認知症と向き合うヒントが満載!“自分らしく生きていく”ための備えとは
2025年6月19日(木)の夜7時30分から放送されるNHK「あしたが変わるトリセツショー」では、認知症とともに生きる私たちの未来に向けた特集が組まれます。今回のテーマは、「認知症になっても自分らしく暮らすために、今できることを見つめなおす」という内容です。司会は市村正親さん。ゲストにはダチョウ倶楽部の肥後克広さん、そして島崎和歌子さんが登場し、番組全体を親しみやすく伝えてくれます。
この放送では、認知症のある人が希望を持って暮らすための方法が紹介される予定です。診断を受けた後でも、その人らしさを保ち続けることができるヒントがちりばめられています。また、将来の備えとして参考になる情報も詰まっており、本人だけでなく家族や支援者にも役立つ内容になりそうです。
脳のしくみを知ることで「できること」が見えてくる
番組では、脳の働きを正しく理解することが、認知症になってからの生活の希望につながるという視点が紹介される予定です。たとえ脳の一部がダメージを受けても、すべての機能が一度に失われるわけではありません。脳にはまだしっかりと働く部分が残っており、その力を活かすことで、日常の中でできることを見つけ出すことができます。番組内では、脳のしくみの中でどこがどう影響を受け、どこがまだ使えるのかといった基本的な情報が取り上げられると思われます。
このような視点は、できなくなったことに目を向けるのではなく、「できることに目を向ける」という新しい認知症の考え方とも関係しています。何かを諦めるのではなく、今の状態で「何ができるか」を見つけていくことが、本人の気持ちや生活の質を守るうえでとても大切です。
日常生活の中で脳にやさしい刺激を与える活動として、番組では次のようなものが紹介される可能性があります。
・読書:文字を目で追い、内容を理解することで、記憶や集中力のトレーニングになります。
・クロスワードやパズル:楽しみながら思考力や判断力を使うことで、脳の活性化に役立ちます。
・音楽を聴く・歌う:なじみのある音楽は記憶を呼び起こすきっかけになり、気持ちを落ち着ける効果も期待されます。
・日記を書く:毎日の出来事や感じたことを書くことで、記憶を整理し、表現する力を保ちます。
・人との会話:話すこと、聞くことも脳への刺激になり、感情や言葉を司る領域に良い影響を与えます。
これらはどれも無理なく楽しめることばかりで、続けることで本人の自信にもつながります。難しいことをするのではなく、身近な行動の中に脳へのよい刺激を取り入れることが、今後の生活の支えになっていきます。
脳のことを知り、「どこに可能性があるのか」を見つけていく姿勢は、これからの認知症との向き合い方の大きな鍵になると考えられています。放送では、これらの視点をわかりやすく紹介してくれると期待されています。
「したいこと」リストで生活にハリを
番組で紹介されるもうひとつの大きなポイントが、「したいことリスト」の考え方です。これは、できることに目を向けるのではなく、やりたいことを大切にするという発想です。認知症になっても、気持ちや好みがすべて消えてしまうわけではありません。その人が「本当にやりたいと思っていること」を見つけていくことが、生活に前向きな力をもたらします。
「したいこと」を見つけるには、本人の意志をしっかり聞くことが大切です。周囲が「これは無理だろう」と決めつけてしまうと、その人の意欲や希望を閉ざしてしまうこともあります。たとえ実現が難しくても、「どうすれば近づけるか」を一緒に考える姿勢が必要です。
リストに書くことは、大きな目標でなくてもかまいません。小さなことでも、自分で決めたことをひとつずつ叶えていくことで、毎日に張りが生まれます。
・週に1回は昔の友だちに電話をかける
・好きだった料理をもう一度自分で作ってみる
・気に入っている服を着て外出してみる
・昔のアルバムを開いて、思い出を話す時間を作る
・家族と一緒に散歩する時間を持つ
こうした行動は、「やりたい」という思いを行動につなげていくことで、心の満足感や生活のリズムにつながります。やる気が出にくい時期でも、「リストにあるから今日はこれだけやってみよう」と目標があると、一日を前向きに過ごすきっかけになります。
また、書き出すことで記録にもなり、自分の思いや変化を振り返ることもできます。家族や支援者と共有することで、その人に合ったサポートのヒントにもなります。
