骨盤から体の印象は変わっていく
このページでは『明日から使える たちまち美姿勢(4)骨盤×ぽっこり下腹改善(2025年12月22日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
姿勢が気になる、下腹が前より目立つ気がする、体の動きが重く感じる。そんな日常の小さな違和感に、骨盤という視点から向き合うのが今回のテーマです。
体を大きく鍛える話ではなく、骨格と筋肉の関係を知り、使い方を変えることで、見た目も動きも変わっていく。その考え方が番組全体を通して描かれます。
美しい姿勢は筋肉と骨のバランスから生まれる
番組の軸になっているのは、美しい姿勢は見た目を気にして作るものではなく、筋肉と骨が無理なく支え合っている状態だという考え方です。
背骨は本来、ゆるやかなカーブを描いて立っています。そのカーブを支えているのが骨盤です。骨盤が適切な位置にあると、背骨は自然に立ち、首や肩、腰に余計な力が入りにくくなります。
ところが日常生活では、長時間の座り姿勢やスマホを見る時間が増え、骨盤が後ろに倒れた状態が続きがちです。いわゆる『骨盤後傾』の姿勢です。この状態が続くと、背骨のカーブが崩れ、背中が丸まりやすくなります。
その結果、体幹の筋肉がうまく使われず、姿勢を支える力が弱まり、疲れやすさや見た目の崩れにつながります。番組では、こうした姿勢の乱れが「たるみ」にも影響する点が示されています。
骨盤を正しい位置に戻すことは、姿勢を整えるだけでなく、体のライン全体を引き締めて見せる土台づくりでもあります。
骨盤を前傾・後傾させる感覚を身につける
今回の回で特に重視されているのが、骨盤を自分で動かせるかどうかという点です。
普段の生活で「今、骨盤を前に倒している」「後ろに倒している」と意識することはほとんどありません。多くの人は、骨盤が動かないまま固まった状態で生活しています。
番組ではまず、骨盤を前傾させたり後傾させたりする感覚を身につけるエクササイズから始めます。これは筋力を競う運動ではなく、体の中心を感じ取るための動きです。
骨盤を前に傾けると腰のカーブが強まり、後ろに傾けると腰が床に近づく。この違いを体で感じることで、骨盤が「動く場所」だと理解できるようになります。
骨盤を意識して動かせるようになると、姿勢を直そうとしたときに、腰や背中だけで無理に整えようとしなくなります。体の中心から姿勢を作る感覚が生まれてきます。
骨盤の動きがぽっこり下腹に与える影響
ぽっこり下腹は、単におなかに脂肪がついた結果だと思われがちですが、番組では姿勢との関係に焦点が当てられます。
骨盤が後傾した姿勢では、腹部の筋肉が使われにくくなります。おなかの力が抜けた状態が続くことで、下腹が前に押し出されたように見えてしまいます。
一方、骨盤が適切な位置に戻ると、おなか周りの筋肉が自然に働きやすくなります。特別に力を入れなくても、立っているだけで下腹が引き上がるような感覚が生まれます。
番組では、骨盤を動かせるようになることが、下腹を変えるための近道だという流れで構成されています。
下腹を鍛えようと腹筋運動を繰り返す前に、まず骨盤の状態を見直す。その順番が大切だという考え方です。
おなかが自然に動く体の使い方
骨盤が整うと、体幹全体の使い方も変わってきます。体幹とは、腹部や背中、骨盤まわりを含む体の中心部分です。
番組では、体幹の筋肉が「支える役割」を担っていることが伝えられます。腹横筋や骨盤底筋といった筋肉は、目に見えにくいですが、体を内側から安定させる重要な存在です。
骨盤を正しく使えるようになると、こうした筋肉が日常動作の中で自然に働きます。立つ、歩く、座るといった何気ない動きの中で、おなかが動き、体が安定します。
無理におなかをへこませ続けるのではなく、姿勢と動きの中で自然に使われる状態を目指す。それが今回の内容の大きな特徴です。
