ふわふわの秘密を探れ!タオルが進化する理由とは?
「タオルってどれも同じだと思っていませんか?」日々の暮らしに欠かせないタオル。でも最近、「乾くのが早い」「洗うほどフワフワになる」など、不思議な進化を遂げたタオルが次々と登場しています。この記事では、2025年10月26日放送の有吉のお金発見 突撃!カネオくん「絶賛フワフワ進化中!タオルのお金のヒミツ」から、最新タオルの技術とお金の裏側をたっぷり紹介します。読むだけで、次にタオルを選ぶときの目が変わるはずです。
今治が「タオルの聖地」と呼ばれる理由と吸水性の秘密
日本のタオルと聞いてまず思い浮かぶのが、愛媛県今治市。ここは“タオルのまち”として全国的に知られています。2021年には、国内タオル出荷額のうちなんと約57%、金額にして260億円以上が今治製。約200の関連工場が集まり、街全体がタオル産業で成り立っていると言っても過言ではありません。
タオルづくりが盛んになった背景には、今治の温暖な気候と豊富な水資源があります。タオルの原料となる綿花の加工には大量の水が必要ですが、今治は軟水に恵まれ、繊維をやさしく仕上げるのに最適でした。1890年ごろからタオル製造が始まり、大阪への海運ルートが開かれたことで、繊維業が一気に発展。今では日本を代表するタオルブランド「今治タオル」として世界に知られる存在になっています。
工場では、1日に約40個分、重さにして約8トンもの綿花を使います。この綿を糸に加工する工程では、「伸べ士(のべし)」と呼ばれる専門職人が大活躍。糸の張り具合を均一に保つため、わずかな手の感覚だけを頼りに何千本もの糸を巻きつけるという、まさに熟練の技が光ります。
今治タオルが“吸水性の王様”と言われるのは、この糸の構造に秘密があります。糸をゆるくねじることで表面積を増やし、水をたっぷり吸い込めるようにしているのです。パイル部分(表面のループ状の繊維)も高密度で、触れた瞬間にスッと水を吸収。さらに、水中に含まれるマグネシウムやカルシウムなどのミネラル分が多いと吸水力が落ちるため、今治では水の成分まで厳しく管理しています。この“水の哲学”こそが、世界中の人を魅了する今治タオルの品質を支えているのです。
デザインも技術も進化!色と風合いの魔法
タオルづくりの魅力は、単に柔らかさや吸水性だけではありません。工場では、たて糸のテンションを均一に保つことも極めて重要です。糸がほんの少しでも緩んだり張りすぎたりすると、表面のパイルが不均一になってしまいます。そのため、職人は手の感覚を頼りに糸を巻き上げ、1本1本を丁寧に仕上げます。
さらに、今治タオルはデザイン面でも進化しています。最大6色の糸を組み合わせてグラデーションを作り出したり、柄ごとに糸の色を変えたりと、まるでアートのような織り方が可能。番組内では画家グスタフ・クリムトの作品『農家の庭』のような色彩の美しさにも例えられ、まさに“機能と美の融合”と紹介されました。
髪を乾かすだけじゃない!最新機能性タオルの世界
タオルの進化は「使い心地」だけにとどまりません。最近注目を集めているのが、“時短&快適”を追求した機能性タオルです。
特に人気なのが、ドライヤー時間を30%短縮するヘアドライタオル。素材には、ナイロンやポリエステルから作られるマイクロファイバーが使われています。この極細繊維が髪の間に入り込み、頭皮や毛の内側の水分までしっかり吸い取ります。装着型タイプのタオルなら、ドライヤーの熱ダメージも減らせると大好評。朝の忙しい時間に助かる“時短アイテム”として、SNSでも話題です。
一方で、“洗うほどフワフワになる”という逆転発想のタオルも人気を呼んでいます。特殊な「撚り戻し」技術で作られており、洗濯するたびに糸が空気を含んで膨らみ、ボリューム感と柔らかさがアップ。年間5万枚売れればヒットと言われる業界で、なんと240万枚を売り上げた例も紹介されました。まさに“お風呂上がりが楽しみになるタオル”です。
さらに「振ると冷えるタオル」は『気化熱』の原理を利用。濡らして振ると水分が蒸発し、そのとき熱を奪うためひんやり感が生まれます。内部と表面で水分を循環させる構造により、冷却効果が長持ち。スポーツ観戦や夏の屋外イベントで大活躍です。
スポーツ・防災の現場でも!タオルが変える新しい日常
番組では、タオルの新しい活躍の場としてスポーツや防災シーンも紹介されました。
競泳選手にも人気のセームタオルは、シカやヤギの皮「セーム革」を模した合成素材で作られており、微細な孔(あな)が水分をしっかり取り込んで離さない構造。何度でも絞って使えるので、速乾性にも優れています。
