春を先どり!菜花で感じる“苦ウマ”の幸せとは?
春の訪れを感じる野菜といえば、やっぱり『菜花』。あのほろ苦さと香り、そして鮮やかな緑色に心が弾む季節ですね。「冬のあいだに何を育てたらいい?」「春においしい野菜を食べたいけど、何から始めよう?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。今回のNHK『やさいの時間』(2025年11月4日放送)では、そんな悩みに応える“春準備の畑づくり”がテーマ。菜花をおいしく育て、存分に味わうためのコツがたっぷり詰まった回でした。この記事では、番組の見どころと学びをまるごと紹介します。
NHK【やさいの時間】家庭菜園で有機栽培!トウモロコシとエダマメの相性抜群な育て方とは|2025年4月22日放送
畑で芸術!? 菜園deアートの完成にみんな笑顔
まずは1ヶ月前にまいたタネがどんな姿になったのかを見にいく『菜園deアート』のコーナー。
大家志津香さんは「菜魚(さいぎょ)」、つまり“野菜で魚の形を描く”というユニークなテーマ。緑の畑に魚のシルエットがくっきりと浮かび上がり、まるで自然の絵画のようでした。
一方の杉浦太陽さんは「太陽とベイビーズ」というタイトルで、元気いっぱいの太陽をイメージした畑アート。芽吹いた若菜たちが整然と並び、見ているだけで明るい気持ちになります。
どちらもテーマどおりに見事に成長し、出演者全員が「すごい!」と拍手。間引き作業をしながら、形を整えていく過程では「植物を育てることはアートに似てるね」と話す一幕もありました。大家さんは「95点!」と自己採点し、満足の表情。杉浦さんは「70点くらい」と少し控えめでしたが、やさしい笑顔で畑を見つめる姿が印象的でした。
春の主役“菜花”を食べ尽くす!品種ごとの違いも紹介
今回のメインテーマは『春の苦ウマ!菜花を食べ尽くせ!』。藤田智先生によると、菜花はアブラナ科アブラナ属の植物で、花の蕾や茎、柔らかい葉を食べることができます。東洋系・西洋系・中国系と大きく3つに分かれ、それぞれ収穫の時期が異なるのが特徴です。
・東洋系…2月末ごろから収穫開始。やわらかくて香りがよい。
・西洋系…3月末ごろからが旬。しっかりとした歯ごたえがある。
・中国系…10月に種をまくと年内に収穫できる早生タイプ。
「冬華」「宮内菜」「コウサイタイ」など、今回選ばれた品種はいずれも人気が高く、色や味わいの個性が楽しめます。とくにコウサイタイは茎が紫色で、料理に使うと彩りがとても華やかになります。
トラウデン直美さんも「こんなに種類があるなんて知らなかった」と驚いていました。春を感じる食卓にぴったりの菜花、見た目も味も楽しめる野菜なのです。
土づくりとタネまきの極意!黒マルチがポイント
家庭菜園では、土づくりがいちばん大切。藤田先生のアドバイスに従い、堆肥と化成肥料をよく混ぜ込み、ふかふかの土を作ります。畝を立てたら、黒いマルチシートを敷きます。これは“保温・保湿・雑草予防”の3つの効果があり、冬越しの野菜には欠かせないアイテム。
穴をあけた部分にタネを1箇所あたり5粒まき、薄く土をかけてから、不織布をかぶせて水やりをします。さらにその上に穴あきの保温シートをかければ完璧。これで冷たい風や霜を防ぎながら、菜花がゆっくりと元気に育っていきます。
杉浦太陽さんも「マルチを使うと本当に育ちが違うね」と感心していました。細かな準備こそ、春においしい菜花を味わうための“成功のカギ”です。
タネの期限切れでも発芽する?大学生が検証!
続いてのコーナー『みんなで実験 ベジ・レポ』では、恵泉女学園大学の学生たちが“有効期限切れのタネ”について実験しました。
「賞味期限は気にするけど、タネの期限ってどうなんだろう?」という疑問に答えるため、ダイコンとコマツナで発芽率を調べました。
結果は以下の通り:
・ダイコン…期限内98%、2年経過80%、5年経過でも75%
・コマツナ…期限内95%、2年経過90%、4年経過40%
意外にも、古いタネでも一定の発芽力を保っていることが判明。とはいえ、ネギやシソのようにデリケートな種子は1年過ぎると急激に発芽率が下がるそうです。
これを見た杉浦太陽さんが「やっぱり有効期限は大事なんだね」と納得。藤田先生も「期限が過ぎたタネを使う場合は、アブラナ科のベビーリーフがおすすめ」とコメントしました。身近な疑問を科学的に確かめる姿勢が、番組らしい実験コーナーでした。
菜花をおいしく育てるためのテクニック
菜花を上手に育てるには、冬の寒さ対策と間引きのタイミングが鍵です。霜よけには不織布を重ね、日中は換気をして湿気を逃がすことがポイント。芽が込み合ってきたら、早めに間引いて株間を広げ、風通しを確保します。
また、菜花は蕾が固い時期に収穫すると最もおいしく、咲いてしまうと味が落ちるので注意。茹でておひたしにすれば、独特のほろ苦さが際立ちます。炒め物やパスタに使っても彩りと香りが引き立ち、春らしい一品に。
森日菜美さんも「菜花の香りが大好き」と話していて、スタジオが春の雰囲気に包まれました。
やさい川柳で心ほっこり
番組の最後は恒例の『やさい川柳』コーナー。視聴者から届いた一句「収穫祭まずは広げて眺めちゃう」(千葉県・茶瓶村さん)が紹介されました。
畑仕事を終えて、収穫した野菜を並べて見つめるあの瞬間。がんばった時間が実を結んだ喜びを感じる情景が浮かび、出演者たちの顔にも笑みがこぼれました。農のある暮らしの温かさが伝わる、素敵な締めくくりでした。
まとめ
今回の『やさいの時間』では、菜花の魅力を「見て・育てて・食べる」すべての視点から紹介してくれました。
この記事のポイントを振り返ると:
・菜花は秋まきで春に楽しむのがベストタイミング
・タネの有効期限が発芽率を左右する
・黒マルチや保温シートで寒さ対策をすると成功しやすい
・咲く前の“つぼみ”こそ最高の食べごろ
春の準備は、もう始まっています。畑を持っていなくても、プランターでも菜花は育てられます。
この冬、少し手をかけてみるだけで、春には自分だけの“苦ウマ”菜花が楽しめますよ。次の週末は、ぜひタネをまいて春を先どりしてみましょう。
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