冬こそ畑が育つ時間 里山の力を生かす菜園の整え方
このページでは『やさいの時間(2025年12月23日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
冬は畑が静かになる季節ですが、里山菜園にとっては次の一年を左右する大切な時間です。野菜の手入れが減るこの時期に、畑全体を見直し、自然の力を生かして整えることで、春からの生育は大きく変わります。今回の放送では、里山菜園と有機栽培の考え方を軸に、竹や笹といった天然資材を使い、土と生きものに負担をかけない冬の作業が紹介されます。
冬は里山菜園を見直す季節 畑全体を整える考え方
来年で3年目を迎える里山菜園では、これまで積み重ねてきた有機の取り組みによって、土の力が少しずつ高まっています。その結果、野菜が育ちやすくなる一方で、雑草も増えやすくなってきます。冬は野菜の生育が止まり、畑の景色が落ち着くため、こうした変化を冷静に見つめ直すのに向いた季節です。必要以上に手を加えるのではなく、今の畑がどんな状態にあるのかを確認し、来年に向けて何を整えるべきかを考える時間になります。土を深く掘り返さず、自然の流れを尊重しながら整えることが、里山菜園らしい畑づくりにつながっていきます。
天然資材を集める 竹や笹を使った里山流の準備
里山の周囲には、畑づくりに役立つ天然の素材が多くあります。放送では、竹を使って四方の骨組みを組み、その周囲を笹で囲う方法が紹介されます。竹は丈夫で形を作りやすく、笹は風を通しながら中の資材を支える役割を果たします。こうした素材は、加工を最小限に抑え、そのままの形で使えるのが特徴です。人工的な資材を使わず、身近な自然から必要なものを集めることで、畑と里山が切り離されることなく、ひと続きの環境として保たれていきます。
刈り草と落ち葉の置き場づくり 土に戻すための工夫
畑の隅に作る置き場には、草取りで出た刈り草をそのままためていきます。刈り取った雑草は処分するものではなく、時間をかけて土に戻す大切な資材です。ここに里山の落ち葉を混ぜることもできますが、番組では分解されやすい葉を選ぶことがポイントとして紹介されます。固くて分解に時間がかかる葉よりも、やわらかい葉を使うことで、後に畝へ戻したときに土になじみやすくなります。こうして集められた刈り草や落ち葉は、畑の中で循環し、少しずつ土の厚みと力を育てていきます。
冬ならではの畝づくりと土壌生物へのやさしい配慮
冬の畝づくりは、土壌生物への影響が少ない時期に行える作業です。寒い季節は土の中の生きものの動きが穏やかになるため、必要な形を整えやすくなります。ただし、土を細かく砕いたり、大きく掘り返したりすることは行いません。表面に有機物をのせ、空気と水が入りやすい状態を保つことが大切です。こうした畝づくりによって、春になると微生物や小さな生きものが再び活発に動き出し、野菜が根を張りやすい環境が整っていきます。
越冬する虫と共に育てる 有機菜園が続く理由
冬の畑では、刈り草の下や土の中で越冬している虫たちの存在も紹介されます。有機菜園では、こうした虫を単なる害として扱わず、里山の生態系の一部として考えます。越冬中の虫は、春になると再び活動を始め、土の中の循環に関わっていきます。畑を整える際にも、そうした命の居場所を奪わないよう配慮することが、長く続く菜園づくりにつながります。里山菜園が持つ力は、目に見える作物だけでなく、こうした小さな存在によって支えられています。
まとめ
冬の里山菜園は静かですが、その中では次の季節へ向けた準備が着実に進みます。竹や笹、刈り草や落ち葉といった身近なものを生かし、土壌生物や越冬する虫と向き合うことで、畑は年々力を蓄えていきます。今回の『やさいの時間(2025年12月23日放送)』では、冬だからこそできる畑の整え方が丁寧に描かれます。
※まだ放送前のため、実際の放送内容を確認後、必要に応じて書き直します。
NHK【やさいの時間】菜花・宮内菜・コウサイタイで春先どり!黒マルチで育てる“苦ウマ”菜園術|2025年11月4日
家庭菜園でも真似しやすい「小さな刈り草置き場」の考え方

ここでは、里山菜園の実践から学べる内容として、家庭菜園でも取り入れやすい小さな刈り草置き場の考え方を紹介します。広い畑や特別な設備がなくても、刈り草や落ち葉を上手にためる場所をつくることで、畑の流れは大きく変わります。雑草を捨てるのではなく、次に生かすための準備として扱うことが、この置き場の役割です。
置き場は畑の隅で十分 無理のないサイズ感
刈り草置き場は、大きく立派に作る必要はありません。家庭菜園であれば、畑の端や通路の脇など、作業の邪魔にならない場所があれば十分です。むしろ小さい方が管理しやすく、刈り草の量に目が届きます。刈った草や雑草を、その都度ここに集めていくことで、畑の中に散らばらず、作業後の景色も落ち着きます。小さな循環をつくることが、この置き場づくりの出発点です。
囲いは簡単でいい 風で飛ばない工夫
囲いに使う素材は、身近にあるもので問題ありません。竹や木の棒を地面に立てて四方を囲ったり、古い木枠やネットを利用したりするだけでも、刈り草は十分にためられます。大切なのは、風で飛び散らないことと、積み重ねやすい形になっていることです。しっかり囲うことで、刈り草や落ち葉が自然と中に収まり、時間をかけて落ち着いていきます。特別な道具がなくても形になるのが、この方法の良さです。
積み方ひとつで土への戻り方が変わる
刈り草や落ち葉は、ぎゅうぎゅうに押し込まず、軽く重ねるように積んでいきます。空気が入る隙間があることで、中でゆっくり変化が進み、後で畑に戻しやすくなります。分解が進んだものは、畝の表面に広げたり、土の上に敷いたりすることで、土を守る役割も果たします。こうして刈り草は、ただの雑草ではなく、畑を育てる大切な資材へと姿を変えていきます。
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