宮沢氷魚が語る大河ドラマ初挑戦と素顔の魅力
2025年6月20日放送のNHK「あさイチ」では、プレミアムトークに俳優の宮沢氷魚さんが登場しました。朝ドラ「ちむどんどん」以来、約3年ぶりの出演となり、今回は大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」での演技や、素顔に迫る話題が中心となりました。尊敬する渡辺謙さんとの共演エピソードや、俳優を志してからの努力、さらには英語を活かした国際的な活動、最近取り組んでいる絵本の翻訳まで、幅広く語られました。
初出演の大河ドラマで田沼意知役に挑む
今回の出演で注目されたのは、現在放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」で演じる田沼意知役。宮沢さんにとって大河ドラマ初挑戦となり、本人も「撮影セットが低くて、身長184cmの自分には通るだけでも大変」と苦労を語っていました。頭をぶつけないように膝を曲げて歩くという対応に、役者としての工夫が感じられました。
また、印象的だったのが、田沼意次(父親役・渡辺謙さん)が家臣から受け取った系図を池に投げ捨てるシーン。元々はカットを割って撮影する予定でしたが、渡辺さんの「一発で決める」という提案で本当に一発で成功し、作品の中でも強い印象を残しました。
渡辺謙との共演と「SOS」の裏話
宮沢さんと渡辺謙さんの関係は、今回が初めてではありません。5年前の舞台「ピサロ」でも共演しており、そのとき宮沢さんが演じた役は、35年前に渡辺さんも演じたという世代を超えた縁があります。
撮影中、宮沢さんは2回ほど渡辺さんに「SOS」を出しています。ひとつは撮影後に楽屋に飛び込んでアドバイスを求めたこと、もうひとつはスマホ越しに電話で演技の特訓をお願いしたというエピソードでした。渡辺さんは宮沢さんのことを「ドンピシャ」だと語っており、その演技力に大きな信頼を寄せています。
親友・大鶴佐助との関係
番組では、宮沢さんの親友である俳優・大鶴佐助さんのインタビューも放送されました。初対面の印象は「今と全く変わらない」と語り、公演中に宮沢さんが台本を最後まできれいに保っていたことに驚いたと明かしました。几帳面で真面目な人柄が伺えるエピソードで、舞台裏での誠実な姿勢が伝わってきます。
苦労と挑戦、34回のオーディション不合格
俳優になるまでの道のりも紹介され、大学時代に34回連続でオーディションに不合格となったことが語られました。それでも諦めず、演技の道を歩み続けた努力が現在の活躍につながっています。
さらに、最近では英語だけで演じるショートフィルム「Frozen Fish」にも出演。母語レベルの英語力を活かしながら、シーンごとに使う英語を使い分けることにこだわったと話していました。この作品で、宮沢さんはアジア・フィルム・アワード最優秀助演男優賞を受賞し、海外での活躍も本格化しています。
絵本の翻訳にも挑戦
俳優業の傍ら、絵本の翻訳にも挑戦中です。作品名は「ほしがりやのクジラ」。翻訳の仕事は今回が初めてで、これまでは通訳や翻訳家になる道も考えたことがあるそうです。実際に子どもに1回読ませたことがあるとのことで、これから絵本の世界でも可能性を広げていくようです。
渡辺謙からのメッセージ「しぶとさ・ずるさ・ねちっこさを育てて」
俳優としての将来について、渡辺謙さんからは「しぶとさ・ずるさ・ねちっこさを育てていってほしい」という言葉が贈られました。役柄に深みを出すためには、ただ真面目なだけでなく、複雑な感情や陰影も大切であるという期待の表れです。
映画・ニュース・いけばなも紹介
番組内では、ヒューマンドラマ映画も2作品紹介されました。ひとつ目は「カーテンコールの灯」で、演劇がもたらす感情の変化が見どころ。もうひとつは「フォーチュン・クッキー」。主演のアナイタ・ワリ・ザダさんは、かつてアフガニスタン国営放送で司会者として活動していたものの、タリバンの標的となり国外に避難した実話を背景に演技しています。
そのほか、5月の消費者物価指数が前年同月比3.7%上昇したという経済情報や、米類が101.7%と過去最高を記録した内容、ロシアがウクライナに和平覚書の受け入れを迫っているという国際情勢も紹介されました。
さらに、いけばなの初心者向け講座では、池坊専宗さんがコウホネやナツハゼ、カキツバタを使った水草のいけばなを指導。生ける際のポイントとして、花を葉より下に配置し、水をたっぷり注ぐことが大切だと教えてくれました。
視聴者の声とエンディング
番組の最後には、視聴者から寄せられた宮沢氷魚さんへの質問メッセージが紹介され、素直で柔らかい人柄が伝わるエンディングとなりました。俳優としての努力や新たな挑戦、素顔の魅力がたっぷり詰まった内容で、今後の活躍に期待が膨らむ回でした。
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