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NHK【あさイチ・いまオシ!LIVE】高知発『フィッシュレザー』魚の皮が革財布に!アップサイクルが生む新しい日本のものづくり|2025年11月11日

高知の海から生まれた新素材!魚の皮が「革」になる『フィッシュレザー』の物語

魚の皮って、食べたあとどうしていますか?多くの人にとっては「捨てるもの」。でも、高知県ではその“いらない皮”を、美しくて丈夫な“革(レザー)”に変える人たちがいます。この記事では、そんな新しいサステナブル素材『フィッシュレザー』の魅力と、そこに込められた地域の想いを紹介します。

「環境にやさしい素材って、本当に身近にあるの?」
「エシカルとかアップサイクルって聞くけど、結局どんなもの?」
そんな疑問を持つ人にこそ、このフィッシュレザーの物語を知ってもらいたいです。読むことで、“サステナブル”を難しい言葉ではなく、“暮らしの中の選択肢”として感じられるようになるはずです。

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高知発『Ocean Leather』とは?廃棄物を価値ある素材へ

『Ocean Leather(オーシャンレザー)』は、高知県高知市にある興洋フリーズ株式会社が展開するブランドです。
この会社は1985年創業の老舗水産加工会社。長年、養殖魚や天然魚の加工を行ってきましたが、その過程でどうしても避けられないのが「廃棄物」でした。特に、魚の皮やウロコなどは再利用が難しく、ほとんどが捨てられていたのです。

そんな中、「この副産物を何とか再利用できないか」という発想から生まれたのが、魚の皮を革に変えるという挑戦でした。魚の皮には独特の繊維構造があり、軽くて丈夫。これを“なめし加工”して再利用することで、まったく新しい素材が誕生しました。

ブランドの立ち上げは2021年。たった数年で、全国のメディアやファッション業界からも注目される存在となりました。環境問題が叫ばれる中、高知の海から世界へと発信されるこの挑戦は、「未来のものづくり」の象徴でもあります。

魚の皮が“革”になるまでの道のり

フィッシュレザーの製造には、驚くほど多くの工程が必要です。
一般的な革と同様に、20以上の工程を経てようやく製品化されます。

まず、漁業や水産加工で出た魚の皮を丁寧に選別し、余分な脂を取り除きます。魚の皮には独特の油分があるため、この処理を慎重に行わないと臭いが残ってしまいます。
その後、皮をなめす(柔らかくする)工程に入ります。ここでは植物由来の成分を使い、環境にも配慮した方法で加工されています。

乾燥、染色、仕上げと進むうちに、魚皮はまるで宝石のような光沢を放つ革へと変化します。魚種ごとに模様も違い、ブリの繊細な銀青色、マダイの柔らかなピンクベージュ、シイラのグリーンなど、自然が描いた模様がそのまま残るのが最大の魅力です。

さらに、魚の皮は「クロスハッチ繊維構造」と呼ばれる特殊な組織を持っており、牛革のように厚くなくても非常に強度があります。そのため、軽くて丈夫、しかも柔軟性があるという、まさに次世代のレザー素材なのです。

一枚一枚が違う、“海の個性”をまとうレザー

『Ocean Leather』の魅力は、同じ魚でも一枚として同じ模様がないこと。自然のままの表情がそのままデザインになるため、「一点もの」としての価値が高いのです。

製品には、財布・名刺入れ・キーケース・スマホケースなどがあり、どれもスタイリッシュでありながら手触りがやさしい。色も豊富で、染色によって鮮やかなブルーやグリーン、ナチュラルなベージュなど、海を思わせる色合いが並びます。

また、法人向けには素材提供(OEM)も行っており、企業コラボや限定デザインなども登場しています。こうした動きは、高知の小さな工場から全国へ、さらには海外へと広がりを見せています。

サステナブルと地域活性、二つの価値を包み込む

このプロジェクトが特別なのは、単に「廃棄物の再利用」という話にとどまらない点です。
高知の漁業現場では、日々多くの魚が加工されています。その中で、皮や骨といった“副産物”の多くは産業廃棄物として処理されていました。

『Ocean Leather』は、その「いらないもの」を「価値あるもの」に変えました。
廃棄コストを減らすだけでなく、地元に新たな雇用を生み出し、職人の手仕事を支える。さらに、観光地・高知の魅力として県外からの関心も高まっています。

魚を育てる人、加工する人、製品をつくる人、使う人——そのすべてがつながる循環。まさに“地域を包む素材”といえるでしょう。

“包む”をテーマに広がる新しい発想

NHK『あさイチ』のテーマ「包む料理」とのつながりも非常に興味深いです。
料理では、皮や生地で具材を包むことでおいしさと温かさを生み出します。一方で、フィッシュレザーは“包む素材”として、財布やカバンなど人の暮らしを守り、包みます。

つまり、“包む”という行為そのものが、食とものづくりの世界をつなぐキーワードなのです。
高知の『フィッシュレザー』は、そうした文化的・感覚的なつながりを形にした象徴的な素材ともいえるでしょう。

未来に向けて――海の恵みを次世代へ

今後、フィッシュレザーはファッション・建築・インテリアなど、さまざまな分野での応用が期待されています。
たとえば、カーボンニュートラル時代に向けて注目される「バイオマテリアル(生物素材)」としての可能性。あるいは、海洋ゴミ削減とセットで語られる“サステナブルデザイン”の文脈でも存在感を増すでしょう。

高知の海が育んだ魚の命が、形を変えて長く使われる——それは、単なる製品ではなく、「自然と共に生きる知恵」です。
『Ocean Leather』は、その知恵を現代の生活に寄り添う形で伝えています。

まとめ

この記事のポイントは以下の3つです。

・高知発の興洋フリーズ株式会社が魚の皮を再利用して生み出した『フィッシュレザー』は、環境と地域を支える新素材
・魚種ごとの模様や色合いが“海の個性”としてデザインに生かされ、すべてが一点ものの美しさ
・“包む”というテーマを、料理から素材、そして社会へと広げる象徴的な取り組み

『Ocean Leather』は、ただの素材ではなく、海の物語そのものです。
魚の皮が革に生まれ変わる過程には、人の知恵、地域の技、そして自然への敬意が詰まっています。
2025年の今、この“海の革”がどんな新しい未来を包み込んでいくのか、これからの展開に期待が高まります。

参考・出典リンク

Ocean Leather 公式サイト
興洋フリーズ株式会社
Yahoo!ショッピング「Ocean Leather」製品一覧
Ocean Leather for Business


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