肩甲骨と骨盤を連動させて全身を整える
番組後半では、骨盤と並んで肩甲骨にも注目します。
肩甲骨は腕や背中の動きに関わるだけでなく、姿勢全体の印象を左右する場所です。肩甲骨が固まり、前に引き出された状態が続くと、胸が閉じ、背中が丸くなりやすくなります。
番組では、骨盤と肩甲骨を別々に考えず、体全体のつながりとして動かすトレーニングが紹介されます。
骨盤を安定させながら肩甲骨を動かすことで、背中が伸び、上半身と下半身がスムーズにつながる感覚が生まれます。
下半身だけ整えても、上半身が固まったままでは姿勢は完成しません。骨盤と肩甲骨の連動が、美姿勢の仕上げとして位置づけられています。
出演者と放送情報
講師は小笠原啓太さん。ゲストとして虻川美穂子さん、JOYさん、大島麻衣さんが出演します。
体の使い方を実際に体験しながら進行する構成となっており、視聴者が自分の体を重ねて考えやすい回になりそうです。
放送は2025年12月22日(月)21時30分から22時まで、NHK Eテレで放送予定です。
在宅ワークとスマホ時間が骨盤後傾を招きやすい理由

ここでは筆者からの追加情報として、在宅ワークやスマホ時間が増えた現代の生活習慣が、なぜ骨盤後傾を起こしやすいのかを具体的に紹介します。毎日の姿勢の積み重ねが、骨盤の角度や体の使い方にどう影響するのかを知ることで、番組内容の理解がより深まります。
長時間の座り姿勢が骨盤を後ろへ引っ張る
在宅ワークでは、一日の大半を椅子に座って過ごす人が増えています。パソコン作業中は画面をのぞき込むようになりやすく、背中が丸まり、その姿勢に引っ張られる形で骨盤が後ろに倒れやすくなります。机や椅子の高さが合っていない場合、体は無意識に楽な姿勢を探し、腰を丸めて座る状態になります。この姿勢が続くと、骨盤は本来の位置に戻る機会を失い、後ろに傾いたまま固まりやすくなります。骨盤後傾の状態では背骨の自然なカーブが崩れ、腰や背中に余計な負担がかかり、疲れやすさや違和感につながります。
スマホを見る姿勢が全身のバランスを崩す
スマホを長時間見る姿勢も、骨盤後傾と深く関係しています。画面を下向きで見続けると、頭が前に出て首が下がり、背中全体が丸くなります。頭は体の中でも重い部分のひとつで、その重さを支えようとして上半身のバランスが崩れます。特に座った状態でスマホを使うと、お尻を椅子の奥に押し付けるような姿勢になりやすく、いわゆる仙骨すわりになりがちです。この姿勢では骨盤が後ろに倒れ、腹部の筋肉が使われにくくなります。スマホ時間が長いほど、この姿勢が体に染みついていきます。
骨盤後傾が固定化していく生活の流れ
長時間座る、前かがみでスマホを見る、背中が丸まる、骨盤が後ろに倒れる、腹部の筋肉が使われない。この流れが毎日繰り返されると、骨盤後傾が「一時的な姿勢」ではなく「普段の状態」になります。そうなると、立っているときや歩いているときでも骨盤をうまく使えなくなり、体の中心が安定しにくくなります。結果として疲れやすくなり、腰や肩への負担も増えていきます。在宅ワークでは席を立つ回数が減り、この悪循環が進みやすい点も見逃せません。骨盤後傾は、気づかないうちに生活習慣の中で作られていくものです。
日常の中で意識したい小さな対策
在宅ワークやスマホ時間が長い日は、こまめに立ち上がること自体が骨盤への刺激になります。立ち上がって背伸びをするだけでも、骨盤が動き、後傾した姿勢から抜け出しやすくなります。また、椅子に深く腰掛け、坐骨で座る意識を持つことで、骨盤が立ちやすくなります。こうした小さな行動の積み重ねが、骨盤後傾を防ぎ、下腹や姿勢の悩みにも良い影響を与えていきます。
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