秋田・大仙市発!動きやすくておしゃれな“白衣革命”とは?
「白衣って、どれも同じに見える…」と思っていませんか?実は今、秋田県大仙市にあるナガイ白衣工業株式会社の工場から、医療現場を変える“次世代の白衣”が生まれています。生産量はなんと年間約600万着。国内シェアはトップクラスを誇り、その品質とデザイン性が全国の病院で注目されています。この記事では、10月31日放送の『探検ファクトリー』で紹介される、医療とファッションが融合した白衣づくりの最前線をひと足先にご紹介します。放送後には、番組内で明かされた新情報を追記予定です。
医療現場の声が生んだ、“動ける白衣”
かつての白衣は「汚れにくい・洗いやすい」ことが最優先で、動きやすさや快適さは二の次でした。ですが今、医療の現場では、看護師・医師・リハビリスタッフなど職種ごとに求められる機能が細かく異なります。
そこでナガイ白衣工業では、現場で実際に働くスタッフの動きを細かく観察。腕を上げた時に肩が突っ張らない「エアーアームカット」や、しゃがんでも裾が乱れない立体裁断などを採用しています。さらに、内部の熱を外に逃がす「ポンピング効果」や通気性のよいメッシュ素材など、衣服内の温度や湿度までコントロール。長時間の勤務でも快適に過ごせる工夫が詰まっています。
動きやすさは単なる快適さではなく、患者の命を預かる現場で“素早く正確に動ける”ための必須条件。まさに「動作が医療の質を変える」という発想から生まれた白衣です。
素材開発の裏側にある、“見えない技術”
ナガイ白衣工業と親会社のナガイレーベン株式会社は、1969年から医療用ウェアの素材開発を重ねてきました。医療機関の洗濯頻度は家庭の比ではなく、1日で何度も洗われることも。そのため、生地は強くなければなりません。
そこで同社が独自に開発したのが、防透性・制菌性・静電気防止・吸汗速乾をすべて兼ね備えた高機能素材。
・防透性…白衣でも下着が透けにくく、清潔感を保つ
・制菌性…細菌の繁殖を防ぎ、院内感染リスクを低減
・静電気防止…医療機器への影響を抑える
・吸汗速乾…汗を素早く吸って乾かし、快適な着心地を保つ
さらに、洗濯後もアイロン不要でシワになりにくい仕様。清潔で美しい状態を保つことができるため、医療現場だけでなく介護・福祉施設からの需要も高まっています。こうした“見えない工夫”の積み重ねが、国内トップクラスのシェアにつながっているのです。
ファッション性の高い白衣で“医療現場の空気を変える”
白衣は医療従事者にとって制服であり、同時に「患者との信頼をつなぐ第一印象」でもあります。ナガイ白衣工業ではこの点にも注目し、デザインの美しさにも力を入れています。
病院の白衣が白一色だった時代から一歩進み、近年では淡いピンク・グリーン・ブルー・ベージュなど、優しさを感じる色が増えました。これは色彩心理学に基づいた工夫で、患者が感じる不安や緊張を和らげる効果があるとされています。
また、シルエットも従来の直線的な形から、体の動きに沿うカーブを描くデザインに変化。スタイリッシュで清潔感のあるフォルムは「働く人の気分を上げる制服」としても評価されています。
まさに“白衣を着ることで誇りを感じる”時代。ナガイ白衣工業の製品は、医療現場のムードそのものを明るくする存在になっています。
秋田・大仙市が生んだ“ものづくり拠点”
秋田県大仙市神宮寺にある本社とカッティングセンターを中心に、南外地区の縫製ライン、物流センター、第2工場まで、地域全体で製造が支えられています。
裁断には最新のCAD/CAM自動裁断機を導入。生地を正確かつ無駄なく切り出し、工程ごとの効率化を実現しています。縫製工程では、熟練の職人がミリ単位の精度で仕上げを行い、最終検査ではISO9001基準に沿った品質チェックを実施。
国内で600万着を生産できる理由は、“人と機械の融合”。自動化技術に頼るだけでなく、細部の仕上がりに人の目と手を加えることで、品質を保っています。
また、地域雇用にも大きく貢献しており、若い世代の地元就職先としても人気。高校生のインターンシップや工場見学も積極的に行われ、秋田の“縫製文化”を次世代に継承しています。
白衣が“チームの一体感”を生む時代へ
ナガイ白衣工業の白衣は、もはや単なる仕事着ではありません。病院ごとにロゴやカラーを統一することで、スタッフのチーム意識や病院全体のブランディングにも役立っています。
また、患者にとっても“どのスタッフがどの職種なのか”が一目でわかるデザインは安心につながります。例えば、医師は濃い色、看護師は淡い色といった視覚的な区別を設ける病院も増加。医療現場のコミュニケーションを円滑にする要素としても、白衣のデザインが重要視されています。
番組では、中川家が実際に工場で製造工程を見学し、糸の一本一本に込められた技術者の想いを体感する予定。ものづくりの現場で働く人たちの熱意が、視聴者にも伝わる回になりそうです。
年間600万着が支える医療の現場
ナガイ白衣工業の生産量は年間約600万着。そのうち高機能性商品が売上の半分以上を占め、医療白衣分野では国内シェア60%を超えると言われています。
海外にも生産拠点を持ちながら、秋田の本社工場では高付加価値製品を中心に製造。スピーディーな納期対応と高品質の両立を実現しています。
こうした体制により、ナガイ白衣工業は「国内で作り続ける」ことを選びました。コスト重視の時代にあっても、品質・信頼・安全性を守るために、国内生産を維持し続けています。これこそが、長年にわたり医療現場に愛される理由です。
放送後に追記予定の内容
『探検ファクトリー』の放送では、中川家とすっちーが実際に現場へ潜入し、白衣が完成するまでの一連の工程を体験します。放送後には、出演者の感想や紹介された最新モデル、現場で働く職人たちの声、そして「医療ウェアの未来」についてのコメントを追加掲載する予定です。
まとめ
・秋田県大仙市のナガイ白衣工業株式会社は、医療用白衣で国内シェアトップクラス。年間600万着を生産。
・動きやすさ、通気性、防菌性、デザイン性をすべて両立した次世代白衣を開発。
・白衣の色や形にも患者への心理的配慮があり、医療現場の雰囲気を明るくしている。
・最新設備と職人技の融合で品質を守り続け、地域産業としても発展。
・放送後は番組で紹介された最新の白衣や技術者の声を追記予定。
白衣は今、「働く人を守り、患者を安心させる」存在へと進化しています。秋田の小さな町から生まれたこの技術が、全国の病院で今日も活躍しているのです。
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