NHK【首都圏情報ネタドリ！】物価高でも安くて満足！首都圏うどん人気の秘密｜2025年6月27日

いま、首都圏でうどんが人気の理由

いま、首都圏でうどんが人気の理由

2025年6月27日放送予定の「首都圏情報ネタドリ！」では、物価高が続く中で人気が高まる「首都圏うどんブーム」が特集されます。食料品の価格が次々と上がる今、比較的安価で満足感がある「うどん」が注目されています。特に、福岡発のうどんチェーンの首都圏進出や、埼玉県でのご当地うどんを活用した町おこしが話題です。番組では、このうどんブームの最前線が紹介される予定です。

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福岡うどんが続々と関東進出

最近、首都圏では「福岡うどん」の人気が高まり、さまざまな店舗が続々とオープンしています。福岡うどんは、柔らかくてもちもちとした麺と、あっさりとした優しいだしが特徴で、関東でよく知られているコシの強いうどんとは大きく違います。この独特の食感と味が、首都圏の人たちの間でじわじわと広がっています。

2025年4月、福岡・博多で創業74年の老舗「因幡（いなば）うどん」が、原宿の「東急プラザ原宿ハラカド館」に首都圏1号店をオープンしました。このお店では、北海道産の昆布と国産の煮干しをたっぷり使っただしと、太くてやわらかな麺が特徴で、食べやすさと満足感が話題です。原宿という若者の街に出店したことで、SNSなどでも注目されています。

また、福岡・北九州発祥の人気チェーン「資さん（すけさん）うどん」も、東京都内1号店を両国にオープンしました。このお店は、すかいらーくグループの傘下に入ったことで、首都圏での店舗展開が加速しています。すでに千葉県八千代市にも出店しており、今後は5年以内に200店舗超えを目指す大きな計画も進行中です。

さらに、次のような福岡系うどんチェーンも関東で勢いを増しています。
・「うちだ屋」：家庭的なメニューと手頃な価格で人気
・「博多やりうどん」：博多伝統の味をそのまま提供

こうしたチェーンは、関東だけでなくアジア圏にも店舗を広げていて、福岡うどんの知名度はますます高まっています。

もともと関東では、讃岐うどんのようなコシの強い麺が主流でしたが、ここ数年で福岡うどんのやさしい食感や味が支持され始めています。SNS上では、「やわらかさがクセになる」「だしが優しくてほっとする」といった声が多く見られ、コスパ重視で量と満足感を求める今の外食トレンドとも一致しています。

特に、物価高の影響で、安くてしっかり食べられる外食が求められる中、福岡うどんのような満足度の高いメニューは、多くの人の注目を集めています。この流れは今後も続き、首都圏にさらに多くの福岡うどんの店が増えることが期待されています。

埼玉県のご当地うどんで町おこし

うどんといえば香川県が有名ですが、実は埼玉県もうどんの生産量が全国2位を誇っています。そのため、昔から県内各地で多彩なご当地うどんが食べられてきました。現在ではこれらのうどんが、地域の魅力を発信する町おこしの大きな力となっています。

埼玉県には「武蔵野うどん」「加須うどん」「熊谷うどん」「川幅うどん」「煮ぼうとう」など、地域ごとに特徴的なうどんがあり、その種類は20種類以上にもなります。地域ごとに味や食べ方、麺の形が違うのが魅力です。

その中でも特に有名なのが「武蔵野うどん」です。太くてコシの強い麺が特徴で、つけ汁につけて食べるスタイルが主流です。農家の人たちが、畑仕事の合間にお腹を満たすために生まれたといわれています。武蔵野地域では今も多くのうどん店が軒を連ねています。

次に人気なのが「加須うどん」です。加須市では、昔からうどん作りが盛んで、つやのあるなめらかな麺と、のどごしの良さが特徴です。加須市内の飲食店では、手打ちの本格うどんが味わえます。

また、鴻巣市の「川幅うどん」は、幅5cm以上の極太麺でインパクト抜群です。荒川の川幅が日本一広いことにちなんで生まれたご当地グルメで、B級グルメ大会でも全国2位に輝いたことがあります。見た目のインパクトともちもち食感が人気を集めています。

熊谷市の「熊谷うどん」は、地元産の小麦を使用しているのが特徴です。地元の農業と観光を組み合わせた地域PRの柱となっていて、各種イベントや物産展でもアピールされています。

さらに、冬の郷土料理として親しまれている「煮ぼうとう」や「おっきりこみ」も人気です。野菜たっぷりの煮込みうどんで、寒い季節の地域イベントや家庭料理として欠かせません。

埼玉県全体では「うどん共和国埼玉」というPRプロジェクトが進められており、観光客の誘致や地域活性化が積極的に行われています。具体的には、熊谷市で「全国ご当地うどんサミット」が開催されたり、鴻巣市では「川幅うどんフェス」が開かれたりと、地域を挙げたイベントが年々増加中です。こうした取り組みが、県内外からの観光客を呼び込み、地域の魅力を広めています。

埼玉のご当地うどんは、単なる食事を超えた地域の宝として、町おこしの大きな役割を担っています。これからも、埼玉ならではの個性豊かなうどん文化が注目を集めそうです。

物価高と食文化のつながり

物価高の影響で、全国的に食料品の価格上昇が続いています。特に、野菜や肉、主食の米といった日常的に使う食材が大きく値上がりしており、多くの家庭で家計の負担が増しています。こうした中、比較的価格が安定している「うどん」が改めて注目されています。

うどんは、お腹にたまりやすく、手頃な価格で食べられるという点から、節約志向が高まる今の時代にぴったりです。特に外食の場面では、コスパの良さが重視されており、福岡うどんのようにリーズナブルでボリュームのあるメニューが人気を集めています。

最近は、福岡発のうどんチェーンが「ファミレス化」を進めており、首都圏にも続々と店舗がオープンしています。柔らかい麺と優しいだしが特徴の福岡うどんは、安くて満足感が得られる外食として、多くの人に支持されています。

一方で、埼玉県では地域ごとに特色あるご当地うどんを活用した町おこしが進んでいます。武蔵野うどんや川幅うどん、熊谷うどんなど、地域色が楽しめる食文化が観光客や地元の人たちに人気です。こうした取り組みは、物価高の中でも地域の魅力を発信しながら、安価で楽しめる食事の選択肢を提供するものとして注目されています。

物価高が続く中で、消費者の多くは「安くておいしい」「地域ならではの特色が味わえる」食事を求めています。うどんブームは、まさにそのニーズに応える存在として広がっており、食文化の新たな形として各地で定着しつつあります。

今後も、物価の動きとともに、手頃で満足度の高い食事や地域独自のグルメがますます重要視される時代が続きそうです。