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NHK【ダーウィンが来た!】ペンギン王の帰還!100年ぶりの奇跡と新たな挑戦|2025年6月29日放送

ダーウィンが来た!

ペンギン王国 オウサマの帰還!

2025年6月29日放送のNHK「ダーウィンが来た!」では、100年ぶりに南米大陸へ戻ってきたオウサマペンギンの驚きの姿が紹介されました。今回の舞台は、南米最南端に位置するフエゴ島です。そこは、かつてペンギンたちが数多く暮らしていた場所ですが、人間の活動の影響で一度は姿を消しました。それから100年、オウサマペンギンが再びこの地に現れた背景には、自然環境の変化や人々の努力があります。番組では、ペンギンたちの暮らしや家族を守るための工夫、そしてフエゴ島の豊かな自然が詳しく紹介されました。

ペンギンたちが戻ったフエゴ島とは

フエゴ島は、南米大陸の南端にあり、南極からわずか1000kmの場所に位置します。島の南を流れるビーグル水道には、いくつもの小さな島が点在し、ここはかつてペンギン王国と呼ばれるほど、たくさんのペンギンたちが暮らしていました。夏でも気温は10℃ほどと冷涼なため、ペンギンたちにとって快適な環境です。

このビーグル水道は、かつてチャールズ・ダーウィンも訪れ、その船「ビーグル号」にちなんで名付けられています。フエゴ島の周辺では、マゼランペンギンやジェンツーペンギンが見られ、子どもたちが独り立ちの練習をする姿はとても可愛らしい光景です。

オウサマペンギンの知られざる歴史

オウサマペンギンは、その大きな体と美しい模様が特徴です。発見された当初は世界最大のペンギンとされていましたが、1884年に約30cm大きなコウテイペンギンが見つかり、最大の座は譲ることになりました。コウテイペンギンは南極にしか生息していませんが、オウサマペンギンは南極周辺の広い地域に分布しています。

しかし19世紀、南米大陸にも多くの捕鯨船が訪れ、クジラのアブラと同様にペンギンも乱獲されてしまいました。その影響で、オウサマペンギンは南米大陸からいなくなったとされています。ところが、近年になり再び姿を現すようになったのです。

潮目が変えたペンギンたちの未来

フエゴ島の周辺は、温度の異なる2つの海流がぶつかる場所で、ここは世界でも有数の漁場です。温暖化の影響で、この潮目が以前より南極に近づいてきています。その結果、サウスジョージア島では餌が豊富になり、オウサマペンギンの数が爆発的に増えました。

サウスジョージア島は、今では世界最大級のペンギンコロニーになり、一部のペンギンが新天地を求めて南米大陸に戻ってきたと考えられています。100年ぶりの帰還は、環境の変化とペンギンたちの適応が生んだ奇跡と言えます。

イヌティル湾にできた新たなコロニー

フエゴ島の西側に位置するイヌティル湾には、オウサマペンギンの新しいコロニーが確認されています。ここでは約15カ月かけて、親鳥たちが1羽のヒナを育てます。子育てには十分なスペースが必要なため、ペンギン同士の小競り合いもよく見られます。

イヌティル湾は、他の生息地に比べて寒さがそこまで厳しくなく、幼いヒナでも生き延びることができます。さらに、強い風が吹きつけるこの場所は人間の開発を受けにくく、自然のままの海岸線が今も残されています。そのおかげで、ペンギンたちが行き来しやすい環境が保たれています。

牧場を営む家族のペンギン保護活動

このイヌティル湾で牧場を営むセシリア・ドゥランさんの家族は、オウサマペンギンの保護活動を行っています。2010年にペンギンが戻ってきた際、一部の観光客のマナー違反が原因で数が減少してしまいました。そこで、セシリアさんは私有地を保護区とし、柵を設置してペンギンたちを守る環境を整えました。

また、ペンギンにストレスを与えず観察できるように小屋も建て、考古学者と一緒に調査した結果、大昔からこの地域にはペンギンが暮らしていたことが分かりました。家族の努力が、オウサマペンギンの帰還を支えているのです。

ヒナの成長と外敵の影響

イヌティル湾のオウサマペンギンは、他の地域よりも早く独り立ちすると言われています。理由は、湾内の狩り場が浅く、食べ物を頻繁に運べるからです。番組では、ペンギンにカメラを取り付けて、狩りの様子も撮影されました。

一方で、外来種の問題もあります。1951年に持ち込まれたチコハイイロギツネがフエゴ島全体に広がり、天敵がいなかったペンギンたちにとって大きな脅威になっています。また、放牧中のヒツジがペンギンのコロニーに迷い込み、ヒナたちがパニックを起こすこともありました。混乱の中で親鳥が卵を落としてしまうなど、自然界のバランスは非常に繊細です。

番組を通して、オウサマペンギンの100年ぶりの帰還がいかに貴重で、自然と人間の関係が重要かを改めて考えさせられました。フエゴ島の豊かな自然と、ペンギンたちのたくましい姿は、多くの人に感動を与えた放送でした。

【関連情報】
https://www.seaworld.org/animals/all-about/penguins/king-penguin/
https://animalia.bio/king-penguin
https://www.rief-jp.org/
https://en.wikipedia.org/wiki/King_penguin
https://datazone.birdlife.org/
https://pew.org/
https://visitsealife.com/
https://stlzoo.org/
https://nationalgeographic.com/

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