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NHK【探検ファクトリー】ナガイ白衣工業(秋田・大仙市)に密着!元パリコレデザイナー渡井が挑む“医療用白衣の革命”とは|2025年10月31日

探検ファクトリー
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秋田・大仙市の“ナガイ白衣工業”が生み出す、動けるファッション白衣の秘密

病院で働く人たちが毎日着る白衣。あなたはそのデザインや作りの裏側を考えたことがありますか?「ただの制服」と思われがちですが、今の白衣は動きやすさや機能性に加え、ファッション性や患者への安心感までも追求した“最先端の医療ウェア”に進化しています。
2025年10月31日放送の【探検ファクトリー】では、漫才コンビ中川家(礼二・剛)とすっちーが秋田県大仙市にあるナガイ白衣工業株式会社を訪問。医療用白衣で国内シェアトップクラスを誇るこの工場で、“動ける白衣”がどのように作られているのかを探りました。この記事では、その製造現場と進化の背景を、専門的な視点でたっぷり紹介します。

大仙市に根付く“白衣のまち”とナガイ白衣工業の歴史

秋田県大仙市といえば、全国花火競技大会(大曲の花火)で有名な町。自然豊かな風景の中に、ひっそりと全国の医療現場を支える大規模な製造拠点があります。
その中心がナガイ白衣工業株式会社(本社:秋田県大仙市神宮寺字内大坪67番地)です。親会社は東証上場企業のナガイレーベン株式会社
で、医療用白衣・ホスピタルウェア業界のリーディングカンパニー。1969年(昭和44年)に大仙市で設立されて以来、半世紀以上にわたり“日本の医療ウェアの標準”を作り続けてきました。
現在は大仙市内にカッティングセンター・ソーイングセンター・南外工場など複数の生産拠点を持ち、年間およそ600万着を生産。国内シェアは60%以上を占め、まさに“白衣の町”を支える存在です。

白衣の進化は“時代の鏡”だった

番組ではまず、白衣の歴史を振り返りました。明治初期の看護衣は、当時の風俗を反映したエプロンのような形。戦後、保健衛生法が制定されると、昭和31年に国が正式に認めたデザインの看護衣が誕生します。
昭和46年にはファッションモデルのツイッギーが来日し、日本中でミニスカートブームが巻き起こりました。その流れを受けて、看護衣の丈も短くなり、清潔で可愛らしい印象に。さらに昭和49年にはパンタロンが流行し、女性の社会進出に合わせてパンツスタイルの看護衣が登場します。
つまり、白衣は時代の空気と共に変化してきた“ファッションの歴史の一部”でもあるのです。

現代のドクターコートは30年前と比べて見た目の大きな変化はありませんが、素材は驚くほど進化しています。ナガイ白衣工業では、自社開発と大手繊維メーカーとの共同研究により、「軽量・防透け・制菌・制電・速乾・撥水」といった多機能素材を次々と生み出しています。特に制菌加工や洗濯耐久性を備えた素材は、感染対策の面からも高く評価されています。

600万着を支える最先端工場の裏側

大仙市の工場には、医療用ウェアに使われる生地が100種類以上常備されています。手術用ガウンには、血液がついても落ちやすい特殊な撥水加工が施され、現場で求められる“清潔と快適”を両立。
カッティングセンターでは、最新のCAD/CAMシステムを導入。生地を少しずつ伸ばしながら50枚ずつ重ね、自動裁断機で一気にカットしていきます。たとえばスクラブ1着を作るには17のパーツが必要で、1枚の生地からわずか2着しか作れません。それでも精密に設計された型紙により、無駄を極限まで減らしています。
縫製工程では、約200台のミシンが整然と並び、熟練の職人たちが一針一針丁寧に仕上げています。最後に入念な検品と梱包を行い、全国の病院へと出荷されるのです。

現場の声が生む“動ける白衣”

番組の中で印象的だったのが、デザイナー渡井さんの仕事への姿勢。彼女はかつてパリコレにも参加するアパレルブランドでデザインを手がけていましたが、「街中で自分の服を着ている人を見る機会が少なかった」と語ります。
一方、医療用白衣の世界では、自分の作ったデザインが全国の病院で実際に使われ、多くの人に見てもらえる。これが彼女にとって大きなやりがいになっているといいます。
渡井さんは毎月1度、実際に病院を訪問し、医師や看護師の動きを観察。袖口の位置、ポケットの高さ、縫い目の角度などを、体の動作データを基に改良しています。
例えば「腕を上げると突っ張る」という声には、脇の縫い目を少しずらして動きやすくする設計を導入。さらに、歯科医師用の白衣には「患者の頭にポケットが当たらないよう背面ポケットを採用する」など、細やかな工夫も盛り込まれています。

手術用ウェアの色にも“科学”がある

白衣といえば「白」というイメージが強いですが、手術室では緑色や青色のガウンを着るのが主流です。これは「補色残像」と呼ばれる現象に対応するため。長時間、血の赤色を見続けると視覚が疲労し、正しい判断がしづらくなることがあります。そこで、赤の補色である緑や青を採用することで、医師の集中力を保ち、疲労を軽減しているのです。
このように、白衣の色ひとつにも科学的な理由が隠れています。ナガイ白衣工業は機能性だけでなく「医療従事者の心身への負担」まで考えた製品設計を行っています。

デザインが変える医療の印象

近年、白衣は単なる作業着ではなく、「医療機関の印象を左右するユニフォーム」としての役割を持ち始めています。病院という空間を、もっと明るく、温かく、患者に安心を与える場にしたいという思いから、柔らかな色合いのウェアやスタイリッシュなデザインが増えました。
明るいピンクやライトブルー、グレージュなどのカラーバリエーションは、患者の心理的負担を和らげると同時に、医療従事者のモチベーション向上にもつながっています。
まさに白衣は「医療現場を支える装い」から「医療をデザインする存在」へと変わりつつあるのです。

みんなに優しいユニフォーム

番組の最後、すち子が語った一言が印象的でした。
「医療従事者がストレスなく使えることは、結局患者にも返ってくる。だから“みんなに優しいユニフォーム”なんですね。」
白衣を通して医療現場を支え、人と人の心をつなぐ——それがナガイ白衣工業の“ものづくりの原点”です。大仙市から全国へ、そして世界へ。“着る技術”で医療を変えていく挑戦は、これからも続きます。

この記事のまとめ

ナガイ白衣工業(秋田県大仙市)は、医療用白衣で国内シェア約60%を誇るトップメーカー。
・年間600万着を生産し、機能性・デザイン・快適性を兼ね備えた製品を提供。
・現場の声をもとにデザインを改良する“動ける白衣”が誕生。
・色や素材、ポケット位置まで「科学と人のやさしさ」に裏打ちされた設計思想。
・白衣は今、医療を“デザイン”する新しい時代に入っている。


関連情報
企業名:ナガイ白衣工業株式会社(親会社:ナガイレーベン株式会社)
所在地:秋田県大仙市神宮寺字内大坪67番地
代表的製品:スクラブウェア『RN-5000』、ドクターコート『HO-1952』、女性用ジャケット『LX-4002』など


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