアよりも約5000年も前、人々はすでに巨大な石の建物を造っていたのです。「まだ農業も始まっていない時代に、どうして?」と誰もが驚くこの発見は、私たちの“文明観”そのものを揺さぶります。この記事では、10月7日放送の『3か月でマスターする古代文明』第1回で取り上げられるギョベックリ・テペの魅力と、その“文明の始まり”を再定義する視点をわかりやすく紹介します。

ギョベックリ・テペとは何か——1万年前の巨大遺跡

6,300点を超えるシャンルウルファのストックフォト、写真、そしてロイヤリティフリーの画像 - iStock

トルコ南東部のシャンルウルファ近郊に位置するギョベックリ・テペは、紀元前9600年から前8200年頃に使われていたとされる新石器時代以前の遺跡です。直径20メートルほどの円形の石造施設がいくつも並び、中心には高さ5メートルを超えるT字型の石柱が林立しています。この柱には、蛇やイノシシ、鳥、クモなど多様な動物の彫刻が刻まれており、当時の人々が自然や生命をどのように捉えていたのかを伝えています。

驚くべきは、これらが農耕や金属器、土器が存在する前の時代に造られていたという点です。人類がまだ狩猟採集を中心に暮らしていた時期に、これほど複雑で大規模な構造物を建てられたという事実は、「文明の発展=農業の発展」という固定観念を覆しました。

儀礼が文明を動かした?——“宗教が先にあった”という仮説

従来の歴史観では、「農業が発展して食料が安定→定住が進む→都市や宗教が生まれる」という流れが“文明の公式”とされてきました。しかし、ギョベックリ・テペの存在はその順序を逆転させました。つまり、人々はまず信仰や儀礼の場をつくりたいという思いから集まり、そのために協力し、やがて社会や農耕が発展したのではないかという考え方です。

現地の発掘を進めた考古学者たちは、柱の配置や彫刻の象徴性に強い宗教的意味があると見ています。腕や手、腰のベルトなどをかたどった柱もあり、人間や神を表した“象徴”だった可能性があります。宗教が文明の原動力だったという視点が、いま世界中の研究者から注目されています。

天体観測と象徴の文化——“思考する人類”の証

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近年の研究では、ギョベックリ・テペの柱の配置が天体の動きと関係している可能性も指摘されています。星や太陽の位置を観測し、季節や時間の移り変わりを記録するための装置のような役割を果たしていたのではないかというのです。さらに、ある彫刻には“彗星衝突の記憶”を刻んだとする説もあり、単なる宗教施設ではなく、宇宙と人間をつなぐ象徴空間だったという見方が広がっています。

また、遺跡の一部が使われなくなると、意図的に覆土して埋め戻されていたこともわかっています。これは、建物を“閉じる”という儀礼的行為であり、再生や更新のサイクルを象徴していたと考えられています。この行為そのものが、人間が“時間”や“記憶”を意識し始めた証といえるでしょう。

文明の定義を変える——“道具の進歩”から“精神の進化”へ

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ギョベックリ・テペの最大の意義は、文明を「道具や技術の発展」で測るだけではなく、「人々が共有する精神・象徴・信仰」という側面から見直すきっかけを与えた点にあります。農業や都市の誕生よりも先に、“信じる力”“祈る心”“協力する仕組み”が存在していた。その発見は、私たち人類が思っていた以上に早く“社会的存在”としての自覚を持っていたことを示しています。

番組『3か月でマスターする古代文明』では、国立民族学博物館館長・関雄二筑波大学教授・三宅裕が登場し、最新の研究成果とともにこの謎に迫ります。司会は石橋亜紗アナウンサー。考古学・人類学・歴史学の知見を交えながら、ギョベックリ・テペが語る「文明の始まりの再定義」を多角的に掘り下げます。

まとめ:遺跡が語る“人間の原点”

この記事のポイントは以下の3つです。
・ギョベックリ・テペは、メソポタミア文明より5000年も前に造られた世界最古級の巨石遺跡
・農耕や金属器がない時代に、宗教や儀礼が人々を結びつける中心だった可能性がある
・文明を「技術の発展」ではなく、「信仰と象徴の共有」として捉え直す視点が求められている

今後の放送では、この遺跡にまつわる最新研究や、関連遺跡カラハン・テペなどの新発見も紹介される可能性があります。放送後には、研究者の解説や番組で語られた新しい視点を追記し、さらに詳しくお届けします。

(出典:ユネスコ世界遺産センター、スミソニアンマガジン、Encyclopedia Britannica、John Templeton Foundation、NHK番組情報)


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