このように「したいことリスト」は、認知症になってもその人らしさを大切にし、生活の楽しみや安心感を育てるための実践的な道しるべになります。番組では、リストを活用していきいきと生活している人の例や、目標を叶える工夫も紹介されると見られます。
“先輩”たちが教えてくれる認知症とのつきあい方
今回の番組では、認知症とともに5年以上を過ごしてきた“先輩”たちの姿が紹介される予定です。診断を受けたあとも、自分らしい生活を続けている人たちが、どのように日々を乗り越え、何を大切にしているかを、自らの経験を通して伝えてくれます。
こうした“先輩”たちの話には、実際に認知症と向き合ううえで役立つヒントがたくさん詰まっています。「生活がどう変わったか」「どんなサポートが助けになったか」「心が折れそうなときにどうしたか」といった、実感に基づいた話だからこそ、多くの人に響く内容になると予想されます。
たとえば、
・「日記をつけることで、自分の気持ちを整理できた」
・「趣味の編み物を続けている時間が自分のリズムを保つ助けになった」
・「地域の集まりに月1回でも顔を出すだけで、気分が変わる」
といった、ささやかなけれど大切な工夫が紹介されるかもしれません。
家族とのふれあいも重要な要素です。言葉がうまく出なくても、一緒に過ごす時間や、目を見て話すことだけでも心のつながりが感じられると語る方もいます。話す内容よりも、「一緒にいる」ことが安心につながることもあるのです。
また、地域の活動に参加している人の姿も描かれるでしょう。たとえば、ごみ拾いボランティアや体操教室、料理教室など、「できる範囲で役に立ちたい」「人との関係を持ち続けたい」という思いが生活の活力になると語る人も多くいます。
このように、“先輩”たちが積み重ねてきた時間と経験には、今を生きる私たちが学べることが数多くあります。困難を抱えながらも、自分らしく暮らしていく姿は、これから認知症と向き合う人たちにとって、希望と勇気を与えてくれる存在になるはずです。
番組では、そうした一人ひとりの姿に丁寧に光を当て、「診断を受けた後も人生は続く」「生活は工夫できる」ということを、視聴者に実感してもらえる構成が期待されます。
「新しい認知症観」に基づいた社会の見方
番組では、国が推進する「新しい認知症観」が重要なテーマのひとつとして紹介される予定です。この考え方は、従来のように「できなくなったこと」に注目するのではなく、「できること」や「やりたいこと」を見つけていく姿勢を大切にしています。認知症のある人も、生活の中で自分の力を発揮できる場があるという前提に立つことで、本人も支援する側も前向きな関係を築きやすくなります。
この視点は、本人の尊厳を守るだけでなく、希望を持って生活を続けるための土台になります。「忘れることがある」「混乱することがある」だけではなく、「料理を楽しめる」「誰かと話せる」「花に水をあげるのが日課」など、日々の中にある“できること”に光を当てることで、その人らしい暮らしが続いていきます。
また、「新しい認知症観」は、個人の考え方にとどまらず、社会全体のあり方にも関わってくる考え方です。認知症になった人を社会の中で自然に受け入れる「共生」の視点も、今回の番組で取り上げられると見られます。
たとえば、
・買い物中に少し迷っても、店員や周囲の人が自然に声をかけてくれる
・地域での集まりに、認知症のある人も当たり前のように参加している
・交通機関や公共施設で、わかりやすい案内や柔軟な対応が用意されている
こうした取り組みが当たり前になることで、認知症の人も不安なく暮らせる社会がつくられていきます。
この流れは、今後ますます重要になっていくと考えられています。高齢化が進む中で、認知症は特別なことではなく「誰にでも起こりうること」として考える時代に入りつつあります。番組を通じて、この新しい見方がより多くの人に届き、理解と優しさが社会全体に広がっていくことが期待されます。
番組を通して得られること
この特集を通じて伝えられるのは、「認知症になっても希望を持って暮らしていける」という事実です。できることを積み重ねていくこと、生活に工夫を取り入れること、そして何より「その人らしく生きていく」ことが、これからの時代にとって大切な視点だとわかります。
放送後、さらに詳しい実践例や紹介されたアイテムの内容などが明らかになる予定です。ご覧になった方の感想も交えながら、最新情報を順次追記していきます。
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