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NHK【ダーウィンが来た!】密着11年!ワオキツネザル メスの“友情”物語 血縁なき絆と授乳できない理由…カメレオンを食べた驚きの行動とは|2025年11月16日

ダーウィンが来た!

11年をともにしたワオキツネザルの“友情”が教えてくれるもの

血のつながりを超えて助け合う2匹のメス、アリコローラ
2025年放送の『ダーウィンが来た!』では、マダガスカルで11年以上続く彼女たちの絆が丁寧に描かれました。
ワオキツネザルの社会は“メス優位”で、血縁を中心に群れをつくるのが基本。しかし、この2匹は一般的な生き方から外れ、常に支え合いながら過酷な自然を生き抜いています。
この記事では、なぜ血縁のないメス同士が深い絆で結ばれたのか、そして彼女たちの物語が私たちに何を示してくれるのかを解説します。

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アリコとローラのはじまり 11年続く特別な関係

舞台はマダガスカル南部のベレンディ保護区
ワオキツネザルは体長40cmほどで、“原始的なサル”と呼ばれる存在。
通常は血縁のあるメスが中心となり、10〜20匹ほどで群れを作り、東京ドームほどの縄張りで生活します。

18歳のアリコと14歳のローラは血縁関係こそありませんが、長年にわたり助け合ってきた特別なペアです。
かつてローラは乳の出が悪く、アリコがローラの子を自分の子と同じように育ててきました。
その深い関係は、社会のルールを超えるほどの強いものでした。

しかし、群れの中に大人のメスが増えると、血縁の遠いメスから追い出されるという習性があります。
アリコはその仕組みによって群れから追放され、ローラもそれを追うように自ら群れを出ました。
2年後、別のメスが合流し、新たな縄張りを獲得します。
血縁のない2匹が築いた新しい群れは、自然界では非常に珍しい存在でした。

苦しい授乳期と“カメレオン”という選択

アリコとローラには、それぞれ1歳前後の子どもがいます。
さらに2匹同時に赤ちゃんが生まれましたが、アリコには大きな試練が待っていました。
乳が出ず、アリコの赤ちゃんはうまく授乳ができない状態。

そのなかでアリコは、普段絶対に食べない“あるもの”に手を伸ばします。
それがカメレオン
ワオキツネザルは基本的に植物を食べる動物で、カメレオンを食べる例は非常に少ないとされます。
過去に記録されたわずかな例はいずれも授乳中のメスでした。

アリコは、赤ちゃんに栄養を与えるために動物性タンパク質を求める必要があったのかもしれません。
一方、授乳がうまくいかないアリコの赤ちゃんを、ローラが支えて世話をしていました。
これも血縁を超えた強い絆の証でした。

赤ちゃんの死、そしてキバシトビとの闘い

悲しいことに、アリコの赤ちゃんは地面で息絶えた姿で見つかります。
そこに襲いかかったのがキバシトビ
ワオキツネザルの赤ちゃんにとって恐ろしい天敵です。

高齢で普段は動きがゆっくりなアリコですが、この時ばかりは果敢にキバシトビに立ち向かい、追い払いました。
母としての本能、そして群れを守る力強さが鮮明に伝わる場面でした。

群れには若いメスもいますが、彼女たちはアリコ・ローラと仲良くありません。
その1匹であるラシュアは、かつてアリコを群れから追い出した張本人。
縄張り争いではメスの数が重要になるため、若いメスと高齢メスの間に溝が生まれることもあります。

ワオキツネザル独特の“メス優位”社会

ワオキツネザルの社会は珍しく、“メスがオスより優位”です。
これは半年もの長い乾期が関係していると考えられています。
限られた資源を効率よく確保するため、メスが主導権を持つ社会構造が発達したとされています。

オスは大人になると、生まれた群れを離れ、数年ごとに縄張りを移動。
一方メスは群れに残り、血縁でつながる仲間との絆が生活の中心になります。

その中で、血縁のないアリコとローラの行動は、非常に“異例”であり、自然界における友情の貴重な例となっています。

乾期の試練 アリサが乗り越えた危機

マダガスカル南部は乾期に入り、川は干上がり、食料は減り続けます。
アリコの娘アリサ(1歳)は、初めての乾期を迎え、栄養不足で命を落とす子も多い年齢です。

ある日、チャイロキツネザルに食べ物を奪われ、アリサはアリコとはぐれてしまいます。
さらに、ワオキツネザルの子どもを襲うことがある“ヘビ”が出現。

普段は別行動の若いメスやオスも、この時ばかりは集まり声をあげて威嚇し、ヘビを追い払うことに成功。
この時ばかりは群れ全体の一致団結が見られました。

10月下旬、長く厳しい乾期が終わり、川に水が戻ってきました。
アリコとローラは、高齢になっても危機のたびに互いを助け、子どもを守って生き延びています。
自然界の厳しさの中でこそ際立つ、強い絆がそこにあります。

まとめ

マダガスカルの森で11年以上続くアリコローラの友情は、血縁や社会構造に縛られない“もう一つの生き方”を見せてくれます。
授乳の苦しみ、天敵からの攻防、乾期の試練——どんな場面でも2匹は寄り添い、ともに乗り越えました。

ワオキツネザルのメス優位社会の中で、血のつながらないメスが支え合い、家族のように生きる姿は、自然界における絆の奥深さを強く感じさせてくれます。

自然の中で築かれた小さな友情物語は、2025年の今を生きる私たちにも大切なメッセージを届けてくれます。


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