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NHK【うまいッ!】辛くて甘い?とうがらし・清水森ナンバ 〜青森・弘前市〜 伝統野菜が守り続ける“津軽の味と誇り”とは|2025年10月26日★

うまいッ!

辛くて甘い“津軽の宝” 清水森ナンバの魅力

青森県弘前市の豊かな自然が育てる伝統野菜、清水森ナンバ。このとうがらしは、ほかのどんな品種とも違う個性を持っています。最大の特徴は、成長とともに味が変化すること。若い青い実のころは、ピーマンのような爽やかな甘みと軽い辛さ。熟して赤く色づくと、深い旨みと刺激が一体になり、まろやかな辛みへと変わります。この「辛いのに甘い」「刺激のなかに優しさがある」味わいが、多くの料理人を惹きつけてやみません。
2025年10月26日放送の『うまいッ!』では、横山由依さんがこの希少なとうがらしを訪ね、その味わいと栽培の秘密を体感します。案内役を務めるのは、番組司会の天野ひろゆきさんと塚原愛アナウンサー。弘前の畑で、清水森ナンバがどのように大切に育てられているのかが紹介されます。

400年の時を超える伝統の味

清水森ナンバの歴史は、江戸時代初期までさかのぼります。津軽藩の初代藩主・津軽為信が京都・伏見稲荷から唐辛子の種を持ち帰り、弘前の清水森地区で栽培を始めたのがきっかけとされています。当時、唐辛子は「南蛮(なんばん)」と呼ばれており、その名残が「ナンバ」という呼び名に受け継がれました。以来、津軽の気候と肥沃な土壌に育まれ、独自の風味をもつとうがらしとして地域に根づきました。
江戸時代には庶民の食卓でも重宝され、「南蛮味噌」や「一升漬」などの保存食として津軽の冬を支えました。しかし、昭和40年代になると輸入唐辛子の増加や農家の高齢化で栽培が激減し、一時は絶滅寸前に。そんな危機を救ったのが、地元農家と弘前大学、行政が一体となって立ち上げた在来津軽『清水森ナンバ』ブランド確立研究会です。彼らはわずかに残された種を守り抜き、土壌改良や育苗の管理体制を整備。長年の努力の末、2020年に地理的表示(GI)登録が認められ、再び脚光を浴びることになりました。

まろやかな辛さの秘密

清水森ナンバの辛さは、「ただ辛い」ではありません。青森の冷涼な気候がゆっくりと実を熟成させることで、糖度が高く、辛さの奥に自然な甘みが生まれるのです。青い段階では瑞々しく爽やか、赤くなると香りが増し、旨みがぎゅっと詰まります。
一般的な唐辛子(鷹の爪など)に比べて、カプサイシン量が少ないため、口にしても刺すような辛さはなく、代わりにコクと深みのある風味が広がります。この独特のバランスが、和食にも洋食にも合う万能性を生んでいるのです。また、ビタミンC・E・βカロテンなどの栄養素が豊富で、抗酸化作用や代謝促進の効果も期待される健康野菜としても注目されています。

一粒一粒が丁寧に育てられる理由

清水森ナンバは、弘前市とその周辺地域で栽培されていますが、その量は決して多くありません。現在、生産農家は約60戸、生産量は年間わずか18トン前後。栽培に参加できるのは、ブランド研究会の会員のみ。会では、種の採取や育苗、病害虫対策、品質検査などを細かく定め、毎年専門家が指導を行っています。
採種には特にこだわりがあり、病気のない株の中から形の良い果実だけを選び、次年度の種とします。これにより、清水森ナンバ特有の「肩の張った大長型」の形と味を守り続けています。畑は風通しと水はけの良い土地が選ばれ、肥料もできるだけ自然由来のものを使用。農薬を抑えた安心・安全な野菜づくりが徹底されています。

津軽に伝わる“辛旨”レシピ

津軽の家庭で昔から愛されているのが、清水森ナンバを使った『一升漬』。米こうじ・醤油・唐辛子を一升ずつ混ぜ、1年以上かけて熟成させる伝統の保存食です。ほどよい辛さと甘辛い発酵の旨みが調和し、ご飯にも焼き魚にも相性抜群。最近では「ナンバ味噌」「ナンバラー油」などの加工品も登場し、土産物や贈答品として人気を集めています。
また、料理の幅も広がっており、青ナンバを使った肉味噌炒め麻婆豆腐、赤ナンバを乾燥させた一味唐辛子なども定番。香りが穏やかなため、スープやパスタ、ピザなどにも使いやすく、津軽発のスパイスとして注目されています。

番組で紹介される“未来への挑戦”

『うまいッ!』の放送では、横山由依さんが実際に畑を訪ね、生産者の声を聞きながら清水森ナンバの魅力に迫ります。地元農家は「この味を残したい」という思いで、若手後継者の育成や観光体験イベントにも取り組んでいます。さらに地元の料理店では、ナンバを使ったナンバラーメン南蛮コロッケなどの創作料理が続々と誕生。辛さだけでなく、地域の絆と誇りをつなぐ存在になっています。
このほか、ナンバを使った新商品開発や県内外のフェア出展など、地域ブランドとしての展開も進行中。放送後には、番組で紹介された加工品や料理レシピの情報を追記予定です。

まとめ

・清水森ナンバは400年の歴史をもつ青森・弘前の伝統野菜。
・辛さの中に甘みがあり、まろやかで香り豊かな味わいが特徴。
・栽培は厳しく管理され、地域全体で希少な味を守り続けている。
・『一升漬』や創作料理など、食文化の中心として再び注目を集めている。

津軽の人々が守り抜いた清水森ナンバは、辛さの奥に「ぬくもり」を感じるとうがらし。放送では、その味わいと人の物語が描かれます。これからの季節、ぜひ弘前を訪れ、この“辛くて甘い”奇跡の味を体験してみてください。
放送後には、紹介された料理・販売情報を追記予定です。


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