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【TVシンポジウム】世界工芸トリエンナーレin金沢 工芸が生み出す“復興”の力 AI時代の工芸と輪島塗・珠洲焼が示す未来|2026年1月4日

TVシンポジウム
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工芸は復興の先へ進めるのか

このページでは『TVシンポジウム 世界工芸トリエンナーレin金沢 工芸が生み出す“復興”の力(2026年1月4日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
世界工芸トリエンナーレという国際的な舞台で、金沢の工芸が何を問い、復興という言葉にどんな意味を重ねようとしているのか。その全体像を知ることで、工芸が「過去を守る技術」ではなく「これからを形づくる力」であることが見えてきます。

世界工芸トリエンナーレin金沢が示す現在地

世界工芸トリエンナーレin金沢は、完成された作品を並べて見せるだけの催しではありません。作品展示と同じ重さで、議論そのものを大切に位置づけている点が大きな特徴です。
会場となった金沢21世紀美術館では、「工芸の未来」をテーマにしたトークセッションが行われ、つくり手、研究者、専門家が同じ場で意見を交わしました。

そこで語られた内容は、見た目の美しさや高度な技法の話にとどまるものではありません。
工芸がこれまで社会とどう結びついてきたのか、地域の中でどのように根づき、人の暮らしを支えてきたのか。その長い積み重ねを土台にしながら、今の時代に工芸は何ができるのかという問いが投げかけられました。

大量生産や効率が当たり前になった現代において、手でつくる行為が持つ意味、時間をかけて仕上げる価値、使う人との関係性。
そうした要素を改めて言葉にし、共有すること自体が、このトリエンナーレの重要な役割になっています。

また、この場は金沢という土地が長年育ててきた工芸文化を、国内だけでなく国際的な文脈の中で見つめ直す機会でもありました。
地域に根ざした工芸が、世界の中でどんな位置にあり、どんな可能性を持っているのか。
金沢の歩みそのものが、工芸の未来を考えるための実例として、改めて共有される場となっていました。

AI時代に工芸は何を差し出せるのか

番組の大きな問いの一つが「工芸はAIに勝てるのか」というテーマです。
ここで使われている「勝つ・負ける」という言葉は、作業の速さや利便性、正確さを比べる話ではありません。AI時代において、人が手でつくるという行為の意味はどこに残り、どんな価値として生き続けるのか。その本質が問われています。

工芸の現場では、素材に直接触れ、重さや温度、硬さを感じ取りながら形を探していきます。思い通りにいかない場面も多く、時間をかけて試行錯誤を重ねる中で、ようやく一つの形にたどり着きます。
そこには、効率や正解だけでは測れない感覚判断が積み重なっています。

番組では、こうした工芸の営みが、単なる技術ではなく、人間の感覚や思考と深く結びついた行為であることが語られていきます。
分野の異なる登壇者たちが、それぞれの立場から工芸を見つめ直すことで、AIには置き換えられない人間らしさや、創造の根っこにあるものが、少しずつ浮かび上がっていく構成になっています。

加賀百万石のDNAと金沢の新しい工芸

番組では「続々誕生する金沢の新しい工芸」にも光が当てられます。
それは、突然生まれた流行や一時的な動きではなく、長い時間をかけて積み重ねられてきた背景の上に現れているものとして描かれています。

その土台として語られるのが、加賀百万石の時代から続く文化の厚みです。
金沢では、権力や富を誇るだけでなく、職人を守り、技を育ててきた歴史がありました。
道具や工房だけでなく、人そのものを大切にする考え方が、世代を超えて受け継がれてきたことが、今の金沢の工芸文化を支えています。

番組が示す「新しい工芸」は、過去の名作をそのまま再現することではありません。
古い技法精神をしっかりと受け止めたうえで、現代の暮らし価値観にどう応えるかを考え、形にしていく姿勢が強調されています。
使う場面や意味を問い直しながら、今の時代に必要とされる表現へと更新されていく流れです。

こうした動きを、番組では「DNA」という言葉で捉えています。
それは、過去の工芸と現在の工芸が切り離されたものではなく、同じ流れの中で呼吸しているという考え方です。
金沢という土地が持つ記憶や経験が、新しい工芸の中に自然と息づいていることを、静かに示しています。

輪島塗をどう守り、どうつなぐのか

能登半島地震で大きな被害を受けたのが、輪島塗の産地です。
工房が倒壊し、道具が使えなくなり、職人の生活そのものが立ち行かなくなる状況の中で、「どう守り抜くのか」という重い問いが突きつけられました。

番組では、復興を元の姿に戻すことだけで考えてはいけない、という視点が共有されます。
建物を直し、作業を再開するだけでは、輪島塗の未来は守れない。
そうした現実を踏まえたうえで、これから先も続いていく産地をどう描くのかが語られていきます。

輪島塗を未来につなぐためには、技を受け継ぐ人材を育てることが欠かせません。
同時に、制作を続けられる環境を整えること、そして輪島塗の価値を外の人に知ってもらう仕組みをつくることも必要になります。
産地の中だけで完結させるのではなく、理解者や支え手を広げていく視点が重要だと示されています。

番組が伝える復興とは、過去をそのまま保存することではありません。
これまで積み重ねてきた技や精神を土台にしながら、次の世代が関われる形へと組み替えていくこと。
輪島塗を「守る」という言葉の中には、未来へ開いていく決断も含まれていることが、静かに語られています。

珠洲焼と工芸が社会に投げかける問い

珠洲焼については、番組の中で「工芸が現代社会を撃つ」という強い言葉とともに紹介されます。
それは、刺激的な表現で目を引くためではなく、珠洲焼が持つ姿勢そのものが、今の社会に静かな問いを投げかけているからです。

珠洲焼は、自然条件と切り離せない工芸です。
土地の土を使い、天候や炎の状態に左右されながら、思い通りにならない状況の中で形が生まれていきます。
便利さや効率を最優先する発想とは異なり、制約の中でどう向き合うかが、作品の姿そのものに表れます。
その造形は、大量生産や即時性が当たり前になった社会に対して、「別の選択肢がある」と静かに差し出されているようにも見えます。

番組ではさらに、脳科学の視点から、工芸と人間の進化の関係にも触れられます。
人が手を使い、素材に触れ、試しながら形をつくる行為は、長い時間をかけて脳や感情と結びついてきました。
考えることと動かすこと、感じることと判断することが同時に起こる点に、工芸ならではの特性があると語られます。

こうした視点から見ると、工芸は単に美しいものを生み出す技術ではありません。
人がどのように世界と関わり、どんな感覚を大切にして生きてきたのかを映し出す営みでもあります。
珠洲焼を通して示されるのは、工芸が「役に立つかどうか」を超えて、人が人である理由を考え直すきっかけになり得るということです。

工芸が生み出す「復興」の力

この番組を通して浮かび上がるのは、復興を「元に戻す作業」としてではなく、「次の姿を描く力」として捉える視点です。
世界工芸トリエンナーレという場で語られた議論は、被災地の話にとどまらず、これからの社会で人が何を大切にするのかという問いにつながっています。
工芸は静かな営みですが、その中には、地域を支え、人をつなぎ、未来を考える力が確かに息づいています。

NHK【第44回全国豊かな海づくり大会】〜美し国みえ大会〜 うみログ革新と尾鷲わっぱの工芸美、あのりふぐの資源管理に迫る|2025年11月24日


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