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【ETV特集】『生きる』教育を君たちへ 未来を変える授業|田島南小中一貫校×生きる力×虐待教育×9年間の一貫教育|2025年12月20日

ETV特集
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『生きる』教育を君たちへ 未来を変える授業 9年で何を学ぶ?

このページでは『ETV特集(2025年12月20日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
貧困や虐待、性被害など、子どもを取り巻く環境が厳しさを増す今、学校は子どもたちに何を教え、どこまで支えられるのか。大阪にある 田島南小中一貫校 が9年間かけて取り組んできた『生きる』教育を通して、この番組は「この世界を生き抜く力とは何か」を真正面から問いかけます。

なぜ今「生きる力」を学校で教えるのか

子どもたちの生活環境は、この数十年で大きく変わりました。家庭や地域だけで子どもを守りきることが難しくなり、貧困、虐待、性被害、孤立といった問題が、決して特別なものではなくなっています。子ども自身が危険に気づき、どう行動するかを考えなければならない場面が増えているのが現実です。
そうした中で学校に求められているのは、教科書の知識だけではありません。自分の心や体に起きている違和感に気づく力、困ったときに誰かに助けを求める判断力、周囲の大人や友だちとつながりながら生きる力が、学びとして必要になっています。この番組は、そうした背景を踏まえ、「学校だからこそできることは何か」を真正面から考える現場を描きます。

田島南小中一貫校が9年間かけて積み重ねてきた教育

田島南小中一貫校 では、小学1年生から中学3年生までの9年間を、一つの流れとして捉えた教育が行われています。学年ごとに単発で行う特別授業ではなく、子どもの成長に合わせて内容を少しずつ深めていくのが特徴です。
低学年では「知ること」から始まり、学年が上がるにつれて「考えること」「行動につなげること」へと学びが進んでいきます。子どもたち一人ひとりの背景に目を向けながら、同じ学校で長く関わることで、小さな変化にも気づきやすい環境が整えられています。9年間という時間をかけて築かれる関係性そのものが、教育の土台になっています。

小学校で学ぶ心と体を守るための授業

小学校では、子どもが自分自身を守るための基礎となる学びが重ねられています。小学1年生では『プライベートゾーン』を通して、自分の体には大切にされるべき領域があることを知ります。これは怖がらせるためではなく、自分の感覚を信じていいというメッセージでもあります。
小学3年生で学ぶ『子どもの権利』では、子どもにも意見を持ち、守られる存在としての価値があることを知ります。自分だけでなく、周囲の友だちも同じ権利を持っていることを理解することで、人との関わり方にも変化が生まれます。
小学4年生になると、自分の気持ちを見つめ、悩みを相談することを学びます。つらさを抱え込まず、信頼できる大人や相手に伝えることが、自分を守る行動につながるという考え方が、日常の中に少しずつ根づいていきます。

中学校で向き合う社会と虐待の現実

中学校では、子どもたちはより広い社会の現実と向き合います。中学3年生で行われる『親の視点から虐待を考える』授業では、虐待を単純な加害と被害の構図だけで捉えません。
親自身が孤立していたり、経済的に追い詰められていたりする状況にも目を向け、なぜ支えが届かないのかを考えます。子どもたちは、問題の背景に社会全体の仕組みが関わっていることを知り、他者を一方的に責めるのではなく、どうすれば支え合えるかを考える視点を身につけていきます。この学びは、自分が将来社会の一員になることを見据えた、大切な時間でもあります。

番組が問いかける「この世界を生き抜く力」とは

番組が伝える『生きる力』は、点数や評価では見えにくいものです。自分の心と体を大切にする感覚、危険に気づいたときの判断、助けを求める勇気、そして他者の立場を想像する力。
田島南小中一貫校 の9年間の教育は、子どもが一人で抱え込まず、誰かとつながりながら生きていくための土台づくりでもあります。この番組は、子どもたちに向けた教育の記録であると同時に、大人にとっても「社会は子どもをどう支えるべきか」を問い直す内容になっています。

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学校にできることと社会に残された課題を切り分けて考える

しげゆき
しげゆき

ここまで番組を追ってきて、強く感じたのは、学校がどこまで担えるのか、そして学校だけでは抱えきれないものは何かを、はっきり分けて考える視点の大切さです。田島南小中一貫校の取り組みは万能ではありません。しかし、だからこそ「学校にできること」と「社会に残された課題」がくっきりと浮かび上がってきます。ここでは、その整理を筆者からの追加情報として紹介します。

学校が担える「毎日の中で子どもを支える役割」

学校にできる最大のことは、子どもが毎日通う場所として、安心できる居場所をつくり続けることです。授業を通して自分の心や体を大切にしていいと伝え、違和感を覚えたときに立ち止まって考える時間を与える。悩みを抱えたとき、誰かに相談していいという感覚を、繰り返し日常の中で確認できるのは学校だからこそです。
田島南小中一貫校のように9年間同じ理念で関わることで、子どもの小さな変化に気づきやすくなり、「見落とさない大人がいる」という実感を子どもに持たせることができます。これは教科書だけでは教えられない、大切な学びです。

学校だけでは解決できない社会の構造的な問題

一方で、貧困や虐待、家庭の孤立といった問題は、学校の努力だけではどうにもならない現実があります。家庭の経済状況、保護者の心身の余裕、地域の支援体制などは、教育現場の外側にある問題です。
学校は気づくこと、つなぐことはできますが、生活そのものを支える制度や仕組みを動かす役割までは担えません。ここにこそ、社会全体の課題が残されています。福祉、医療、行政、地域が連携しなければ、子どもを取り巻く環境は変わりません。

学校と社会が役割を分けて支え合うという考え方

この番組が教えてくれるのは、学校がすべてを背負う必要はない、という現実的な視点です。学校は生きる力の土台を育てる場所、社会はその力が折れずに使える環境を整える役割を担う。
どちらか一方に期待を押しつけるのではなく、それぞれの役割を理解したうえで支え合うことが、子どもを守る一番の近道だと感じます。田島南小中一貫校の実践は、その分かれ目を私たちに静かに示してくれています。


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