また、スティックタオルは特殊なウレタンスポンジを内蔵し、吸水・排水のバランスが抜群。自転車のサドルや公園のベンチ、ジムのマシンなどをサッと拭ける便利アイテムとして注目されています。
さらに、防災グッズとして人気の圧縮タオルは、手のひらサイズに固められていて、水に浸すとふわっと広がる仕組み。アウトドアや災害時、緊急避難時にも役立ち、軽量・衛生的で持ち運びにも便利です。タオルは、もはや「日用品」を超えた“ライフツール”の時代に突入しています。
おしぼり工場の知られざる裏側
番組後半では、埼玉県蕨市にあるおしぼり工場にも突撃取材。おしぼり業界は“回収して洗って再配達する”というリユースの仕組みで成り立っています。
工場では、巨大な12層構造の洗濯機がフル稼働。3分ごとに約1000枚ものおしぼりが自動投入され、1時間に10トンもの水を使用して洗浄します。汚れのひどいものは別ラインで洗ってから再合流し、タンブラーという機械で異物を除去。仕上げにはおしぼりをふんわりほぐし、1枚ずつ丁寧に梱包して飲食店などに届けます。
この流れを維持するためには人件費・水道代・燃料費など膨大なコストがかかりますが、それでも「清潔なおしぼり文化」を守る職人たちの努力が支えています。
カネオクイズと爆笑トーク!スタジオの盛り上がりも満点
恒例の「カネオクイズ」では、「このタオルは何に使う?」という問題が出題。正解はなんと足の指専用タオル。思わずスタジオがざわつきました。
トークでは、大沢あかねさんが「夫の下着とタオルは一緒に洗いたくない」と正直な主婦トークを展開。山下健二郎(三代目J Soul Brothers)さんは「若い頃、タオルを煮沸していた」と潔癖エピソードを披露し、さらにドームツアー本番で胃腸炎になりながらオムツを履いて踊ったという衝撃のエピソードでスタジオを沸かせました。
まとめ
この記事のポイントは以下の3つです。
・愛媛県今治市は“タオルの聖地”として日本の技術力を世界に発信している
・マイクロファイバーや撚り戻し技術など、タオルは機能性とデザインの両面で進化を続けている
・おしぼり業界や防災タオルにも、知られざるお金と努力の物語がある
日々の暮らしに欠かせない「タオル」。でもその一枚一枚には、職人の技術、科学の知恵、そして人々の快適な生活を支えたいという情熱が込められています。
次にタオルを手に取るとき、あなたも“フワフワの向こう側”を少し思い浮かべてみてください。
タオルを長持ちさせる洗濯とメンテナンスのコツ

ここからは、私からの提案です。タオルをふわふわのまま長く使うには、毎日の洗濯方法がとても大切です。間違った洗い方をすると、吸水性が落ちたりゴワゴワになったりします。ここでは、今治タオルなどの高品質タオルにも共通する正しいケア方法を紹介します。
まず、柔軟剤は使わないことが基本です。柔軟剤は繊維をコーティングしてしまい、水分をはじくようになります。最初は手触りが良く感じても、使い続けるうちに吸水力がどんどん下がってしまうのです。代わりに、クエン酸を少量入れると繊維がやわらかくなり、においの防止にも効果的です。
次に、水量を多めに設定して洗うこと。洗濯機の「標準」より1段階多く水を使うことで、タオルがしっかり動き、汚れがきれいに落ちます。水が少ないと摩擦が増え、パイルがつぶれやすくなります。タオル同士がぶつからず、ふんわり仕上げるための大事なポイントです。
洗剤は中性洗剤や液体タイプがおすすめ。粉末洗剤は溶け残りがパイルに残りやすく、硬く感じる原因になります。漂白剤は色落ちや繊維の傷みを招くので、できるだけ控えましょう。
脱水は短めに。時間をかけすぎると、パイルの立ち上がりがつぶれてボリューム感がなくなります。軽く脱水したあと、すぐに干すのが理想です。
干すときは陰干しが基本。直射日光は紫外線で繊維を傷めるため、風通しのよい日陰で自然乾燥させます。竿に二つ折りではなく、少し間隔をあけて干すと内側までしっかり乾きます。風が通るように広げると、ふんわりとした肌ざわりが戻ります。
仕上げに、完全に乾いたあとで軽くパンパンと叩くと、パイルが立ち上がりボリュームが復活します。これは今治の工場でも実践されている工程で、繊維に空気を含ませるための大切なひと手間です。
長期間使ううちに毛羽立ちや糸のほつれが出た場合は、はさみで丁寧にカットします。引っ張るとパイルが抜けて傷む原因になるため、切るだけにとどめましょう。
タオルは見た目以上に繊細な布製品です。ほんの少し洗い方を変えるだけで、吸水性もやわらかさも驚くほど長持ちします。毎日のケアが、いつまでも気持ちよく使える秘訣です。
気になるNHKをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。


コメント